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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. Trill O.G. / Bun-B (Rap-A-Lot)
UGKのBun-B、入魂のソロ3作目。永遠の相方=Pimp Cの死後に発表された前作や『UGK For Life』も素晴らしい仕上りだったが、T-Pain、Jeezy、Gucci Mane、Drakeらゲストのハマり具合も格別な本作も相当な傑作! Boi-1da、Drumma Boy、J.U.S.T.I.C.E. League、DJ Premier、Steve Below、そしてPimp Cのプロダクション・チーム=808 Boyzのメンバー、DJ B-Doらの用意したトラックも秀逸で、そこに乗る主役の存在感の凄さったらない。故Pimp Cと故2 Pacとの共演曲「Right Now」も擬似、ながらリアルに響く。
 
ALBUM 
 
2. Teflon Don / Rick Ross (Def Jam)
ご存知マイアミの4thアルバム。4回連続の全米1位は逃したものの、雑音をシャット・アウトしたかのような唯我独尊ぶりは劇画チックなエンターテイメントとして楽しめるし、やはり(故ビギーへの憧憬が見える)この男のラップ力には惹かれるものがある。「Free Mason」(!)でのJay-Zを始め、Cee-Lo、Jadakiss、Erykah Badu、Kanye West、Ne-Yo、Diddy、Trey Songz、Drake、Chrisette Michele、Styles P、Raphael Saadiqといった客演勢もさることながら、A&RのDJ Khaledが集めたビーツも彼向きのドラマティックなものが多く、トータルでポイントの高い1枚に。
 
3. Pilot Talk / Curren$y (Def Jam)
ニュー・ オリンズ出身で、これまでにNo Limit、Cash Money等とサインしつつも正式発売する事がなく、ミックステープ・ヒーローとして鳴らしてきたラップ巧者の彼がようやくデビュー。その才能を高く買ったDamon Dashのレーベル=DD172からのリリースとなる本作は、メイン・プロデューサーにDamonとは古い付き合いとなるSki Beatzを迎え、主役のファンキーでナスティなフロウを十八番のサンプリング&生音トラックで好サポート。Snoop Dogg、Mos Def、Jay Electronica、Devin the Dudeらゲストもクセ者ばかり。中毒性かなり高し!
 
4. On Vacation From Vacation / Damani (P-Vine)
Kuruptの傑作3rdに参加し頭角を現し、Snoopが後見人となるDub Unionのメンバー、LAはイングルウッド出身の強者MCの初ソロ作。Snoopがイントロデュースしたシングル曲も彼らしいクールな出来だったが、アルバムは予想以上に物凄い事に! 大半のトラックを手掛けたのは、R&B、ゴスペル・シーンで信頼度抜群、Snoopとも近しい大物Warryn Campbell(活動初期にはDeath Rowで鍵盤奏者も)で、西のスーパースターたちが参加している本作でも幅広いサウンドを提供。タイトルの大げさ感も妙に納得できる、新しさと懐かしさが同居し、ソウルフル(シンガー達もいい!)で骨太な会心作。ウエッサイ・ファン以外にもオススメ!

 
5. 15 Years Of Duck Down Music / V.A. (Striding)
ブルックリンを根城に90年代のイースト・コースト・シーンの一大潮流となったBoot Camp Clickの面々を擁するレーベル=Duck Downの15周年を記念した足跡的コンピ。最近ではKRS OneやB-Realも身を寄せる同レーベルはこれまでにもBoot Camp括りのベスト・コンピやミックステープ的なコンピも出しているのだが、編年体のモノは確かになかった。レーベル設立前音源の「Who Got The Props」と「Sound Bwoy Burial」がボーナスで入っているのも嬉しいが、15周年を祝うコラボ新曲も同様に重要。そのハーコー熱は冷める事がない。
 
6. Universal Force / DJ Mitsu the Beats (Village Again)
これまでに2枚のソロ作をリリースしているGagleのサウンド・リーダーの新作は、グループ作以外では自身初となるオール日本語ラップ物に。マイクを握るのは、Zeebra、Twigy、Rino Latina IIらヴェテランから、B.D.、Sound Market Crew、環ROY、Hunger、Ice Bahn、鎮座Dopeness、あるま、S.L.A.C.K、COMA-CHI & JAY'EDまでと、世代、エリアを超えたキャスティングで、 Mitsuらしい浮遊感漂う、時にメロウで時にハードな音の上を「一曲入魂」で遊泳。「2010 新たな感動 奇跡の誕生 HipHopは万能」...確かに!
 
