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卍LINE
TIME WAVE
 
Interview by Hajime Oishi / Photo by Hiroto "Photowarrior" Sakaguchi
 

 過去リリースされた2枚のアルバム、勢力的なライヴ活動などによって確実にストリートからのプロップスを得てきた卍LINE。「"とにかく信じてやってみる"という3年間」の活動を経て完成した新作『Time Wave』は、彼にとっても大きな意味を持つ作品となった。
 
●過去2枚のアルバムを作って見えてきたことはあります?
卍LINE(以下卍):アルバムを作ってみて、ジャマイカにも行ってみて、シーンにおける自分の立ち位置とかやるべきことがより明確に見えてきた。より意志が固まってきたというか。自分の好きな歩幅で歩いていけば、シーンとの歩幅が自然に合ってくると思えるようになったんです。ちょっと引きで見えてきてるのかもしれないですね。
 
●以前は歩幅が合わなくて苛立つこともあった?
卍:ありましたね。自分がレゲエのコミュニティに"入れてもらう"っていう意識が前はあったんですけど、それじゃ通用しない。自分の歩幅で歩くことで自然と合ってくる。一周回って自分の話なんですね。
 
●今回のテーマは?
卍:今回はイントロとかスキット、アウトロをSF仕立てにしてて。現実の中でクリエイションしていくときに、現実に囚われちゃうことってあると思うんですよ。でも、それをポーンと飛び越える視点のあり方っての絶対あって。リアリティが地面だとしたら、夢とかイマジネーションは無限の空。それを伝えようとした時、コンセプトとしてはSF的なものがあって、そこにリアリティのあるメッセージを入れていくことでバランスを取ろうとしたんです。あと、自分は役者もやってるんで、映画的な要素も盛り込もうと。
 
●今回もKang Dongさんが共同プロデューサーとしてクレジットされてますね。
卍:そうですね。ただ、今回は自分が主導権を握らせてもらいました。Kand Dongくんにはレコーディングのこととかテクニカルな部分でアドヴァイスしてもらって。Kand Dongくんは(自分がマイクを持った)一番最初からガイドしてもらってるんで、すごく助けてもらってます。僕がレゲエを聴く前からやってきてる人だし、本当にティーチャーですね。
 
●今回のアルバムからは"歌わないといけない、このメッセージを伝えたい"という思いがものすごく伝わってくるんですよ。その意味ですごく"強い"アルバムだと思うんです。
卍:でも、ずっと変わらないんですけどね。10年前は映画を通してメッセージを発信してて、レゲエを聴くようになってから(メッセージを発信してる人が)こんなにいるの?ってビックリして。むちゃ嬉しかったんですよ。"世の中を変えていきたい"っていう意志をそれぞれが持ってて...自分の場合、メッセージの部分で共感してレゲエに入ってるんで----もちろん、音も大好きなんだけど----やっぱりメッセージ。01年の『GO』っていう映画の製作発表を収めたDVDが残ってるんですけど、その頃からやたら(映画以外の自分の想いを)喋ってるんですよ。当時からあまり変わってない(笑)。
 
●それがレゲエという表現方法を得て、より自由に発信できるようになったと。
卍:そうそう。メロディに乗ると、やっぱり伝わりやすいですからね。やり続けていくなかで、手応えとして何が変わってきたかっていうと、生活のテンションとか温度なんですよ。一番大事なのは自分のライフスタイルをキープして、テンションを上げていくこと。大事なものと幸せの基準が変わってきたし、見えてた未来が変わってきた。自分の周りにはどういう仲間がいて、どういう生活があるか。そっちのほうを誇って生きていきたいんです。レゲエはそっちに視点を切り替えて確信させてくれた音楽。怪我をしたこともあって、タイミングだったのかもしれないけど。
 
●いいこと・悪いことがすべて噛み合ってここまで来てるわけですね。
卍:うん、やっとプラマイゼロになった感覚ですよ。この3年は"這い上がる"っていう感じでした。"アルバム、良かったよ"って言ってくれる人がいれば、その言葉によってまた一歩這い上がれる。映画が成功したことでまた一歩上がれて...やっとここから歩いていける気がします。もっと格好いい登場の仕方もあったと思うんですけどね(笑)。泥臭いですね。
 
●ここからの展開が楽しみです。
卍:次の作品はすべてをさらに進化さして、ひとつふたつ上のものをめざしたいです。そうじゃなきゃ通用しないと思うし、自己満足には終わらせたくないんで。レゲエの歴史のなかに1曲でも放り込めたら...それが一番近い目標です。

 彼が伝えようとしているメッセージがどういったものか、ここでは触れないでおく。DJ Yutaka、Daddy Dragon、Akio Beats、Hase-Tらによるトラックの素晴らしさ、ReiliやMison-B、Big Bearら参加メンバーの的確なパフォーマンスは言わずもがな。あらゆる偏見を捨て去って、彼の音と言葉に耳を傾けるべきだ。


 

「Time Wave」
卍LINE
[Amato / XQHM-91001 (CD+DVD)]
[Amato / XQHM-1002 (CD)]

 
 
 

「Time Wave」
窪塚洋介/卍LINE
[Inforest Mook (Book+DVD)]
 

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