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MIGHY JAM ROCK
 

Photo by Kohei "Kurofin" Kurokawa

 1998年、Tokiwaの解散に伴い結成されたMighty Jam Rock。2001年10月に記念すべきファースト・アルバム『3 The Hardway』のリリースから数えて10作目となるアルバム『3 The Hardway X』を完成させた。本作についてはもちろんだが、今振り返ってみて、その10枚のアルバムに詰め込まれたレゲエへの想いとは何だったのか? 何が変わり、何が変わらず、そしてこの先、どこへ向かおうとしているのか? フロントのJumbo Maatch、Takafin、Boxer Kidの3人それぞれに話を聞いた。
 
 
 

JUMBO MAATCH

Interview by Koji Yawata
 
うーん、まぁ、確かに「10作目」という区切りの作品で、個人個人には特別な想いや感慨深いものもあるのかもしれないですけど、自分個人としてはあくまで通過点ですね。来年も11作目を作るだろうし、12作目も作るだろうし、これで終わるわけではないですから。まぁ、アルバムが完成して、パッケージとかを見て、それなりに感慨深いものはありましたけど、そういう「10」を特に意識したりはしなかったですね。色々と自分達でも周りでも「10周年」とか多いじゃないですか?、それで「10」という数字に慣れている部分もあったんだと思います。
 
 自分としては、今回は"原点回帰"ですね。これまでの9作でも自分のソロは3〜4曲いつも入ってるんですけど、今回の3曲は全部手応えがあるんです。これまでに色々と試行錯誤してきて、歌っぽいやつや優しいものも歌ってきましたけど、つい最近ですね、自分の天職と言うか、「どういうのが自分には向いているか?」とか、「どういうのが自分が好きなのか?」とかそういうのを再確認することが出来て、今回はそれで原点に帰って取り組めた感じです。
 
 自分の魅力はリリックだと思っています。他に自分みたいなコトを歌える人はいないと思いますし。そうですね、攻撃的なメッセージも多いですけど、今回の「オマエに言ってんだ!」でも、ただ攻撃しているだけではなく、それを踏まえて「どうやって、うまく一緒にやっていけるか?」と愛を持って伝えることを意識し出しているようにも思います。
  
まぁ、それとメッセージは自分に向かって歌っている部分もあるんです。自分もいつもハイではなくて、ネガティヴになってしまう時もあるんで、自分を鼓舞させる部分もあるんですよね。確かに攻撃的なのかもしれないですけど、それもレゲエという音楽の醍醐味ですし...、そうですね、そういうところが好きなんでね...。最近気付いたんですけど、自分はレゲエに出会う前からメッセージ性の強い音楽が好きで、それを徐々に突き詰めていったことでレゲエにハマったんかな、って...。
 
例えば、ジャマイカのラスタとかでも100%正しいのかどうかは抜きにして、自分の意見を言い切るじゃないですか? その「言い切る格好良さ」みたいなのが自分は好きなんだと思うんです。勿論、自分の言葉には責任ありますから、色々と勉強したりしますね、好きなんですよ、なんか知らないコトを知るコトが。そういう自分の言葉が自分を窮屈にする部分はありますけど、それもね、今となっては「かかって来い」ですね(笑)。
 
 原動力ですか? それはジャマイカのレゲエですね。今でも好きでしょうがないし、それを追いかけるし、そこに自分なりの理想もあるから、そうした部分をアルバムとかで表していく感じですね。続けられるのも「レゲエが好き」としか言えないですけど、あとはやはり仲間達の存在も大きいですよね。ウチもソロの集団ですし、色々と同世代の良い意味でのライヴァルがたくさんいますし、「みんなで切磋琢磨してみんなで上がっていこう」みたいな感じでこれているのも大きいんだと思います。
 
 タカフィンですか? まぁ、小学校からずっと一緒ですから...、うーん、自分よりももっと「ミュージカル」な存在だと思いますね、音楽的な目覚めも早かったですし、今もそれを受け継いでいるって言うか、そういう才能を羨ましく思うことはありますね。ああいうキャッチーなフローとか自分とは違いますし...。ボクサー? うーん、アイツは...、「永遠の後輩」ですねぇ(笑)。うーん、なんでしょうね...、最近はちょうど音楽的に自分とタカフィンの間の存在だと思っていますね。
 
