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332    COLUMN    PLAY IT LOUD

THE FOURTH BOOK / DEZARIE
[AFRICAN ROOTS LAB / ARL9934/輸入盤]
米国領ヴァージン諸島、St.クロイ出身の女性シンガーの4作目。過去アメリカで活動した時期にはアトランタで最優秀新人女性シンガーに選ばれた経歴を持つ。本作は故郷に戻った彼女が同じくSt.クロイ出身の実力派ルーツ・バンド、ミッドナイトと共に録音した珠玉ルーツ・アルバム。ヴァージン諸島のルーツ・クイーンと呼ばれるしっとりとした歌声は聴くものを魅了する。'10年女性ベスト・アルバムになり得る作品。(楳原豊人)
 
AFRICAN NEWS / BARRY ISSAC
[REGGAE ON TOP / ROTCD028/輸入盤]
J・シャカ、N・グラントと同世代であり現在でもUKルーツ・シーンを牽引する彼。彼主宰の同レーベルは初期作から新譜まで世界中のルーツ・サウンドでプレイされている。シンガーとして又プロデューサーとして八面六臂の活躍を見せる彼の今作は、お馴染みダギー・コンシャス筆頭のレゲエ・オン・トップ・オールスターズと一分の隙も無い布陣による制作。ダブ・ヴァージョンを含む全12曲のデジタル・ルーツ。(楳原豊人)
  
CONNECTION / CAS HALEY
[KING EARTHQUAKE/KECD006/輸入盤]
カツオ注目のシンガーの新作です。ジャケはパンク青年みたいだが聴いてびっくり、温かみのある歌声なんです。アコースティック重視の音とレゲエが絶妙に絡み合う湿気を吹き飛ばす音楽。ハワイアン・レゲエを聴いた後の爽快感とよく似ていますね。ムードを高めるツボを心得た曲からスロー・テンポでリラックスできる曲まで飽きのこない作品。素通りするのは勿体ないですよ。音と歌の栄養補給してみませんか。(磯野カツオ)
 
LIVE AT ROUNDHOUSE LONDON / FAT FREDDYS DROP
[STOMP RECORDS/STMP79/輸入盤]
ニュージーランドの人気バンドの新作はライヴ盤です。08年、ロンドンの録音。収録曲全てが10分を越える大作。管楽器も入った大所帯の編成はライヴで一番の力を発揮する。黙々と刻むリズムがいつまでも続く音楽こそ今大切にしなければならない。音の積み重ねに酔いしれソウルフルな歌声に浸れます。彼らのライヴが益々生で体験したくなるね。アスワドの『ライヴ&ダイレクト』が好きな方は是非聴いてください。(磯野カツオ)
 
REGGAE ANTHOLOGY - CROWN PRINCE OF REGGAE [1972-1985] / DENNIS BROWN
[VP / VP4145/輸入盤]
的確な選曲と丁寧なパッケージングで評価の高いVPの"Reggae Anthology"シリーズにデニス盤が登場。72年から85年までの、問答無用の黄金時代から全40曲。注目したいのは付属DVDで、こちらには傑作ライヴ盤『Live At Montreux 1979』と同じパフォーマンスを収録している。勢いと深み、包容感とキレ味を兼ね備えたこの時期のデニスはやはり絶品だ。これは確実に持っていないといけない作品である。(大石始)
  
JERUSALEM / ALPHA BLONDY
[VP / VP2424/輸入盤]
西アフリカ・コートジボワール出身、押しも押されぬアフリカン・レゲエの大スターの名作が3回に分けてリイシュー。本作は彼の86年作で、ウェイラーズと共にキングストンで録音された代表作だ。どっしりとしたワン・ドロップに大らかな歌声、そして政治的メッセージも盛り込んだリリックは、ジャマイカにどっぷりなリスナーの心も打つはず。切々とした歌声に胸が張り裂けそうになる、永遠のマスターピース。(大石始)
 
NICE UP THE DANCE U.K.BUBBLERS 1984-87 / V.A.
[GREENSLEEVES / GRE2073/輸入盤]
英国のレーベルUK Bubblersの楽曲を集めた2CD。リアルタイムで経験出来なかったUKダンスホール・レゲエの足跡に触れられカツオ感激。12"シングルがダンスを賑やかした80年代中頃の貴重な記録です。Tippa Irieを代表に早口MCがシンプルなリズム・トラックを縦横無尽に駆け回る魅力が詰まってます。ダブステップ、ジャングルなどレゲエと密接に繋がるスタイルを愛好する方に聴いて欲しいんや。早口が凌ぎを削るぜ。(磯野カツオ)
  
RSW 10TH /リョウ・ザ・スカイウォーカー
[リディム・ゾーン/RZCD-46620/国内盤]
RSWのメジャー・デビュー10周年を祝う数ある企画のひとつ。と言っても、彼にとっても彼の音楽を愛するファンにとってもやはりこれが一番重要なものに違いない。こうして彼の音楽史を辿って行くと、様々な手法を試し、常に新しいものを追い求める姿が垣間みられる。しかしレゲエという軸足だけはどんな事があっても絶対にズラさない頑固さとそれをエンターテイメントとして魅せつける技が最大の魅力。(大場俊明)
 