7.Wheres There A Moon That Is Mine / ShinSight Trio (Bad News)
全てのトラックを担当するプロデューサーのShin-Ski、ボストン・シーンで気を吐き続けるインテレクチュアルMC=Insight、ソロ最新作も記憶に新しいDJ Ryow a.k.a. smooth currentの3人から成る国際派ユニットの2nd。リード曲 「Teamwork」では"役割分担"の大切さも説き、このトリオでやる理由も暗に提示。相変わらずキレ味最高のInsightのラップと、キャッチーなネタ使いも冴えたトラック、そしてDJ Ryowの含蓄あるスクラッチが描くトライアングル・パワーはさらに強力に。ゲストには、御馴染みDagha & Anonymousを含むCosmonaut Seven、サックス奏者のKenichi Fukushimaなど。
 
8. Breathe / Seeda (KSR)
自身初のベスト盤に続く最新作。黄金タッグのBach Logicを中心に、Ohld、Crada、SkyBeatz、Sean Wallace、 Lil Wayno、Fuekiss、Hiroshimaらによるブラッシュ・アップされた最先端のビートをラップで光らせるSeedaのスキルの高さについては言うまでもないが、これまでにないテーマと真新しいフロウなど、そのクリエイティヴな精神力の強さはここでも眩しいばかりにスパークしている。ゲストには、4WDやMoNDoH、D.Focis、lecca、MC漢、bay4k、そしてDavid Banner、等。Ill Bostino、Emi Mariaとの例の「Wisdom」もリミックスで収録。これまででもベストな内容、なのでは?
 
9. Local Family / KGE The Shadowmen & Himuki (Revolution)
1stソロ・アルバム『Newgigante』で待たされたファンの溜飲を下げてくれたTeam44BloxのKGEと、Pismo、Sene、Kero Oneら海外アーティストとのコラボでも知られるDJ、プロデューサー=Himukiによるユニットの初アルバム。同じ千葉出身で10年来の友人である彼ら2人の相性は...今まで(音源上で)組んでなかったのが信じられない位タイトそのもの。Himukiならではの暖かいアナログ感のあるビートに、 切れ目なく熱くスピットするパンチライン・マスター=KGEのフロウ、それぞれが描くグルーヴが一体になった時の気持ち良さ、ったらない。
 
10. Old Straight Tracks / DJ Oldfashion (Revolution)
ダイダラボッチのDJ/トラック・メイカーとしてシーンに登場し、鬼一家のミックスCDや、キリコ、孤火あどへのトラック提供やMeisoのリミックス等で知られるDJ Masao a.k.a. Oldfashion初のリーダー作。鬼一家から、Juswannaのメシア the fly、Meiso、あるま、SD JunkstaのKyn & Site、浪士、キリコ、Shiba Yankee、haiiro de rossi、ish one、hisomi-TNP、Takuma the Great等16人の個性的なMCが散りばめられ、それを一本筋の通った作品として聴かせる彼の手腕は職人技。頭にこびりつくループとパンチラインを堪能されたし。
 
11. Soundtrack To The Bed Town / Dinary Delta Force (Drip))
藤沢でRhyme Boya、N.I.K.E a.k.a. Dusty Hus-ky、Romelica a.k.a. Cally Walter、祭SP a.k.a. Shaka Da Hustlerの4人で結成され10年。MCバトルでの個々の活躍に加え、昨年はEP「Flippin Da Stage & Page」でドープなヒップホップに飢えたヘッズ達を驚かせた彼らの1stアルバム。"藤沢という町がどれだけILLでHip Hopなのか"を表現した「Bed Town Anthem」等から伝わる熱気は、その街に3歳まで住んでいた(記憶殆どなし)筆者の首にも...。フリーキーな4MCのリレーと、Nagmaticらが繰り出すドス黒いビート、その全てがドープ。
   
12. 四次元Hip-Hop / 呂布カルマ (Jet City People / 名港)
名古屋出身の超絶ライマーの2nd。'06 年にDa.Me.Recoの『月刊ラップ』Vol.2と3に参加し、翌年のUMB名古屋ベストバウトを経て、音源を待たれる中、'09の1st『13 Shit』でその名を全国に広めた彼の持ち味は、エキセントリックな言葉選びが冴える噛み付くような毒毒リリックと、爽快なくらい疾走感のあるラップ...等だが、 この2ndでは更に研ぎ澄まされた印象。イド五月雨、鷹の目、くぼちゃん、そして刃頭らの角が立ちまくった音に、アンチテーゼ剥き出しのキレキレのラッ プは映えまくり。「Ego」や、『Concrete Green.10』でピックされた「鶴光Style」も収録。

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