THE BK SOUND
Interview by Nobuhiko Mabuchi / Photo by Joe
湘南乃風のバックセレクターとして彼らを支えてきたThe BK Soundがソロ活動を開始。まずはミックスCD『湘南乃風〜湘南爆音Breaks!〜』を手掛け、満を持して送り出すのが初プロデュース作『One』だ。彼ならではのアイデアに満ちた硬派な初陣作!
●キャリアを振り返るとヒップホップDJからレゲエのセレクターに転向して今年で10年。区切りの年でもあったんですね。
The BK Sound(以下BK):あと、30歳までに何か形にしたいって気持ちもあって。ダブ・プレートよりもオリジナリティを求めるなら自分のトラックで新録曲を作ることだと思ってたんで、やっと実現できた感じです。
●制作に際して何かイメージはあったんですか?
BK:まず、ジャマイカ人をプロデュースしたいって思いがありました。今回で言えばT.O.K.は絶対にやろうと。
●その理由は?
BK:ダブを録ったときから感じてたことなんですけど、T.O.K.は日本人が好きなフレーズとかメロディラインをよく知ってると思うんです。どんなトラックでもT.O.K.節に乗せてくれるのではと予測していたので、T.O.K.と作った「OH OH OH」は、あえてエレクトロの要素を取り入れた打ち込みだったり、レゲエ以外のジャンルから受けたインスピレーションをダンスホールに落とし込んでオケを作りました。
●トラック作りは、いつからやってたんですか?
BK:湘南(乃風)の作業を横で見てて、その合間でキーボードとかMPCを叩いたりはしてたんですけど、本格的にやりだしたのは今回のプロジェクトが動き出してからですね。プリプロの段階からダンスでかけて反応を見て、また打ち直して練り上げていったり、いろいろ試行錯誤して作っていった感じですね。爆音で聴いて、いかに気持ちいいかってところはブレずに出来たと思います。
●Turbulenceの「Only Your Love」は変則的なオケで、あまり他にはないサウンド・アプローチになってますね。
BK:ロック・テイストなダンスホールで始まり、途中からワン・ドロップビートに変調するんですが、このトラックをTurbulenceに渡したら気に入ってくれて。すぐにリリックのせてくれたんで、スゲェ嬉しかったですね。
●日本人アーティストでは湘南乃風、HAN-KUNなどおなじみのメンバーが参加していますが、キヨサク(MONGOL800)など他ジャンルとの融合も見られます。
BK:ロック畑の人がジャマイカの土臭いバンドの音にのっかったらどんな化学反応を起こすかが楽しみで、ミュージシャンを集めてTuff GongでRecしました。キヨサクとの「DAYDREAM BELIEVER」はザ・タイマーズのカヴァーなんですけど(註:原曲はThe Monkeesの1967年のヒット曲)、例えアーティストが亡くなっても曲に込めたメッセージや意思は受け継がれるって想いと、(忌野)清志郎さんとBob Marleyへのリスペクトを込めて作りました。夢を見させてくれてありがとうと。
●The BK Soundとは、現時点でどういうものだと思っていますか?
BK:尖っていたいって気持ちはあります。まだ発展途上だし、やりたいことは腐るほどあるので、The BK Soundがどういう形になるか自分でも楽しみですね。
●12月にはリリパが決定しています。
BK:いままでやってきた自分ののサウンド・プレイとは違ったものをイメージしています。セレクターとしてもプロデューサーとしても自分が心底カッコイイって思えるものを提示しながら、新しいことに挑戦していく姿勢も大事にしていきたいですね。
"One"
The BL Soud
[Flame / FLCF4347]
"〜湘南爆音Breaks!〜mixed by The BK Sound"
湘南乃風
[Toy's Factory / TFCC-86331]