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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. DJ Shu-G / No Beats, No Life - Hip Hop Classics (Universal)
人の3倍鳴りの良さに拘る男=Dreが開発から関わり、ケーブルで御馴染みのモンスター社らしい音質と音圧バランスを実現したヘッドフォン=beatsとの共同企画。セレクト&ミックスを担当したのは、クラブ・プレイからライヴDJ、ミックステープにサウンド・プロダクションと多方面で活躍中のDJ Shu-G。ヴァイナル時代からそのスキルに定評があった彼がユニバーサル音源を中心としたクラシックを巧みにミックスした本作は、2枚使いのパフォーマンスは勿論、アーティスト・ドロップやSEを含め、ド派手な仕上りに。正にbeatsで聴きたい。
 
ALBUM 
 
2. DJ Nobu a.k.a. Bombrush! / Black File The Bombrush Show! 2 (Pony Canyon)
Miami Kaosのパンチの効いたアートワークに身を包んだDJ Nobuの日本語ラップ・オンリー・ミックスショウの第2弾。メジャー、アンダー、ヴェテラン、ニューカマーの垣根なく、Rhymester「Once Again」、Anarchy, Dabo & Kreva「I Rep」、Dabo「デッパツ進行」、Ryuzo「The R」、D.O「I'm Back」等々、今年を代表するクラブ・ヒットを網羅しつつ、タイトル通りの熱量が感じられる新録「Stay Strong」(Norikiyo、Shingo★西成 & Dag Force)を用意している所も流石。Kurofuneツアーで彼のプレイを初体験したヘッズも買うベキ!
 
3. Gucci Mane / Appeal: Georgia's Most Wanted (Asylum)
獄中でリリース日を迎えた前作から9ヶ月で、ジョージアいちの危険人物が動いた。今度は正規の新作。Swizz Beatzがビートと煽り役で参加したアッパーなシングル「Gucci Time」にも顕著な様に、この男はまだ旬のど真ん中。DarkchildがプロデュースしBun Bが参加した冒頭曲から、Nicki Minaj、Ray J、Wyclef、Pharrell、Estelleらゲストを迎えた曲を挟んだ構成で、メロウなトラックに例のゆるゆるフロウが映えるパターンも活きている。DJ Montay、Zaytoven、Drumma Boy、Neptunesらも健闘。
 
4. Kid Cudi / Man On The Moon II: The Legend Of Mr. Rager (Universal)
自身のラップさえも敢えてその中心に据えない位プログレッシヴな音世界を構築した前作での内省的かつハイな夢の世界観を「現実社会」に持ってきたシリーズ第2作。Emile制作でトリップ感がより高めになった本作にはストーナーらしい「Marijuana」「Mojo So Dope」等のギター・ソロもある...ネオ・サイケデリックなトラック(チャプター?)も目立っている。先行披露されていたG.O.O.Dの親方Kanye WestとのまるでWeezerみたいな(?)ロック・チューン「Erase Me」も流れで聴くとまた違った印象に。客演はCee-lo、Mary J、Cage、GLC等。

 
5. N★E★R★D / Nothing (Interscope)
約2年半ぶりの4作目。Neptunesとしてリミックスした事もあるDaft Punk制作のメランコリックな「Hypnotize U」や、T.I.を迎えたアッパーな「Party People」等からその快調ぶりは体感可。「Help Me」を始めとする"ドアーズ等の70sバンド"から影響されたペイズリー柄が似合うロック物は賛否が分かれるが、それは新機軸とはいえ彼らが元々持っていた要素の1つであり、Pharrellの歌手としての成長ぶりも感じられるのでヨシとしたい。その他の客演はNelly Furtado位で、脱退した女性Vo.のRheaはコーラスで参加。生ブラス類がいいアクセントに。
 
6. Nottz / You Need This Music (Raw Koncept)
BustaやSnoopを始め、最近でもDweleやBilalと数多くのアーティストにトラックを提供してきたヴァージニア出身のヴェテラン・プロデューサーにしてMCのソロ。まず参加面子が凄い! Snoopから、ユニットも組んでたRoyceとJoel Ortiz、Kardinal Official、Little Brother、シンガーではDwele、Joy Denalane、Bilal、Mayer Hawthorne、そしてロック界からはヒップホップ・セッションも多いドラマー=Travis Barker。車を揺らすバンギン・ビーツを主体としたサンプリング・メソッドの効いたサウンド、そして本人のラップもカッコイイ。買い!
 
