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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. Legend オブ File Mix / Legend オブ 伝説 a.k.a. サイプレス上野 (File)
愛すべき偏った選曲が売りの(?)特殊DJ=Leg-end オブ 伝説のオフィシャル作品ついに登場。あの特殊番組『サイプレス上野の日本語ラップ キラッ!』からも解る通り、色んな意味で筋の通ったセレクト&ミックスに仕上っている。音源は、スチャダラパー、ライムス、キミドリ、ペイジャー等の、日本語ラップ黎明期からシーンをバック・アップするファイル・レコード物。これで燃えない訳がナイ! B面&アンカット・クラシック大集合的な選曲もツボで、流れもスムース。あの曲のPunpeeリミックス、なんて嬉しいエクスクルーシヴも。
 
ALBUM 
 
2. 24 Hour Karate School / V.A. (DD172)
前号紹介のCurren$yに続き、同作を完全バック・アップしたDamon Dash率いるBluRocから強力作が登場! 同レーベルに自身の不夜城スタジオを持つ音楽師範=Ski(90年代初期から活躍し、Jay-Z「Dead Presidents II」等を手がけたヴェテラン。サンプリング&生楽器導入が得意)が全曲のトラックを担当し、そのSki節全開の音にJim Jones、Curren$y、Joel Ortis、Camp Loといった新旧の強者達が乗る本作は、日本のアーティスト・オンリーの別版も存在(次号にて紹介)。震えて待て!
 
3. Album Of The Year / Black Milk (Fat Beats)
同郷の星=Slum Villageの制作や、Young RJとのBR Gunnaや、Bishop Lamontと共謀したコンピ『Caltroit』などでも話題を集めた"ラップするトラックメイカー"、2年ぶりのソロ新作。ジャケでも抱いてたMPC-2000XLに放り込んだ多種多様なネタと生演奏のレイヤーを主体とした、鳴りの良さを追求したハイ・クオリティなビートもさることながら、そのスタイリッシュでゲトーなサウンドにピッタリな口技もさらに鋭さを増している。ゲストは、Elzhi、Royce Da 5' 9"、Mr.Porter、Monica Blaireなど。デトロイト好きはぜひ!
 
4. South Central Gangsta Muzic / South Central Cartel (P-Vine)
奇跡の来日公演も記憶に新しいキャリア20年の重鎮にしてSC最凶クルーの最新作。Prodejeの指揮の下、表題通り「本物のOGによる、本物のGミュージック」が貫かれた印象。そして、その対象は"頑張って生きてるヤツ"全員と受け止められる。バリー・ホワイトからビースティまで、グルーヴからフックの引用もヴェテランらしく冴えてるが、中でも注目はママス&パパスの名曲使いの「Cali Dreamz」(これがメロウでイイ!)。日本語フレーズも飛び出す「Konichiwa」を含めGラップ狂には鉄板級の1枚に!

 
5. Livin' Large / Big Ron (Hood Sound / Village Again)
Ghetto Inc.、そしてTha DSC、Harkのメンバーとして知られる横須賀が生んだXXXXXLな存在感を持つ客演王シンガーの3rdフル・アルバム。DJ PMX、DJ☆GO、Fingazzらの用意した激バンギン&極太ファンク&鬼メロウな鉄壁のトラック群に、Kayzabro、Maccho、AK- 69、Hokt、G.Cue、La Bono、Koz、Richee、Zang Haozi、籠獅、Hi-D、大地、Jamosa、Say、更にはスキット(といってもスピット物)でZeebra、Silver Buck、と全国から総勢20名以上が参加。色んな意味で器が大きな1枚。
 
6. My Bars: The Best Of Featuring Works / Hokt (Hood Sound / Village Again)
ご存知NCBBのアンカー、自称"北のジョーカー"の力作『21 Century Rock Star』に続く新作は、これまでに残した数々の客演仕事から厳選された16曲に、冒頭の録り下ろし曲を加えたオーディオ・ディスクに、薗田監督が撮ったPV(NCBB含む)と、これが初公開となる前作リリパ(@Zepp札幌)でのバンド・ステージの1部が収められたDVDのコンボ仕様。発声からヴィジュアルを含めて拘りの強い表現者だけに、DS455やAK-69、DJ PMX、DJ Mayumi、Spicy Chocolateらとのコラボ、その全てに彼らしいヴァースが。
 
