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THE MAZE

(U KNOW)What the deal is
　
ワールド・カップ、NBAのファイナルとスポーツ・ファンには忙しい昨今ですが、セルティックスとレイカーズの結果を待たずに原稿を書いています。しかし、かつてのデトロイトとレイカーズ戦を思い起こさせるストーリーがある決勝となり、久々にバスケに入れ込めました。正直、個人というか、スター中心の最近のバスケに興味を失っていたのですが、よい人材とチーム・プレイで勝ち上がって行くというのは、やはり見ていて応援したくなるものです。ハリウッド・スター然としたコービーもカッコいいけど？
　
●今月のジャム
スタイタウンというまあ、いわば団地なのだが、最近大手不動産に市が譲り、低所得者のみならず、住宅難のNYらしく、金持ちが住みだしたという場所がダウンタウンにあるのだが、そこでコンサート・シリーズが行われていて、夏の夜、無料でアーティストが見られるという趣旨で、静かな住宅を賑わしている。皮切りにトニー・アレンが6／16にプレイし、最近また再燃しているアフロ・ビート・ファンや、通りがかりの子供達などが楽しんでいた。セントラル・パークやブルックリンで行われている「サマーステージ」というシリーズに比べ、緩いので近所でビールやワインを購入してよってみては？
　
●今月のブロック・パーティ
スケーター・レジェンド、スプリーム・ティームの一員でもあるエーロン・ボンダロフがオーナーであるストリート・ファッション・ブランドの「aNYthing」が主催するブロック・パーティ・シリーズの一弾が、6／12、ロウワー・イーストサイドのセラ・ルーズベルト・パークで行われた。ローカルのロック・バンドから、話題のマルーカ、アブノーマール、そして若干16歳の地元期待のラッパー、リル・ウィッキーなどがDJを挟みパフォーマンスを見せ、地元民や、公園に住んでいるホームレス、エーロンゆかりの有名NYスケーター達や、ヒップスター、さらにアーティストなどが楽しんでいた。トリにグレッグ・ナイスがフリースタイルや、故グールーに捧げる「Dwick」からの一節を披露し、会場は沸きに沸いた。夏中毎月行われるというこのブロック・パーティ、NYに来た際は是非チェック？
　
●今月の陰謀説
コロンビア大学卒業、ボルティモア出身のジョン・パターンという自称FBIエキスパートが、今月自主出版した『FBI トゥパック・シャクアの戦争』、さらに副題で"アメリカの情報局の殺人的なターゲット、パック、マーティン・ルーサー・キング、マルコムX、パンサー、ヘンドリックス、マーリー、ラッパー〜民族的な左翼達"（すっ凄い）では、デスロウ・レコードは、FBIが運営していた偽装レコード会社で、トゥパックを筆頭とする黒人の活動家、及び影響力のあるリーダーを暗殺する為の目的を持っていたと書いている。更にトゥパックは、米政府のターゲットであり、ヒップホップを通じてアフリカ系への影響力を恐れたとも記述されている。ボルティモアの地元紙での著者のインタヴューでは、この本は長年の調査、FBIのファイル、ブラックパンサー党が入手したとされる未発表のファイルなどをベースにこの陰謀説を裏付けるものとしてあげている。デスロウ・レコードについては、「多くの警察が、あらゆるレベルで絡んでいた。高い位置にいるとされる警察官の一人の証言によると、明らかに弾圧、更にパックのキャリアを破壊するという作戦が実行された」とも発言。まあ、信じられない話でもないし、警察の関与は、ずっと多くの人が様々な説を語ってきているしね？
　
●今月のビーフ
そろそろカム・バックをはかろうとしているリル・キムが、ニッキー・マナージを激しくディスしている。更にマナージと仕事をしているディディをも『Thisis50』（www.thisis50.com）でのインタヴューで、「裏切り者」と非難している。それをうけてディディはBBCのティム・ウエストウッドの番組で弁解をしている。「多くの新しいアーティストは、出だしはクレージーな事も言うし、色々やるけど、最終的にはキムがクイーン・ビーである事にリスペクトする筈」と消極的である。キムの言い分は、ニッキー・マナージは、自分の態度や、ルックスを盗んでいるとの事。まあ、お互いにいい作用があるといいね？
　
沼田 充司
DJ／プロデューサー。 レーベル＜ブダフェスト＞主宰。 雑誌『ブラスト』でも執筆中。 ニューヨーク在住。 [Photo by Tiger]