"SOUL REBEL" SPECIAL : REVIEWING DI SCENE of 2010 no.02
RANKIN TAXI
Interview by Toshiaki Ohba / Photo by Kobayashi Taxi
日本のダンスホール・レゲエ・シーンの礎を築き始めてから早四半世紀。今なお衝撃のチューンを連発して現場を沸かせ続けているRankin Taxiにも話を聞いた。
●今の日本のレゲエ・シーンをどう見てますか?
Rankin Taxi(以下R):落ち着いてきたんじゃないかな、見せる側はやりたいことが分って来ているし、見る側は好みが分って来ているし。悪く言えば煮詰まっているのかもしれないね。お客さんも若い人が増えて裾野が広がりましたよね。その分、自分らが食らったものと、それを伝える相手との間にギャップがあるわけだよね。だから自分の初期衝動だけでマイクを握っているだけではダメなんだ。それをお客さんにきっちり伝える工夫が必要なんだよね。もちろんエンターテイナーではあるんだけど、必ず責任がついて回ってるんだよね。
●夏の間中、日本全国のフェスに参加して感じた事をお聞かせ下さい。
R:夏の暑い中でクールな音楽をやるもんじゃないね。炎天下でタオル回すのが当り前みたいな、体力の限界まで振り絞るようなね。クール・ミュージックをプロモートしたい私としては、できるものならば夜出来るところがもっと増えて欲しいですけどね。そういう意味で「Soul Rebel」はクールで良いよね。
●その「Soul Rebel」の魅力とは何でしょうか?
R:一番良いのはやっぱり「Soul Rebel」っていうネーミングですね。まず"Mental Slavery"に対する"Soul Rebel"じゃないですか。出演者にもその意味をもっと突いて欲しいよね、「イカした音楽をやってるぜ!」だけじゃない、俺たちはどこに向かって何をしていかなくちゃいけないのかって。あと規模もそうだし、ステージが見やすいあの形もいいよね、お客さんとステージの間の親密感は格別のものがあるからね。じっくりと出しものを消化できる。ただむやみに頭を振って躍っているように見せかけていればいいイヴェントとは違うよね。だから出演者にとっても手応えのあるイヴェントだと思いますよ。
●今年の「Soul Rebel」でお客さんに望むものは?
R:アーティストの限界とか底を見据えるぐらい肝の据わったお客さんになって欲しいね。緊張感のあるステージを期待しているなら、自分たちも目の肥えた、耳の肥えた客になるべき。もちろん喜んでもらえるのが一番ですけど、言いたいことがあるならばヤジやつっこみは大歓迎ですね。まあ短い時間ですから、盛り上げるのに終始するのか、何か残すものをやるのか、そこは勝負ですよね。クールな耳が待ち構えていると思えば、こっちもどうするか勝負ですね。