 
 
TAKAFIN

Interview by Rotton (kette★)
 
今振り返ってみるとアッという間でしたね。5、6枚目くらいから「ちゃんと毎年出せてるな。これは10枚いけるんちゃうかな」ってちょっと脳裏をかすめつつも、日々作業を続けてたら7、8、9、10ってきた感じです。ジャケットもムラサキさんに1枚目から描いてもらってて、それを10枚並べるというのも一つの夢でしたから嬉しいですね。
  
 座右の銘として「好きこそ物の上手なれ」っていうのがあって、好きなことをとことん極めていったら道は開くやろなっていうのはずっと思ってました。
 
 1枚目のアルバムの頃は、ほんとにミックス・ダウンって何をするのかも知らないくらいで、キャラくんとロックくんの指示に従って作っていったって感じでしたね。その時にジャマイカにミックス・ダウンに行って、それがやっぱり衝撃的でした。Music Worksのスタジオで、当時はPro-Toolsも無くて、デルロイ"ファッタ"ポッテンジャーが卓のミキサーで抜き差しするのを見た時に、ヴァイブスが漲ってて、「ここからもうヴァイブスちゃうねんな」って。やっぱりレゲエって人を感情的にさせる音楽というか、「パワーあるな〜」って思いましたね。ますますこの音楽が好きになりました。
 
 ライヴに関してもそうですし、レコーディングに関してもかなり意識は変わってきましたね。歌によって声の出し方で表現できるようになったり、録音も要領良くできるようにもなったし、最近はやっていて楽しいですね。4年位前に自分達のスタジオができてここで録音できるようになって、それで大きく変わりましたね。真下にヴィデオ制作の事務所もできて自分達で創るっていう意識が高まってきて。
 
 そういう「自分達で創る」っていう流れの中で、7、8枚目くらいからダディ・ドラゴンやアキオビーツとか日本人のトラック・メーカーも起用するようにもなりました。
 
 今作の「Susume」って曲は、これを一区切りにして「まだこれからも進め」みたいな意味を込めてます。ダディ・ドラゴンがトラックを作ってイワッチ(Home Grown)にギターを弾いてもらって。「ジャマイカのようなタフな音作り」っていうのが1枚目の頃からずっとテーマとしてあったんで、当時から思えば日本人のトラック・メーカーっていうのは考えられなかったんですけど、続けていくうちに徐々に変わってきましたね。
ラガラボMusiqとやってる「Rub A Dub Western」は、1枚目の時にジャンボ(・マーチ)と僕が使ったスティーリー&クリーヴィに作ってもらったオケをZuraくんがリメイクしてくれています。
 
 「One Blood」は、Tokiwaのメンバー皆で歌ってるんですけど、やっぱこのタイミングでやりましょかってなって、"One Big Family"とか"Unity"みたいなテーマで作ろうって。タンコさん(Home Grown)にイメージを伝えて作ってもらったオケに、最初JTBの3人でバースを作って、それからプシン、NG(ヘッド)くん、リョー(・ザ・スカイウォーカー)くん達に聴いてもらって作っていきました。「同じ釜の飯を食った」じゃないですけど、今でもずっと気を使わずに付き合える仲間ですね。
 軸はぶれずに新しいことをやっていかないとっていうのも1枚目の時からあって、その時代その時代っていうのがあるし、そういうことはずっと心がけてやってきたつもりです。
 
 11枚目も出せるようにいい曲を作っていきたいですね。やっぱり自分達の曲を聴いてヤル気が出たとか、テンション上がったとか言ってもらえたら嬉しいし、誰かのパワー・ミュージックになってくれたらいいなと思います。次に目指すは20枚目です!。
 
 
 
 
 
BOXER KID

Interview by Takashi Futatsugi
 
 
 Tokiwa時代は1番後輩やったし、フライヤーでも自分だけ名前なかったりという時期もありつつ、でも、プレッシャーの方が大きくて。だから「Mission 005」の時も、自分の初ソロ「吸引希望者」(共に『Bad Bad '98』収録)では一杯一杯で悔しいという思いすらなかった(笑)。DeeJayをやるようになったのは、ロプロスでキャッシャーとして働き出して、そこのクルーで動く時にレコード持ちやってて、自分でも何かせんと...という事で始めたんですけど、思えばその当時、いやその前から自分にとってのNo.1っていう存在は特にないんですよ。強いて言えばピーター・トッシュぐらいで。 
 