7. AZ / Doe Or Die (15th Anniversary Edition) (Quiet Money)
Nas、Foxy BrownらとのThe Firmでも御馴染みのヴェテランMCが、自身の名を上げた初ソロ作の発売15周年記念盤を発表。East NY!の掛け声でも有名な「Rather Unique」や「Gimme Yours」等のクラシックをStatik Selektah(『1982』も話題)や、同じブルックリン出身、MOPのFame、これまた古馴染みのBaby Paulらが新調したビートで歌い直した4曲に、GFKやJoel Ortisとの仕事で知られるFrank Dukes制作のリード曲「Feel My Pain」他新曲に、大合唱のヒット・メドレー・ライヴと、アニヴァーサリーに相応しい新作に。
 
8. Taboo1 from MSC / Life Style Masta (Libra)
充実したソロ作が続くMSCより"最後の刺客"が初ソロをドロップ。DVD『Burn Out』では、そのキャリアの原点であり、軸であり続けているグラフィティで魅せてくれたが、ここでもアートワークやアニメPV、そしてリリックで路上の文化を追求・表現。そんなLife Style Mastaらしく、テーマがきっちりと割り振られた本作には、何とインスト版との2枚組に。ゲストはMSCの面々から山仁、Jus-wanna、Norikiyo、志人、Silver Buck、制作では最多登場のOlive OilにDJ Baku、Maki the Magic、DJ Kensei、Illcit Tsuboi、DJ Perro、DJ Mash、HardTackle_33&HardTackle_66、I-DeAが参加。オリジナル和製ヒップホップここにあり。
 
9. ピンゾロ / P.P.P. (Ultra-Vybe)
これまた異色作! 昨年は特濃のソロ『獄窓』で日本語ラップ・ファンの度肝を抜いたラッパーの鬼が、元犬式のドラマー=Kakinuma、The Funky Perma-nentsのベーシスト=Tom...つまり新宿ゴールデン街を根城とする面子での3ピース・バンドを結成。その縁起のいい名前のエル・マロ (悪漢)達のグループが遂にベールを脱いだ。"歌ゴコロ"のあるラップ...いや、ヴォーカルでも知られる鬼だけにこういうスタイル (かなり昭和!)がハマる事は予想出来なくもなかったが、正直ここまでやれるとは! ジャズ・ファンク・マニアが1曲目で狂喜する画が見える...。
 
10. Lil'J / Fanxta (KSR)
北の大地からダーティ・ノース・ファンクをバラまく大家族=NCBB、そのサウンド・チームの長で、サンプラーにキーボード、トークボックス、タンテにサックスまで自在に操る"ファンクマスター"Lil'Jの1stプロデュース・アルバムが到着。Hokt&Two-J、Casual & Dai-Hard、Anty the紅乃壱、EnoisをそれぞれFeat.した新曲や、「Last Christmas」等のトークボックスで歌ったソロ曲に、彼が率いるJay's Bandの代表曲、そしてNCBB、Hokt、AK-69、Foesumの作品でのプロデュース、リミックス・ワークまでをフォローした集大成的な1枚。 そのファンク、そして音楽愛にシビレまくり!
 
11. V.A. / Tribute To DS455 (Bayblues / Village Again)
JPNウェッサイのオールスター・キャスト+αで贈る、DS455の前代未聞となるオール・カヴァー作。D.S.C周りから、北はNCBB、中はAK-69、南はZang Haoziを始め、総勢30名以上のラッパー、シンガー、そしてトラックのリメイクにはDJ☆GO、Lil'J、Two-J、Rimazi、DJ Dopeman、DJ SN-Z、DJ Mr.Jack、icedown、Bachlogicと、DJ PMXが選抜したらしいメンバーが並び、オリジナルの良さを残しつつ新解釈を加えた、それぞれのファンを裏切らない気持ちいい作品となっている。最後に配置された"ビート・ジャック物"もアツい!
   
12. Dag Force / Day & Night 1 -Revival & The Live- (Force Sound)
From 飛騨高山、そのブルージーでソウルフルな独自のフロウで東京シーンをかき回している才気煥発なソリスト=Dag Forceの入手困難な'08年の1st EP(手売限定)が、何とライヴ盤との2枚組仕様で登場。L-Vokal、JuswannaからDJ Yutaka、そして先に紹介したDJ NobuのミックスCDの新録曲「Stay Strong」等の客演仕事でチェックした人も多いかと思うが、その真価は鳥肌必至のライヴ・パフォーマンスにあり...という事で、DJ Bunとの阿吽の呼吸で聴かせるライヴ・アルバムの存在もありがたい限り。この男、間違いなくデカくなる...。

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