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328    COLUMN    PLAY IT LOUD

I-TERNAL FIRE / CAPLETON
[VP/VP1884/輸入盤]
VP Recordsからのリリースとなると、「That Day Will Come」も収録した『Reign Of Fire』以来6年ぶり。火柱の立ち上るようなハードコアな楽曲から持ち前の野太いノドを活かした歌心溢れる楽曲までを幅広く発表してきたCaple-tonだが、今回もヒット曲「Same Old Story」で後者の魅力を発揮しながら、アルバム全体を熱く駆け抜ける。相変わらず重量級の内容だが、この聴きごたえこそがレゲエ。(大石始)
 
D.O.B. /BUSY SIGNAL
[VP/VP1886/輸入盤]
出世作「Step Out」から早5年。以降、ジャマイカ現地の流行に対して絶妙な距離を保ちながらヒットを連発してきたBusyだが、ようやく発売日が確定したこの新作にもそのバランス感覚は健在。「My Money」などのヒット曲はもちろん、メレンゲの超有名曲をそのまま使用した「Busy Latino」(原曲はElvis Crespo)などの変化球もあって、相変わらずの球種の多さで楽しませてくれる。これはアルバムで持っていたい。(大石始)
  
AND GOD SAID TO MAN / EARL ZERO
[A-LONE PRODUCTIONS / ARKCD-002 / 輸入盤]
ストリクトリーなルーツ・ファンに人気の高いE・ゼロの新作がスペインで活躍するロベルト・サンチェスのレーベルから登場。08年にシングルで出た「Roots Of David」を始め、70年代を代表する名曲「None Shall Escape The Judge-ment」のリメイクを含むヴォーカル6曲に各ダブの全12曲からなるショウケース。生音の暖かみを充分に感じさせるロベルトお得意のソリッドなオケが大御所の魅力を引き出している秀作。(楳原豊人)
 
ROOTS MELODIES / BASQUE DUB FOUNDATION
[MASSIVE SOUNDS RECORDS / MSR002 / 輸入盤]
スペインを代表するバンド、BDFの新作はクラシカルなジャマイカン・テイストを全面に出したインスト作。ドラムにS・ダンバーやS・スコットを起用し更なる厚みが増している。ミックスはダブ・テラー、そしてダギー・コンシャスが冴え渡るミックスを披露。ダギーのクラシック・ルーツの造詣の深さが窺える。F・マクレガーの名曲「I'm A Revolutionist」のリメイク・インストが素晴らしい出来栄え。(楳原豊人)
 
PEACE AND LOVEÅ / DADAWAH
[WILD FLOWER / DU-XYZ004 / 輸入盤]
ナイヤビンギ・スタイルの第一人者の名作が単独で、しかもオリジナル・アートワークでCD化。延々と続く太鼓の響きにメッセージを唱える儀式の様な音楽。ルーツ・レゲエを聴き始めた頃、ラス・マイケル関連の作品を追いかけた記憶が甦る。あれから20年位の時を経て再び聴くと、当時はパーカッシンしか反応できなかった耳に、ギター、鍵盤、ベースのアンサンブルがはっきりと刻み込まれた。シンプルだが緻密だ。(磯野カツオ)
  
YOUNG GIFTED AND BLACK / BOB ANDY AND MARCIA GRIFFITHS
[SPECTRUM / SPECORIG1002 /輸入盤]
ハリー・Jがプロデュースした初期レゲエでジャケットも印象的な作品の再発。ストリングスを多用したソウル色の強いサウンド。これが二人の華麗なヴォイスにとてもマッチするのさ。ソウル・デュオさながらの掛け合いにも気持ちが弾むよ。ボブ・アンディと云えば『Song Book』を思い浮かべますよね。ボブ&マーシャのソウル節も格別の味っす。ポップで心に触れるメロディはいつの時代にも通用するぜ。(磯野カツオ)
 
REGGAE GOLD 2010 / V.A.
[VP / VP1909 / 輸入盤]
早いもので、今年で16年目となるこの"Reggae Gold"シリーズ。ワールドカップをモチーフにしたジャケットもナイスな今回も、Gyptianの「Hold You」やNas & Jr.Gong「As We Enter」を筆頭に、ワールドワイドで評価の高い最新チューンを満載していて、ダンスホール・ファンなら納得の選曲でしょう。なお、今回ボーナス・ディスクは本編収録曲のミックスCD。担当するのはZIP 103 FMのZJ Chrome。(大場俊明)
  
NECESSARY MAYHEM PRESENTS DIGTAL ACOUSTICS / V.A.
[NECESSARY MAYHEM / NECMAY0710 / 輸入盤]
カーテイス・リンチ・ジュニアが手掛けるレーベルのコンピ盤。ダンスホール・クラシック・リズムを見事に焼き直し、続々と7インチ・レコードで仕掛ける心意気に刺激を受けます。80〜90年代のダンス・ファンの方は是非聴いてください。くすぐられるスパイスがたっぷり詰め込まれているよ。後戻りではない、呼び覚ますための進化型レゲエだ。Club Jamaicaがミックスしたボーナス・ディスクで更に熱くなれ。(磯野カツオ)
 
ディスタント・リラティヴス/NAS&ダミアン"ジュニア・ゴング"マーリー
[ユニバーサル/UICT-1056/国内盤]
すでに各界で話題沸騰中の豪華コラボレーション・アルバム。両者の競演は2005年の「Road To Zion」ですでに実現していたが、本作はアフリカというテーマのもと、2人の個性が火花を散らす内容となった。エチオピア音楽史に名を残すMulatu Astatkeのサンプル使いやソマリアのK'NAANがゲスト参加するなど、アフリカ的記号も随所でちりばめられており、2010年を代表する一枚となりそうだ。(大石始)
 
