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331    COLUMN    PLAY IT LOUD

BLACK GOLD / DUANE STEPHENSON
[VP/VP1897/輸入盤]
2007年、当時ほぼ無名だったにも関わらずリリースしたファースト・アルバム『From August Town』が素晴し過ぎた彼が、またしてもDean Fraserの指揮の下、アルバムをリリース。前作の全体を構築していた彼の持ち味でもある切なく哀愁をおびた歌唱による世界感は引き継がれつつ、ひと回り大きくなった印象が強い。彼の真面目な人間性がもろに出た作品だから派手さはゼロだが、滋味に満ちた作品だ。(大場俊明)
 
BABYLON IS BURNING / AMHARI
[REGGAE ON TOP/ROTCD029/輸入盤]
熱く歌い上げるヴォーカルが好評のアムハリ、待望のフル。トラック制作は同レーベルに欠かせないヒューイ・アイザチャー、コンシャス・サウンズを主宰するダギー・ワードロップを軸とするR.O.T.オールスターズ。数多くのヴォーカリスト達が彼らUKを代表する大物達に鍛えられ育っていったように、アムハリも近い将来UKシーンを牽引するアーティストとなることだろう。ヴォーカル&ダブの全12曲収録。(楳原豊人)
  
NO ONE IS SAFE / BARRY ISSAC
[KING EARTHQUAKE/KECD006/輸入盤]
自らのレーベル、レゲエ・オン・トップを主宰する傍ら精力的に他レーベルからも作品を発表する彼がキング・アースクエイクよりアルバムをリリース。UK在住のヴェテランとして早くからデジタル・ルーツに対応し、シンガーとしては勿論、プロデューサーとして数多くの作品を送り出してる。同レーベルのハードなオケも自在に乗りこなしエルダーとしての貫禄を十二分に見せ付ける。全12曲のショウケース。(楳原豊人)
 
THE BEATDOWN / THE BEATDOWN
[STOMP RECORDS/STMP79/輸入盤]
不思議な魅力を放つカナダのバンド。ぶっきらぼうに言葉を吐き出すだみ声のヴォーカルに引き込まれてしまう。ゼム在籍時のヴアン・モリソンみたい。バックの演奏は頑なにシンプルでがつがつした初期レゲエの面持ちを貫いている。ガレージ・ロック、ブリティッシュ・ビート、されどジャマイカ。一度聴けば、拳を振り上げてしまう曲が入ってるよ。初期衝動に動かされてみませんか、2曲目の「One Night」で。(磯野カツオ)
 
ダンシング・オン・ザ・ムーン/ボービー・ピンズ&ザ・サルーン・ソルジャーズ
[スカ・イン・ザ・ワールド/SIWI-143/国内盤]
モータウンや60'sポップスの雰囲気とルードなサウンドを合わせ持つ硬派で夢心地レゲエ・バンドがドイツから登場。ガールズ・ヴォーカル・トリオは最強だ。長年愛されてきたコーラス・スタイルを継承しつつワイルドなリズムに負けない歌唱がいいぜ。カッテング・ギターとオルガンが心を掻き立てるファンキー音は癖になる。ロック&ソウルという言葉がよく似合うので60'sファッションを好む方にオススメです。(磯野カツオ)
  
ブルックリン・ハングオーバー/キング・ジャンゴ・クインテット
[スカ・イン・ザ・ワールド/SIWI-142/国内盤]
USスカ界に多大な影響を与え続けてきたアーティストの新作。渋い味わい深い声で歌うジャンゴはやはり素敵だ。オールド・タイプのスカからルーツ・レゲエ、ダンスホールまで枠を取っ払って演奏する姿勢に共感します。時代を切り開いてきたミュージシャンの魂が乗り移ったかのような気合いでいっぱいさ。特に後半、怒涛の生ラバダブ・スタイル6連発が圧巻。キング・ジャンゴを浴びてください。(磯野カツオ)
 
サウンド・システム・スクラッチ/リー・ペリー&ザ・アップセッターズ
[ビートインク/PRESSURE SOUNDS/BRPS68/国内盤]
サウンド・システムの楽しみの一つにダブ・プレートがある。そのサウンドのみがプレイ出来る特別な音源は、サウンドの人気を左右する大きな要素なのは現在のシーンでも引継がれている。今作品はミュージック・シーンに於ける変革者ペリーの名曲をたった一晩のために過激にリミックスしたトラックを収録した物。当時これが大音量でプレイされていた事を想像するだけで全身に鳥肌が立つ程の興奮を覚える。(楳原豊人)
  
ダブ・プロスペリティ/ダイレクト・インパクト
[ダイレクト・インパクト・ジャパン/DIR-1011/国内盤]
欧州のルーツ・シーンとのパイプも太いDirect Impactの新作は、最新作『Prosperity』収録曲のダブを中心にした限定盤。アナログ・ミキサーを使用し、SEやエフェクトの広がりにもこだわった重量級のダブを堪能できる逸品だ。前作で話題になったメジャー・レイザー「Hold The Line」のダブなどにも注目だが、ダブの可能性を切り開くような実験精神溢れるスタンスこそが衝撃的。300枚限定なのでお早めに。(大石始)
 
