PUSHIM
SINGING FROM MY HEART
Interview by Nobuhiko Mabuchi / Photo by Takashi Hirano (Mement Co.,Ltd.)
今秋に出産を控えるオメデタのPushim。そんな彼女の名曲カヴァー・アルバムと最新配信シングル「Human Nature」が無事完成したということで、それぞれの作品に対する想いと母になる前の心境を訊いてきた。「Strong Woman」なPushimの歌い手としての貪欲さは、この先も変わることはない。
●配信シングル「Human Nature」はマイケル・ジャクソンのカヴァーですが、過去にStone Loveのダブで同じくマイケルの「Heal The World」のカヴァーを録ってるそうですね。
Pushim(以下P):初めてジャマイカ行ったときに録ったんですけど、日本に帰ってきて当時の(Stone Loveの)システム・テープを聴いたらちゃんと入ってて。ほんまにジャマイカの人はマイケルの歌好きなんですよね。今回、この「Human Nature」をヴォイシングする前に練習がてらジャマイカでカラオケに行ったんですけど、50人くらいの前で歌ったら凄い盛り上がって、店の人がコマゲンするっていう(笑)。
●マイケルの数ある名曲の中から「Human Nature」をカヴァーしようと思ったのは?
P:ポっと行った知らない街の魅力に惹き付けられていく歌詞なんですけど、私もジャマイカにいるエイリアン(外国人)として歌える曲にしようと思って。で、今回はジャマイカで初めてClive Huntと仕事をしました。いい仕上がりなんで、向こうでもヒットしてくれたら嬉しいんですけどね。
●配信曲のほか、Pushimさんの名曲をジャマイカン・アーティストが歌うカヴァー・アルバムもリリースされました。
P:贅沢ですよね。Tarrus Rileyの「Forever」もSanchezの「I pray」も、ほんまにやってくれるんか夢の話みたいに思ってたんで。アーティストそれぞれの持ち味とか歌の上手さが出てて、Lucianoの「Soldier」なんてオリジナルの曲みたいやし。
●Etanaの「My name is...」もばっちりハマってますね。
P:これもEtanaに歌ってもらったら間違いないやろなと思ってて。Steven Stanleyのミックスも素敵ですしね。彼もアイディアがいっぱいあったみたいで「ああしようと思ってんねん」って興奮して私に喋るんですけど、こっちとしてはどうにでもしてって感じで(笑)。私の制作には何曲も関わってもらってるし、ほんまに間違いないプロデューサーですからね。
●ちなみに「Rainbow」をカヴァーしたCraig Scottとは?
P:私の「クラッシュ feat. Papa B & Ryo the Skywalker」という曲のプロデュースを手掛けているNellybeatzとは公私共に仲がいいんですけど、そこのTremma Houseというレーベルのお抱えシンガーです。男の人やのに私と同じキーで歌ってて、凄いなって思いましたね。Craigもそうですけど、この作品がジャマイカの歌い手を知ってもらういい機会になればと思ってます。
●秋にはお子さんが生まれるそうで! おめでとうございます。
P:ありがとうございます。実は、5年間続いた超遠距離生活だったんですけど、一番心を許せる相手との子供なので今はとても幸せです。将来のことを考えると大変なことも多いと思うんですけど、そのしんどさを歌に変えていくことが、私の歌い手としての人生なんかなって......。生まれてくる子供にも迷惑掛けるかもしれへんけど、私には歌を歌っていく使命があるんで、母親になっても貪欲な気持ちで音楽と向き合っていきたいですね。
「Voice's From Jamaica - Sing Pushim's Classics-」
V.A.
[Ki/oon / KSCL-1509]