ウー・コン!?/ナチュラル・ウェポン
[ルードボーイ・ファンク・レコーズ/FSCD-0022/国内盤]
大阪は泉州発の"Ghetto Prince"として地道に実力をつけ徐々に頭角を現してきたNatural Weaponが、日本全国に一気にファンを増やした名曲「Give Me Some」を含むセカンド・アルバム。たけしビートらが制作したアグレッシヴなトラックに決して負けない濃厚なリリックと、突進力とテクニックを併せ持ったこのマイク捌きによるこれらの曲を聴けば、その進化のスピードに圧倒される。恐るべき自然爆弾だ。(大場俊明)
 
MOODSTEADY/川上つよしと彼のムードメーカーズ
[リディム・ゾーン/RZCD-46577/国内盤]
相変らず絶好調のスカパラの要、川上つよしによるサイド・プロジェクト、5年振りとなるアルバムが到着。今回は発足時のバンド・コンセプト="ムード音楽のロック・ステディ化"に立ち返ったそうだが、やはりこの手の音楽をやらせたら天下一品のメンツが集まっているだけに、お馴染みの曲がこれ以上ないってくらい実にいい感じにリメイクされている。川上、ハカセ両氏による書下し曲も共にグっとくる名曲!(大場俊明)
 
ロス・ロボス・デル・マンボ/オルケスタ・コパ・サルーヴォ
[プランツ/P-ヴァイン/PECF-3011/国内盤]
サルサやブーガルなどをルーディにブチかます日本人ラテン・ロッカーズから気合いの入った新作が到着。50年代にNYの不良たちを踊り狂わせたマンボに真っ向から挑んだ一枚だ。しかもゲストを大量に迎え、オルケスタ編成で熱いマンボを鳴らす。シャッキシャキのホーンズやドッカドカのパーカッション隊。全編を覆うルーディ感は本誌読者にもアピールするものがあるだろう。結成10年目の力作だ。(大石始)
 
ボン・ヴォヤージ・ラヴァーズ〜ウィンター・テンポ〜/V.A.
[ビクター/VICP-64891/国内盤]/span>
Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORYによる人気のレゲエ・ミックス・シリーズの最新作は、テーマが"Winter Reggae"とのことなので、夏仕様だった他作品と比べると"番外編"と言えるもの。つまり年末のちょっと胸騒ぎがするあの感じとか、凛とした空気に映えるキラキラ感がどことなく感じられるミックスになっている。そんな気持ちいいミックスながら玄人も頷くほどディープなものも巧みにブレンド。(大場俊明)
 
レイモンドVレイモンド:デラックス・エディション/アッシャー
[ソニー/SICP-2837-38/国内盤]
半年前に発表された作品を、このほどミニ・アルバムをくっつけて再リリース。ピンクやブリトニーらを手掛けてきたユーロ圏のプロデューサーを起用したクラブ仕様なR&B曲やポロウ・ダ・ドンの仕事によるジェイ・Zやバン・Bらとの共演作含め、新録となった8曲が結構スゴいことになっている。トレンドをしたたかに取り込んでいくのみならず、結果として自らの世界観を構築しきってしまう手管に震撼。(石澤伸行)
  
パッション、ペイン&プレジャー/トレイ・ソングス
[ワーナー/WPCR-13921/国内盤]
4作目。アトランティック創始者の御めがねにかなってのデビュー、そしてグラミーへのノミネートを始めとする高い実績...若手有望株としての新作発表に、高まるばかりの期待へ彼は見事応えている。制作陣は、盟友トロイ・テイラーにジョンティ・オースティン、そして自身という間違いのない布陣。結果、浮足立つ様な場面も皆無な、何かどっしりとした落ち着きみたいなものを纏った大人な作品集と相成った。(石澤伸行)
 
バック・トゥ・ミー/ファンテイジア
[ソニー/SICP-2743/国内盤]
4年ぶりの新作。先ごろ自らが巻き起こした不倫騒動/自殺未遂に限らず、若い頃からなかなかに濃ゆい人生経験を重ねてきた彼女だが、本作はそんな背景も確実に肥やしにしたと思しき、何やら鋼の如き充実感を備えている。ニーヨやシーローの援護射撃も受けてはいるが、全ての局面において真ん中に仁王立ちしているのが、彼女の歌。ヒリヒリとした緊張感の後には、ふくよかな表現力で癒しを振りまき...傑作です。(石澤伸行)
 
アメリカズ・モスト・ウォンテッド/カルヴァン・リチャードソン
[ヴィヴィッド・サウンド/VSCD-3907/国内盤]
2年ぶり5作目。"新たなモータウン"と銘打ったレーベルを自ら立ち上げた彼だが、作品から滲み出るのは"サウスな魂"そのもの。前作がボビー・ウーマックのカヴァー集であったことを引き合いに出さずとも、全曲に通底するディープな感覚は、このシーンにあってやはり貴重な存在感を放っていると言えるだろう。深みや渋みのみならず、大らかな懐も見せるような歌唱は、万国の歌好きの拠り所でもあるような。(石澤伸行)
  