リディム&ブルース/ソウルクラップ
[レディオ・アンダーグラウンド/RUC-011/国内盤]
Blue Beat Playersで味のあるギターを聴かせてくれたTaiki.S.C.の新バンドがデビュー作をリリース。ザラついた空気感が充満するド渋のリズム&ブルースが満載だが、そのなかにはギラついたルードボーイ感もしっかりと。ブルービートが爆音で流れるロンドンのクラブの光景を想起させるような、クール&ルーディなムードに魅せられる。ボ・ディドリーやビリー・ホリデイのカヴァーも素晴らしい!(大石始)
 
IGNITION〜マスター・ブラスター2010/V.A.
[ビクター/VICL-63663/国内盤]
毎月第三土曜日の深夜、渋谷の奥座敷にある地下空間をひと際熱くしているダンス「Master Blaster」。そのサントラ的ミックスCDシリーズ最新作は、Pace Makerに代わってIgnitionがミックスを担当。日本のダンスホール・シーンに対する想いのバトンはきっちりとこの若手サウンドに引き継がれていることが分るはず。このシーンの若手達の好サンプルも数多く収録しているので、その成長の程も聴いて欲しいところ。(大場俊明)
 
ゴールド・コード/ドクター・プロダクション FEAT. V.A.
[DR.プロダクション/DRCD-043/国内盤]
ドクプロが誇るリディム・コンパイル・シリーズを今改めて聴いてみると、緩急様々ながらどれも人懐っこいサウンドが魅力なんだなと分る。久々となる同シリーズの最新作は、哀愁度満点のぐっとくる系リディム"Gold Code"。トラックの制作者は774。すでに幾つかの曲は世に出てヒットしたものだが、こうして並べて聴いていると、どの曲もこのリズムに導きだされたのか、心をノックするものばかり。(大場俊明)
 
ユー・ウィル・ネヴァー・ノウ〜18カリブー・スカ・セレクション/V.A.
[ロッカシャッカ/DBCD-019/国内盤]
スカ誕生以前のジャマイカ音楽業界において、インド系の血を引くダダ・トゥワリが設立したカリブー。ジャマイカ音楽史の第一章にその名を残す同プロダクションの音源をまとめた歴史的価値も高い一枚が登場。ローレル・エイトキン「Boogie Rock」などのブギ、ドン・ドラモンドの歴史的名演「Bellevue Special」あたりの生々しさといったら! 興味深い事実が列挙されたライナーと合わせて味わいつくしたい。(大石始)
 
ライディング・ソロ/キース・スウェット
[ソニー/SICP-2728/国内盤]
オリジナル・アルバムとしては10枚目となる新作。キダーからのリリースとなった本作では、冒頭曲からオートチューン使いでトレンドへの目配せをみせる一方、レーベル・メイトとなったジョーとのデュエットで話題作りを図っているものの、アルバムの全体像はどこを切っても、キース印。メロウでありながら贅肉皆無の流麗なトラック上で粘っこく喉を鳴らす様には、往年のファンならずとも耳を奪われるハズ。(石澤伸行)
  
ア・ピース・オブ・ミー/タニア・クリストファー
[Pヴァイン/STBC-006/国内盤]
先々月号で紹介したレイザーの作品にも登場していた18歳の女子がアルバム・デビュー。ジャッキー・ボーイズらが提供する楽曲は、ポップであることを基調にしつつも、サウス・ビート風から四つ打ちものまで色々。そこに溌剌とした彼女のヴォーカルが乗ることで、アルバムはカラフルな輝きを放っている。結果、スウィング・アウト・シスターやタリアといった先輩達の曲のカヴァーも、狙いはバッチリ的中。(石澤伸行)
 
ノー・カミング・バック/スティーヴィー・ホアン
[エイベックス/AVCD-38093/国内盤]
UKを拠点に活動を展開、日本でも2年前にデビューを果たしたアジア系シンガーによるセカンド。レディ・ガガを手掛けたレッドワンの参加もあってか、クラブ仕様なトラック捌きがいくつか認められるが、アルバム全体の表情を決めているのは、やはり胸キュン系のミッド曲。自らのアイドルであるR・ケリーやアッシャーからの影響を消化する形で、自分の世界観をきっちりと構築しているあたりは実に頼もしい。(石澤伸行)
 
ベター・ザン・ビフォー/ケイ・B
[ビクター/VICP-64864/国内盤]
2年半ぶりのセカンド。本作ではスティーヴィー・ホアンとのタッグは解かれ、エステル等を手掛けたドリュー・ビーツらとの制作体制が張られている。どこか草食系な佇まいをもった歌いっぷりに対しては、どうしても"ポスト・ニーヨ"的な言葉を宛がいたくなるが、本作を特徴付けているのは、彼のアグレッシヴな作り手としてのスタンス。随所に感じられる攻めの姿勢は、アルバム全体にメリハリを与えている。(石澤伸行)
  