それよりも、例えばこのセグやったら誰がいいとか、こういうスタイルやったら誰とか、逆に好きなアーティストが多かったりして。そういう性格やから、「No.1になりたい!」とか思ってなくて。マイジャの中でも「Dancehall Rock」でJumboさん、Takafinさんを食うぐらいのライヴせな!と思ったりしましたけど、その後に袖で観ててクラいますから(笑)。そんな追い越せない存在と一緒にやってて、でも1番手でガチ掴みせなアカン、しかも自分のやり方で...という当り前の事を再認識しましたね。マイジャの中での自分の役割=切り込み隊長というものを。
 
 昔は普通にやんちゃな奴やったんですけど、中学の頃にブレイク・ダンスやってて、ちょっとしたイヴェントで喝采浴びた事があって。まじめに何かやって認められるのもええな!と思い出して(笑)。レゲエでは、昔テープになってた『Go Hear』のラバダブで盛り上がった時や、マイジャ以外では、Terry(The Aki-06)さんにタイに連れてってもらって、Ryo(the Skywalker)君と3人でラバダブやって、日本語分らん人らがガーって盛り上がった時が印象深くて。自分がレゲエから受けた衝撃が蘇ってきました。パトワとか最初は全く分らんかったけど、ヴァイブスやフィーリングでヤラレたあの感覚...。そっから視界が広がって、考え方もより柔軟になりましたね。Terryさんのお陰でラッパーやハードコアのバンドの人らやグラフィティ・ライターとか色んな繋がりができて。
 
Terryさんのアルバム以降、ここ数年、トラックもらってるAoki(Beats)君もそうですね。そこで学んだのは"ホーミー"の意識の大切さ。違ったジャンル同士がストリートでちゃんと繋がってて、みんな大阪の街を愛してて、カッコええなあと。"餓鬼鼠"の意味は、それは黒いもんが白くなろうとする動きなんですけど、所詮「鼠はネズミ色や」という事で。そういう足掻きですね。ヒップホップ、日本語ラップは昔から聴いてて、それこそ(キング)ギドラ、(Microphone)Pager、「証言」、『悪名』とか思いっきり影響受けたし、その後のオジロ(ザウルス)、Tokona-Xとかにヤラレてました。リリック、韻とか、パフォーマンスもヤバすぎて。そういう部分は今もありますね。
 
ただ、新作の中の「メッセージ」とか言葉数減らして聴かせるパターンとか、最近追求してるスタイルですね。昔はもっと韻で埋めてく方向でやってましたけど、カッコつけんと等身大のメッセージを伝えるものの方が求められてる事が判って。Nanjamanとのコンビの「Just One Life」とか。歌いたい曲と、ファンに「聴きたい!」と言われる曲のバランスがとれてきたんでしょうね。Terryさんじゃないですけど、最近は自分の中でも "クルー・ブーム"があり...。そこは、大阪底上げ大作戦、で。Big Bearが「Allianceみたいな集団作りましょうよ!」と言い出して始まったBB軍団とか。Bearは弟分なんですけど、気がついたら自分も兄貴!?みたいな(笑)。そんな色んな動きをしつつ、それをホームであるマイジャに持ち帰りたいな、と思ってます。
 
 

10th Album「3 The Hardway X」」
VIZL-385(DVD付初回盤)VICL-63640(通常盤)
 
 
 

1st Album「3 The Hardway」
[KSR / KCCD-049]
 
 
 

2nd Album「3 The Hardway II」
[KSR / KCCD-067]
 
 
 

3rd Album「3 The Hardway III」
[Victor / VICL-61193]
 
 
 

4th Album「To All Over」
[Victor / VICL-61442]
 
 
 

5th Album「Brand New Style Hi-Fi」
[Victor / VICL-61697]
 
 
  

6th Album「We Run Tings Tings Nuh Run We」
[Victor / VICL-62013]
  
 
 

7th Album「Catch De Vibes」
[Victor / VICL-62453]
  
 
 

8th Album「Big Timers」
Victor / VICL-62874
  
 
 

9th Album「The Three Musketeers」
Victor / VICL-63364
 

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