7.都市伝説 / 韻踏合組合 (IFK)
"大阪ミナミの生ける伝説"IFKが結成10周年のタイミングで渾身の4thアルバムをドロップ! 先行シングル「前人未踏」での元組合員も揃い踏みに驚かされたヘッズも多いだろうが、この新作の全曲をプロデュースしたのも元メンバーで現在多方面で活躍中のEvisbeatsで、4MCそれぞれの特性を良く知る彼らしく振り幅の広いビートを用意。韻が映えるパンチライン、コンビネーションとテーマの妙等の彼らならではのスキルフルでフリーキーな曲がズラリと並ぶ、合唱を喚起する傑作に。ゲットした後は一瞬冷蔵庫へ(音が良くなります!←都市伝説?)。
 
8. Escalate / Rau Def (File)
Trickyではありません(失礼)。超感覚的ヒップホップ...とは言い得て妙な、極めて現代っ子、しかも目茶ラップ巧い新星のデビュー作。"ラップしたくて玉乱"フリースタイラーから一皮剥け、格好いいラップにハマるワードを感覚的に選び、あたかも日常会話の延長的リリックを淀みなくフロウするその姿はニュータイプそのものだ。Punpeeや、PuB KEN、Nakkid、Zakk、Stuts、そしてJash-wonらのビートもそのしなやかな勢いにジャスト・フィット。「That's Wakazo!!」での4WD「Higher Ground」からのパンチラインの引用も冴えてる!
 
9. The Joint LP / Issugi from Monju (Dogear)
Mr.Udekikiバッカゲン! 常に注目を集めるMonjuのIssugi、約1年ぶりの2ndアルバム。頓知の効いたリリックをシリアスにトークするモノクロームな世界観を持つドープMCの彼は、その語り口の強度をさらに強め、仙人掌、Mr.Pug、 S.L.A.C.K.、Tamu、Yahiko、O.Y.Gといった盟友たちとのセッションを含め、リスナーの脳裏にその「画」を写してくれる。ビートメイカーは、Monjuの16FlipにBudamunky、Punpee、Malik、Mass-Hole、そしてK-Moon。Kikisugi注意!(6曲目のRMX、かなりダビーです)
 
10. Adieu a X / BUN (Oilworks)
比類なき世界観を持つ(ライヴ・)インストゥルメンタリストであり、B.I.G. Joe、Shuren The Fire、環Roy、そしてA.T.C.Q.のPhifeらと自作、参加作でのセッション、パリコレ等への楽曲提供でも知られる彼のソロ新作。リリースはRLPに続いて、交流の深いOilworksより。何かに揺らされている様な安心感と不安感が往来する人間味のあるビート、いや完全なる"声なき"楽曲の数々には「女性の名前」が付けられており、想像力を喚起させられることこの上なし。Oilworksからのリリースで知られるIchiro、L.A在住のDakimそれぞれのリミックスも収録。
 
11. I'm Back / D.O (D.Office)
活動自粛状態の禁を解いた唯一無二の危険な才能=D.Oのカム・バックEP。 リリースされていればベスト・アルバム入り間違いなしだった『Just Ballin' Now』は、彼の中では手応えの大きかった過去のモノとして、また新たなるボムを仕込んでいるハズ。その彼が"帰還"を告げる表題曲は、あの事件を経た今の心境をあくまでもエンターテイメントとしてパッケージした秀作。PIT GObの新作での仕事もキテたDJ Munariのビートも重厚そのもの。カップリングはPIT GOb、Jashwonも配役された衝撃のストーリー物。そして、シークレット扱いの2曲もかなりハイな仕上がり。
   
12. 日陰のヒーロー / t-Ace (Overheat)
「オレにはTVのあいつらよりもホントの痛み越えたHero」...そんな自然のスポットライトに当たらない、でも人の何倍も頑張ってる"日陰のヒーロー"について、いくつもの無念をそいつらの分まで歌う、という日陰者の代弁者=t-Aceらしい思わず"溜飲が下がり、手が上がる"1曲。トラック担当は、組むのはストリート・アルバム以来となるHi-Fiネ申=Bachlogic。そしてフィーチュアリングにKen-U。それぞれの"節(カラー)"が全開になり混じり合った好曲なのは言うまでもナシ。カップリングは、ライヴでも御馴染みの「My Nike」。

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