2002年にリリースされたレゲエ、ヒップホップ、R&Bの歴史に残るベスト・オブ・ベストを発表。編集部と本誌でもお馴染みの執筆者を中心に(レゲエは石川貴教、武田洋、サンダー・キラ、八幡浩司、J-WAVEの「Vibes Camp」プロデューサー塩田真人、ヒップホップは二木崇各氏)座談会形式でカテゴリー別に厳選。激動の2002年、後世に伝えるべき名盤はいったい何だったのか。 |
【SELECTORS】 ●石川貴教/Gloria店主。本誌にて「Raw Singles」を担当。毎回独特な視点でレゲエ・ミュージックを斬るライター。 ●サンダー・キラ/Taxi Hi-Fiのセレクターとして長きに渡り活躍中。渋谷のHarlemにて「Top Smoker」も開催。 ●塩田真人/J-WAVE編成局制作部所属。「Vibes Camp」は彼が仕掛け人。80年代後半よりセレクターとしても活躍。 ●八幡浩司/24×7Records代24×7 Records代表。レコード会社勤務時代よりレゲエ・ビジネスに携わり、現在は裏方師 ●武田洋/通販専門レゲエ・セレクト・ショップ、0152 Records主宰。今回はリイシュー部門のみの参加。 ●大場俊明/「Riddim」編集長。今回も我がままな選者達の意見をまとめるべく司会進行業務に徹し孤軍奮闘。 |
No.1 Higher Level / |
【海外アーティスト・アルバム】 Don Corleonから発売予定の「Egyptian Dance」も収録した最新作。レゲエ門外漢に「今のレゲエはどうなの?」と訊かれたら、このアルバムを差し出すと良い。使えるリリックやスタイルは何でもかんでも自分流にアレンジしてダンスホールにブチ込むのが、豪快な彼の個性だ。パクリと言うよりは、ノヴェルティ感覚と言った方が正しいか。ブラック・ミュージックに脈々と生き続けるエンターテイメントの伝統は、こんな所にもちゃんと示されているのだった。(石川貴教) |
No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 |
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【国内アーティスト・アルバム】 総合的に良く練られたスキの無い傑作。4人のMCが集まり、グループとして表現する意味と面白さをメンバー、制作者ともによく理解しているからこその完成度だろう。選択されたリズム、表現される内容世界、参加しているゲスト・アーティスト、どれをとっても“レゲエでやる”必然、意味を感じるものばかり。個々のスキルの確かさもさる事ながら、このまとまりの良さ、ゆらぎの無さこそ、この傑作の魅力といえるだろう。(サンダー・キラ) |
No.2 No.3
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大場:三木道三が日本のレゲエ・シーンを一般レベルにまで知らしめた去年と比較して、皆さんには今年のシーンはどう映りましたか? 八幡:凄く良かったんじゃないですか。作品もいっぱい出たしねえ。その中で言えばFire Ball『火の玉』が良かったな。あとRyo The Skywalker『Still On Journey』と…。 塩田:Home Grown『Home Grown』も良かったですね。Ryoの作品は凄く成長して聞こえたし、昨日のライヴ(12/5「Plutinum Jam」)も良かったですよ。 八幡:Home Grownの作品は今年、メディアがこのシーンを紹介する時にビギナーに対して凄くアピールしたという意味でもシーンに貢献したと思うよね。あとFire Ballのアルバムって、日本側が作ったトラックとジャマイカ側に作らせたトラックのバランスを上手く取ってて、ある種レゲエをちゃんと自分達のものとして消化して提示したって感じなんだよね。アルバム1枚通してあのクォリティを保つってところを評価したいな。 キラ:Fire Ballってあの4人のバランス感覚が魅力だと思うし、グループとして完成してるよね。あとNanjaman『Straight Up』を押したいな。今年感は薄いけど、集大成的な感じだし。Rankin Taxi『エイ ヨウ ヤロオ』も押したいしなあ。意外なところではHakase-Sun『Do Re Me Rockers』ってよく聴いたんだよなあ。 石川:Rankin Taxiの作品は良かったですよね。あとバンド系だとDry & Heavyの『From Creation』は昔のとは比べられない。新しいバンドとして聴くと凄くかっこいい。あとやっぱりDeterminations『Chat Chat Determination』かな。 キラ:Corn Head『Da Corn Head』も好きだけどね。でもシーン全体で考えると、Corn HeadのアルバムとRankin TaxiのアルバムとH-Man『レゲエ馬鹿道場』って殆ど同位って言うか…シーンの位置とかねえ、個性も違うし、比較が難しいなあ。決められないよ。 八幡:今年感って考えれば決めやすいかもしれないけど、それ以外を純粋には比べられないよね。 キラ:確かに。Dry & HeavyとRyo The Skywalkerを同じまな板に乗せて比較できないしね。これだけ日本のアーティストがジャマイカン・ミュージックを幅広く、しかも深くやってるんだから、来年からはダンスホールとレゲエから派生した音楽をやってる皆さんとかって枠を別にした方がいいよね。ここまできたらもう無理があるよ。 大場:三木道三が日本のレゲエ・シーンを一般レベルにまで知らしめた去年と比較して、皆さんには今年のシーンはどう映りましたか? 八幡:凄く良かったんじゃないですか。作品もいっぱい出たしねえ。その中で言えばFire Ball『火の玉』が良かったな。あとRyo The Skywalker『Still On Journey』と…。 塩田:Home Grown『Home Grown』も良かったですね。Ryoの作品は凄く成長して聞こえたし、昨日のライヴ(12/5「Plutinum Jam」)も良かったですよ。 八幡:Home Grownの作品は今年、メディアがこのシーンを紹介する時にビギナーに対して凄くアピールしたという意味でもシーンに貢献したと思うよね。あとFire Ballのアルバムって、日本側が作ったトラックとジャマイカ側に作らせたトラックのバランスを上手く取ってて、ある種レゲエをちゃんと自分達のものとして消化して提示したって感じなんだよね。アルバム1枚通してあのクォリティを保つってところを評価したいな。 キラ:Fire Ballってあの4人のバランス感覚が魅力だと思うし、グループとして完成してるよね。あとNanjaman『Straight Up』を押したいな。今年感は薄いけど、集大成的な感じだし。Rankin Taxi『エイ ヨウ ヤロオ』も押したいしなあ。意外なところではHakase-Sun『Do Re Me Rockers』ってよく聴いたんだよなあ。 石川:Rankin Taxiの作品は良かったですよね。あとバンド系だとDry & Heavyの『From Creation』は昔のとは比べられない。新しいバンドとして聴くと凄くかっこいい。あとやっぱりDeterminations『Chat Chat Determination』かな。 キラ:Corn Head『Da Corn Head』も好きだけどね。でもシーン全体で考えると、Corn HeadのアルバムとRankin TaxiのアルバムとH-Man『レゲエ馬鹿道場』って殆ど同位って言うか…シーンの位置とかねえ、個性も違うし、比較が難しいなあ。決められないよ。 |