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THE MAZE

RORY
from STONE LOVE
　
Interview by Thunder Killa / Photo by Sho Kikuchi
　
Rory (L) ＆ G-Fuss (R)
　
　今年、完全リニューアル（！）を果たした、Rankin Taxi率いるTaxi Hi-Fi。そのフルセットのお披露目に、絶好のタイミングでジャマイカの国民的サウンド、Stone Love、それもRory!!（とG-Fuss）が来日！ 本誌登場は20年振りか!?
　
　まずはRoryが表紙の、本誌1990年7月号（下写真参照）を手渡すと、隣にいたG-Fussに見せながらひとしきり大騒ぎ、大笑い。その気持ちもわかる。何しろ目の前にいるRoryは当時、本誌の表紙を飾ったほっそりとした姿から、約15キロはウエイト・アップしたお姿...。しかし、日本にもダンスホール・レゲエのシーンが、ようやく芽生えたばかりの頃、来日した際、あるいはジャマイカで、見た、聴いたStone Love！ そしてRoryのクールなMCが日本のサウンドやセレクターに与えたインパクト、影響は計り知れないものがあったのだ。
　
　何がそんなにインパクトがあったかと言えば、80年代後半頃までは、１ターンテーブルで１曲ごとにMCを入れて次の曲、もしくはDJがラバダブしていく、所謂ラバダブ・セットが主流。それにたいして２ターンテーブルで曲を繋いでいくジョグリン・スタイルであるソウル・セットの代表格がStone Loveであり、文字通りのジャマイカ最先端だったのだ。
　
　「元々オレはレゲエをかけるサウンドじゃなくて、ソウルやアメリカのヒット・チューンとかを中心にプレイするシャンペンっていうサウンドでやってたんだ。83年頃からかな。スクラッチやミックスもしてたから、最初から２ターンテーブルでやってたんだ。ある時Stone Loveとクラッシュになって、オレ達がKillしたんだよ！ 当時Stone Loveは１ターンテーブルだったんだけどね。そこでリンクして一緒にやることになったんだ」
　
　「最初のダブ・プレートは、自腹でスタジオに行って、SanchezやShabba Ranks、Thriller U、Wayne Wonderを録ったんだ。でも最初の"特別な"ダブ・プレートと言えばShabbaかな。Shabbaをダブ・プレートで初めてかけたのはオレ達なんだぜ。Admiral Baileyの『Punanny』が流行ってたんで、コントラクションでShabbaの『Needle Eye Pum Pum』を録って、ぶつけたのさ」
　その後のStone Loveの快進撃はもの凄くく、圧倒的な質と量のダブ・プレート、洗練されたMCとミックス、そしてハードの面でも圧倒的で、たちまちの内に国民的なサウンドとなって行くのだ。
　
　「オレ達は世界中どこでも、いつでも、24/7、プレイできる！　自分達だけでね」
　
　強烈な自信でこう言い切れるのも、実際にやっているからこそで、例えばRoryのプレイをジャマイカで見られることは、殆ど無いだろう。それこそ、この夜の様に世界中からお呼びがかかって飛び回ってるからだ。しかし、それとほぼ同時刻にキングストンのStone Love HQではWeddy Weddy Wednesdayをやってて、もしかするとネグリルで営業してるかもしれない。
　
　そしてStone Loveも38周年（！）を迎えると言う。生き延びる秘訣は？と聞くと...
　「You Have To Love It!　この音楽の全てを愛さなきゃ。例えばオマエがボクサーだったら試合中にパッションが無くなったら死んじゃうだろ？ 時代は変わる、音楽も変わる、変わったら何度でも、オマエも変わらなくちゃ。Keep Goingだろ？」
　
　流石です！　パイセン！
　
　
Roryが初来日した時にECが撮影した写真が表紙となった『Ｒiddim』を手に大満足のご本人。