ラヴ・アンド・リスペクト/ララ
[Pヴァイン/PCD-93358/国内盤]
昨年日本デビューを果たしたLA出身のチカーナ・シンガーによるセカンド作。前作に引き続きフィンガズが大きく関与する他、レイニー・スチュワートやマイク・シティなんてクレジットも目につく。ひたすらメロウに運ばれるトラック上で、彼女も負けずにキュート光線を発射!という作りは、どこを切っても甘いシロップがこぼれてくるような世界観で、"ポップなウェッサイもの"としての醍醐味は保証付きだ。(石澤伸行)
 
オール・アイ・ウォント/シェイ
[エイベックス/AVCD-38135/国内盤]
UKを拠点に一時はグループ活動も展開していたシンガーが、このたびスティーヴィー・ホアンの手によりソロ・デビュー。冒頭のジェイムス・ブラント曲カヴァーはご愛嬌としても、その他の楽曲の出来が実に素晴らしい。90'sの残り香漂うサウンド・ワークに乗る、決して太くはない彼の声が絶妙な味を醸していて、聴き進むうちに引き込まれる。プロデューサーとしてのスティーヴィーによる緻密な仕事が白眉。(石澤伸行)

 
MARIJUANA DREAM / DUBBLESTANDART
[COLLISION/CCT3021-2/輸入盤]
リー・ペリー、アリ・アップ、ディリンジャーらの欧州ツアーではバックも務めるという実力派、ウィーンのダブ・バンドの通算12作目。ウィーン、キングストン、ブロンクスでレコーディングされた本作は、多彩で豪華なメンツをフィーチャー。ルーツであるOn-Uの影響をこれまで以上に強くそして自然に感じさせる、流石の仕上り。即爆発の派手さはないかもしれませんが、ジワジワ楽しめるウィ(キ)ーッドな1枚。(飯島直樹)
 
RIO ARRIBA / CHANCHA VIA CIRCUITO
[ZZK RECORDS/ULTRA086/輸入盤]
アルゼンチンの重要レーベルZZKから2作目となるアルバム。コロンビア発祥のクンビアとダブステップ等のクラブ・ミュージックを意識的に結びつけ(る事に成功し)た前作に比較すると、アルゼンチンの伝統的なサウンドや所謂"アルゼンチン音響派"な感覚も溶け込ませた、内省的な傾向も強い仕上りとなっている。前号で紹介したTremorの作品と並び、このシーンが確実に次の段階に進んでいる事を認識させてくれる。(飯島直樹)
  
NORTH / DARKSTAR
[HYPERDUB/HDBCD 006/輸入盤]
常に一歩先のベース・ミュージックを我々に届けてくれるKode9率いるHyperdubから、シングルの時点でダブステップの枠を超える支持を広く獲得していたDarkstarが待望のアルバムをリリース。これが意外というか、ダンスに則したベースやビートが出てこない、"うた"を前面に出たエレクトロニック・ミュージック集。ただ、これもHyperdubの側面のひとつであることは確かで、英国らしい"レーベルの姿勢"でもある。(飯島直樹)
 
CIRCADIAN / JACK SPARROW
[TECTONIC/TECCD009/輸入盤]
ブリストルからダブステップ・シーンを牽引するPinchのレーベルから、リーズのプロデューサーJack Sparrowのデビュー作。テクノの要素とエレクトロニカにも通じるウォームな感触を、トライバルさもある多彩なリズムと太いサブベースにミックスしたディープな世界を聴かせてくれる。当初のインパクトから様々な方向へ分化し進化を続けるダブステップのひとつの未来形。12月には来日も決定、そちらも見逃せない。(飯島直樹)
 
ハートビート・プレゼンツ・ワン・タイム!〜ミックスド・バイ・ジャイルス・ピーターソン×AIR/V.A.
[ラストラム/LACD-0182/国内盤]
説明不要のDJ、ジャイルス・ピーターソンによる最新DJ Mixが東京のクラブAIRとのコラボレーションという形でリリース。とはいえフロア直結という選曲ではなく、正にこのジャケットの様な力強さと優しさに溢れた、正に顔の皺がそのまま反映された選曲と流れで、本来別々の場所にあった点と点がひとつの面を生み出し浮上する奇跡を聴かせる。これまで数多くの"未来のクラシック"を送り出してきた彼ならではの1枚。(飯島直樹)
 
ZZKレコーズ・プレゼンツ・ザ・デジタル・クンビア・エクスプロージョン/V.A.
[ルーディメンツ/RMT-CD022/国内盤]
所謂デジタル・クンビアの発信源であるアルゼンチンのZZKの音源をDJ Mixとベスト選の2枚組でリリース。ほぼ全ての使用曲にオリジナルのエディットを施し、最新のCDJを駆使して制作されたMood-manのMixは、ミニマル/太さ/スロウさという点で80年代デジタル・ダンスホールにも通じユラユラとしたグルーヴ。ワールド・ミュージックを独自の感性で日本に紹介しているShhhhhによるコンパイルの視点も興味深い。(飯島直樹)

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