チャプター・ワン/ラムジ
[BBQ/BBQ-12CD/国内盤]
UKを中心に、自らのルーツでもある中東諸国等での活動で頭角を現した男性シンガーによる日本デビュー盤。クラブ的なサウンド・アプローチや、MJ「Man In The Mirror」のカヴァーに取り組むあたりは、インディからのステップ・アップを狙う立場として当然かつ上々の出来だが、彼の強みは、基本ジェントルでありながら、きっちりと骨を感じさせる歌唱こそにあるような。MJ的アピールも、堂に入っている。(石澤伸行)
 
アイム・ア・モンスター/イスラエル
[BBQ/BBQ-16CD/国内盤]
フィリピン系オーストラリア人アーティストが、昨年発表したミックス・テープをアルバム化。既にファボラスらビッグネームとの共演も済ませている彼だけあって、パフォーマーとしての"映え"の部分は申し分なし。本作でも、時折見せる感情移入の巧みさが、シンガーとしての存在感を格別なものとしている。現在は米国に活動の拠点を移し、USメジャーとの契約も決まっているという彼の動向には、要注目かも。(石澤伸行)

 
MAGNIFICATION / MAGNIFICO
[[PIRANHA/CD-PIR2440/輸入盤]
スロヴェニア出身のアーティスト。バルカンなブラス・サウンドにジプシーな哀愁のヴォーカル、そしてロカビリー〜ロックンロールなギターが縦横斜めに多彩な展開。ヨーロッパの劇伴音楽のようなノリもあれば、カントリー・タッチの曲もあったり、バルセロナ的なスカ/パンクが混ざり合ったようなノリ、そしてクラブにも対応できそうなビートもあり......と、アルバム全体で盛り上がれる内容に仕上っている。(飯島直樹)
 
MSHINI WAM / SPOEK MATHAMBO
[BBE/BBE156ACD/輸入盤]
米国の信頼できる雑誌『FADER』の表紙を飾るなど、早くも大きな注目を集めている南アフリカ出身のアーティスト。南アでエレクトロと言えば思い出されるDJ Mujavaに通じるエレクトロ×トライバル・ビートを基盤にしながらも、より洗練された印象なのは、活動の拠点をヨーロッパにしているからか。昨今注目を集めるカーニヴァル/トロピカル・ビーツの開放感と、ミニマル感ある内向きな音像とのバランスが絶妙。(飯島直樹)
  
2ND RATE / POLSKA
[SUBTLE AUDIO/SUBTLE003CD/輸入盤]
アイルランドのプロデューサー。"ジャズを取り入れた"というのは別の次元でジャズを強く感じるドラムンベース。ジャズのドラミングをドラムンベース的に捉え、それを素材としてダンスだけに機能しないサウンドに作り替えていて、個人的には90年代後半のMo'Waxが挑んでいた世界の到達点のひとつとも言いたくなる、ディープなブレイクビーツを展開。スピード感の異なる曲で2枚のディスクに収録した充実作。(飯島直樹)
 
PARA ARMAR / TREMOR
[ZZK/ULTRA085/輸入盤]
フィルム・スコアも手掛けるアルゼンチンのマルチ・インストゥルメンタリストがデジタル・クンビア総本山ZZKからリリース。様々なアーティストの曲をミックスした04年からの曲を多く収録、それが功を奏して、デジタル・クンビア王道なノリから映画音楽的な美しい曲、インディな香りの曲まで、幅広いサウンドを披露。クンビアらしい「なんかアホだなぁ」という感じは薄いものの、シーンの充実ぶりも感じる傑作。(飯島直樹)
 
ARE YOU READY? / RUDE KID
[NO HATS NO HOODS/NHNHCD1002/輸入盤]
ロンドン出身、22歳のプロデューサーのアルバム。グライム・シーンの中から出てきた才能ではあるが、全編インストの本作はグライムという枠で括ってしまう訳にはいかない、ダブステップやUKファンキーなど、英国ベース・ミュージックの現在形のひとつを聴かせてくれる。所謂"アゲ"な感じではないところで高揚感を持ち、またグライムならではのヒリヒリとした緊張感も併せ持った鋭いトラックを聴かせてくれる。(飯島直樹)
 
EGYPT NOIR: NUBIAN SOUL TREASURES / V.A.
[PIRANHA/CD-PIR2337/輸入盤]
エジプトの中のブラック・アフリカ=ヌビアンの伝統を伝える好編集盤が、右と同じく要注目のワールド系レーベルからのリリース。パーカッションと弦楽器を主体に、中東なムードはもちろん、ゆったりとしたアフロ・グルーヴ、より現代風なアレンジの曲、インド〜中国も呑み込む汎アジアなフレーズ......が、日本人には親しみ易いメロディとの相乗効果もあって、聴いたことがないのに懐かしいような不思議な感覚。(飯島直樹)

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