(U KNOW)What the deal is
なんかシー・シェパードとかの事、書くだけであいつらの思うつぼみたいで嫌なんだけど、こっちじゃメディアが面白しろ可笑しく取り上げるし、リアリティ・ショウまでやってすっかりタレント化していて、ハリウッドの今の構造が分かる感じがするんだけど、誰か今、自衛艦に乗っていて、うっかりあいつらに魚雷とか撃っちゃう奴いないかな? 後で、「北朝鮮の船だと思った」とか言ってりゃ、サポートしてくれる政治家とかいると思うし、韓国じゃ、ヒーローになるのは必至?
●今月のブロックパーティ
クイーンズのライターの聖地、5ポイントで7/31に、ブロックパーティが行われた。ローカルの新旧ライター、タッツ・クルーから、セス、イエス2などの作品、DJにロードフィネス、マイクを握ったのはラージ・プロ、OCとAGなどと、ローカルならではのメンツ。ダンス・コンテストに、アートのコンテストもあり、勝者は巨大なトロフィーと半端な200ドルという、これもローカルな賞ならでは?
●今月のイタ電
というのも真っ当な大人のする事ではないのだが、デフ・ジャムと再び次のプロジェクトの打診中のシャインのウェブ上のインタヴューに、50セントが偽名を名乗り数回に渡りいたずら電話をかけるというメル・ギブソン並の意味不明の行動に出た。このコラムでもリポートしてきたが、ショーン・コムズの罪を被り出所し、強制送還されたシャインが、デフ・ジャムのサイトでファン等の質問に答えるという企画で、中継中に50が何度も偽名を使い、訳の分からない質問を何度も浴びせ、最後には「黙れ!」と叫ぶという不可解なイタ電劇を自分でも収録、ネット上に立ち上げ、面白いと世間から評判を得ようとしたつもりだが、弱い者イジメにしか見えない結果となった。シャインの後のコメント「彼は俺の仲間にコンタクトしてきて、ビーフを解消して欲しいって言って来ていたばかりだ。しかしあれほど切羽詰まっているとは思わなかったね。隠れてチクっていたかと思ったら、証人保護プログラムに入っているみたいだ。マザー・ファッカー達から守ってもらっているのかと思ったら、今はストーカーに成り下がっている」。ハリウッド映画の出演でも話題が絶えない50だが、ウェブの使い方と、現実と自分の立場分かっているのかな?
●今月のタレント議員
ワイクレフ・ジョーンがハイチの大統領候補に立候補すると発表。各界から非難がとんでいる。まずは被災者のキャンプのマネージメントをしている俳優のショーン・ペン。「彼の二重国籍が大統領候補として、法的に正しいとは思えない」。そして候補に名乗り出ているミュージシャンのマイケル・マーテリー。「クレフはこの国で育っていないし、どの近所を知っている訳でもない。ましてや、一人でネイバーフッドを運転する事も出来ないし、言葉も喋れない。多大なるハンディキャップだ」。更に従兄弟でもあるフージーズの同僚、プラズ。「120万もの人が今、テントのキャンプに住んでいる。一体どういうプランで彼らをそこから出そうって言うのか? 更に、この選挙とハイチの問題はワイクレフに何も関係ない」。実際、マーテリーのサポートとして活動も始め、大分目つきも良くなったプラズまで引っぱりだされるとは、なんという茶番。大阪とか、東京の知事選じゃないんだからね?
●今月のアニヴァーサリー
33周年を迎えるロック・ステディ恒例の野外イヴェントが、今年もなぜかニュージャージーで行われた。去年とあまり変わらないEPMD、ビッグ・ダディ・ケーン、イーヴルD、DJスクラッチ、カーティス・ブロー、アーティファクツ、ロード・オヴ・アンダーグランド、去年出てたかな?...9thワンダー、イモータル・テクニック、ダイナスティ、マイキ・ファクツ、そして地元NJをレプリゼントする懐かしい、私の旧友でもあるラキム・シャバズ、チル・ロブG、ホームボーイ・サンドマン、ダイレーテッド・ピープルのラッカなどが出演した。まずロケーションが、ロック・ステディと縁があるか疑問な、ニュージャージーはニューアークというなんともNYからアクセスし辛い場所で閉口するし、どうしてNYを代表する歴史的クルーが、NYでコンサートを行う許可がとれないのか、社長のレッグスに聞いてみよう?
●今月のジャム
ここ数年、渋いセレクションの野外コンサート・シリーズを行っているブルックリンのウィンゲート公園で、8/2にヒップホップの部が行われた。まだリアリティ・ショウが記憶に新しいソルトンペッパと、スリック・リック、というおじさん、おばさんと、ペッパの元彼で、オリジナル・メンバーが揃ったノーティ・バイ・ネイチャーと、当時ではあまりヒップホップじゃなかったんじゃねえの、というメンツ?
●今月のジャム2
本当にローカルで、ラップのルーツとしても評価されているギル・スコット・ヘロンが、ハーレムのマーカス・ガーヴィ公園で8/5、フリー・コンサートを行った。痛々しい程、枯れススキの様になってしまった彼だが、相変わらずの反骨精神を持った新曲や、生きているうちに黒人の大統領を迎えてしまった葛藤を歌い、往年のクラシックスであり、彼自身が戦いを続けている「The Bottle」で大円団という内容の素晴らしいコンサートだった。懐メロばっかやっているヒップホップの80年代、90年代の連中も見習って欲しいね?
沼田 充司
DJ/プロデューサー。 レーベル<ブダフェスト>主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]