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330    ARTISTS    卍LINE

GOYON
 
Text by Takeshi Miyauchi / Photo by Kon "MPC" Ken
 

 個性的なバンドが多く活躍する東京の生音レゲエ・シーンに、またひとつ興味深いインスト・バンドが登場した。goyon。彼らが拳POWAスタジオで録音した初アルバムを完成。因みにバンド名はトゥーツ&ザ・メイタルズ「54-46 Was My Number」に由来している。
 
 先月の本誌でもアルバム・レビューで紹介させてもらったgoyon。ギターのHideaki Yoshiharaを中心に、レゲエ界隈のみならず、ファンク/ソウルからプログレまで様々なシーンで活動してきたミュージシャンが集まって2004年に結成されたインストゥルメンタル・レゲエ・バンドだ。アーネスト・ラングリンやモンティ・アレクサンダー、UKのジョン・カパイあたりと通じる耳なじみの良さを持ったサウンドは、一聴するとラウンジ・ミュージック的な心地良さが前に立つが、一歩踏み出して聴けば、彼らの、アトモスフィアに流されないこだわりと力強さ、個々のプレイの生々しさは音盤の随所から窺える。
 
「僕らの音って、ヘタするとクールすぎるとか、BGMじゃないかとか言われるんですけど、たしかにそれはインストの難しいところでもあって。レゲエって気持ちいい音楽だしグルーヴもすごく感じるんだけど、だけどそれがイコールでBGMにはならないとも思ってて。今回、僕らと共同でプロデュースして、数曲でダブ・ミックスも手がけてくれたDirect ImpactのLeoさんが制作に加わってくれたことで、いい方向に動いたところはありますね」(Yoshihara、以下同)
 
 また、録音スタジオにKon"MPC"Kenの拳POWA Productionを選んだところにも、彼らの強い意志が感じられる。ゴリゴリのダンスホール・レゲエのイメージが強い拳POWAのスタジオから、生音ならではの揺れやあたたかみを十二分に活かしたバンド・サウンドの作品が生まれたのも興味深い。
 
 「僕らは、VP Recordsからのシンガーものとかダンスホールのど真ん中なヤツもいっぱい聴きますし、古いものから新しいものまで広く好きで。UKはUKならではの魅力があるし、最近のアメリカでもイージー・スター周辺とか面白いバンドがたくさんいますしね。そういう非ジャマイカの国が、どういう風にレゲエを取り入れてやってるのかっていうことをすごく考えてて。例えばジャズだったらアメリカの黒人がやってた音楽だったものが、今やヨーロッパだろうが日本だろうがどの国の人もやってる音楽だし、どの国の人もジャズのマナーを学んだ上で、自分たちの独自のものを作ってるワケじゃないですか? 
 
 それとレゲエも一緒だと思うんです。レゲエって素晴らしい音楽だし、ものすごくパワーを持った音楽で、僕らは日本人として生まれて、だけど、この魅力に取り憑かれてしまった。そこで出来ることって何かって言ったら、多くのジャズ・ミュージシャンたちがジャズを学んだようにレゲエを学んで、そこで独自のものを作ってくってことしか出来ないんじゃないか? レゲエには僕らみたいな音もあるし、ダンスホールみたいな音もあるし、ポップなものも、いろんな音があって。そのどれかひとつを聴いただけでレゲエってつまんねぇな、とは絶対に言ってほしくないんですよ。どれも素晴らしい音を出してるし、そういう幅広いものであるっていうことを認識してもらうためにも、僕らはオリジナリティのあるものをやっていきたいって思うし、そこからさらに他の日本のレゲエ・バンドも面白いんじゃないか?っていう思ってもらえるような音が作れればと思います」


 

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[RS64 / RSSF-001]

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