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""Sweet Jamaica 2010""
Text by Reiko NAGASE SMITH
 
 10月のジャマイカ、今年もウェット、雨多し。
 『Riddim』330号のこのページで、「大人になった宣言」をしたボウンティ・キラーの話を書いてからたったの2ヶ月後、暴力事件をぶりかえしたとニュースで聞いた。自宅アパートでガール・フレンドに暴力をふるった疑いで逮捕され、数日間の拘留。今回は、ハンマー、電撃蚊取りラケットにチェーンまで使って18歳の女の子に暴力をふるったというからそのニュースにファンは落ちる。以前の事件で使われたのは洋服ハンガーだったっけ。「ハンマー」は、他のアーティストから曲のネタにまでされちゃってるよ。
 ボウンティ・キラーが数日間の拘留から保釈金でフリーになったその日は奇しくも、ブジュ裁判判決の日。コカイン取引の疑いでアメリカで逮捕され、去年12月から拘留されているブジュの裁判は、結局無評決審理とされて12月に持ち越された。
 事件の真相は知る由もないが、アーティストが起こすネガティヴな事件を聞くと、レゲエ・ファンにとっては肩身の狭くなるような思いだ。勝手だが、そんな気持ちにさせられる。ダンスホールのこの国での立ち位置は、微妙なところ。時と場所によって歓迎されないところが多いのだ。ひとつの島でもふたつのジャメーカ。着る服の好みも違うし、聞く音楽も違う。遊びにいくところも違うし、喋る言葉だって違う。
 外は大雨。ニコルって名前の大雨洪水にやられてジャマイカ各地で被害がでている。そんなときに聴いたこのチューン、ヴェガスの「スウィート・ジャマイカ」。永遠に歌い継がれるジャマイカ・アンテム・ダンスホール版、トニー・レベルの'90年代のチューンと同じタイトルだ。ダンスホールのクラシック・スタイルで、重鎮ジョジー・ウェイルズとシャギーの絡みがチューンを効かせてくれます。
 
Mi and mi brethren dem a sit down pon de corner(ツレといつものコーナーでダベって)
light up the fire an a boil green banana(火をくべて、グリーン・バナナを煮て食べて)
Wi haffi go igloo out a Helshire)ヘルシャー・ビーチにアイスボックス持ちで出かけて)
make a likkle stop by mi girl friend Lorna(ガールフレンドのローナんとこにちょっと寄っていこうっと)
long time mi no see de gyal and long time mi want her(しばらく会ってないし、もう長いこと好きだったんだよね、あの子のこと)
play up the music inna di side a de Bimma yah(僕のBMWの横でいい音ならしてさ)
a feel like jamming to de reggae beat(レゲエのビートでジャミング!)
double up yu body just move your feet(2倍の動きで足うごかせて)
a feel like jamming to de sweet vibration(ジャミング感じてスウィート・ヴァイブレーション♪)
sweet Jamaica(スウィート・ジャメーカ〜)
if yuh love jamaica let me see your hand(ジャマイカにラヴならその手を挙げて)
raise it to the sky let me see your hand(大空に手をかざして、その手を見せて)
if yuh love jamaica let me see your hand(ジャマイカをラヴならその手を挙げて)
sweet Jamaica(スウィート・ジャメーカ〜)
 
all a one a want is a jamrock fever(みんなが欲しいのはジャムロック・フィーヴァー)
one strong people with a powerful culture(ひとつの小さな国で、こんなにパワフルなカルチャーが生まれるなんて)
born from we side a the fastest runner(ボクらんとこで生まれたら、最速ランナーになる)
Jamaican girl dem sweeter than sugar(ジャマイカの女の子達はお砂糖みたいに滅茶スウィートだし)
ackee & saltfish & coconut water(アキー&ソルトフィッシュにココナッツ・ウォーター)
the blue mountain mek you fly a little higher(ブルー・マウンテンがより高く飛ばせてくれるよ)
 
 グリーン・バナナやアキーに象徴される、ジャメーカン・ライフの美徳をうたうこのチューン。誰もが好きなココナッツのような音楽だ。よく使うパトワのフレーズがいっぱいでてくるので、覚えて歌ってみたくなる。音楽はこうして、住んでる場所や着ている服や宗教や、出身校や、年齢も性別にも境をつくらないことができる。やっぱり、レゲエがひとつにさせるんだよと思わせるチューン。Sing di tune。
 
★ricoのジャマイカArt Life → www.ricoart.com
★ricoのスケッチ・ダイアリ→ http://ricoart.exblog.jp

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