ラガスター/ビッグ・ベアー
[スコーピオン・インターナショナル / SIR-003 / 国内盤]
現在、もっともラガな匂いのするシンガーとして、人気、実力ともに確実に右肩上がりのビッグ・ベアー。その彼が全幅の信頼を寄せているスコーピオン・インターナショナルによる総指揮のもと、初のフル・アルバムを完成。ハードコアなものからスウィートなものまで自在に操るオールマイティなマイク捌きはすでに堂に入っている。6曲のPVや去年の「ハイエスト」でのライヴ映像を収録したDVDも添付と豪華。(大場俊明)
 
プロスペリティー/ ダイレクト・インパクト
[ダイレクト・インパクト・レコーズ / DIR-1010 / 国内盤]
結成17年を迎えた彼らの新作の特徴は大御所を迎える傍ら、才能溢れる国内外の無名アーティストを起用している事。「I Can See」を歌うR・マクビーンはラヴァーズ・オケに乗せ彼の新たな魅力を発揮しているし、彼らのダブ・プレートの中でも破壊力を持つ「Impact Rankin」では、H・アンディが花を添える。ルーツからダンスまで様々な色を醸し出す今作品は、あらゆる音楽ファンに聴いてもらいたい。(楳原豊人)
 
マイケル・ラヴァーズ/V.A.
[ソニー/KSCP-934/国内盤]
まだMJが生前だった08年9月に『Jackson Lovers』と題しリリースされた名企画に、新たに2曲を加えたデラックス・エディション。今回追加投入されたものは、「This Is It」「We Are The World」という世界的鉄板チューン。前者をDa'Villeが、後者をLucianoがカヴァーしている。本作から世界的にヒットしたTarrus Rileyによる「Human Nature」を始め、確かな歌と確かな音、そして確かなメッセージが詰まっている。(大場俊明)
 
ニュー・アメリカ・パート2(リターン・オブ・ザ・アンク)/エリカ・バドゥ
[ユニバーサル/UICT-1053/国内盤]
2年ぶりとなる4作目。前作からの続編に位置付けられる一方で、ある意味での原点回帰も見せた作りとなっている。ジェイムス・ポイザーのプロデュースでクエストラヴのドラムが鳴るメロウ・チューンや、わかりやすいネタ使いで往年のファンを安心させてくれるようなトラックが並び、近作に比較すると俄然キャッチー。しかしながら、あの歌声含め、時折みせる才気ばしった表情には、シビれさせてもらえる。(石澤伸行)
 
オーバーカム/アレクサンドラ・バーク
[ソニー/SICP-2714/国内盤]
レオナ・ルイスを輩出した英国のオーディション番組の優勝者がデビュー。その出自が指し示す通り、大きな歌いっぷりでアップからスロウまでを難なくこなす様は、この段階にして既に規格外。欧州市場をしっかりと意識したクラブ風味を湛えたプロダクションを前にしても、いよいよ大きく羽ばたくかのようだ。フロー・ライダーやニーヨらとの共演も話題だろうが、ピンでの豊かな表現力にこそ驚きがあるような。(石澤伸行)
 
リプレイ/アイヤズ
[ワーナー/WPCR-13814/国内盤]
ヴァージン諸島出身のシンガーによるデビュー作。自作曲が地元ラジオ局で人気を博し、ショーン・キングストンの紹介でジョナサン・ロテムのベルーガ・ハイツとの契約に至ったという新星だ。レーベル・メイトのジェイソン・デルーロ同様、ラガ風味を湛えつつ、現行R&Bの旨みもたっぷりと吸った楽曲群は、ちょい甘めなヴォーカルとも相性抜群。聴き進むうちに、なにやら大物感も感じさせる注目株の登場だ。(石澤伸行)
  
マイ・ストーリー/スウェイ・ぺナーラ
[ヴィレッジ・アゲイン/VAUR-0007/国内盤]
『アメリカン・アイドル』のファイナリストによるデビュー作。アジア系R&Bグループを渡り歩いてきた彼だけあって、シンガーとしての存在感はなかなかのもの。基本ジェントルに、ここぞという場面で鋭く切り込んでくるようなヴォーカル・ワークの巧みが随所で味わえる。ニーヨ的アプローチで現行シーンともリンクしつつ、90'sフレイヴァー満点のトラック上での逞しい姿には、こちらまで熱くなることに。(石澤伸行)
 
ホワイル・アイム・アウェイク/ジョヴァンカ
[ビクター/VICP-64829/国内盤]
オランダ出身、現役のモデルでもある女性シンガーによるセカンド作。けれんみのないバンド・サウンドに乗るポップなメロディと、可憐かつキュートな歌声のアンサンブルは、何者をも惹き付ける魅力を放っている。中でも、リオン・ウエア御大を招いた彼の過去作品やシャーデー「Kiss Of Life」のカヴァーは話題となるだろうが、アルバム全体を覆う輝きの源は、何といっても楽曲個々の小品感にこそありそうだ。(石澤伸行)
 
MY STYLE / CASPA
[DUB POLICE / DPCD001 / 輸入盤]
Diplo主宰のMad Decentから作品をリリースするRuskoとのタッグでも知られるCaspaによる、自身主宰のレーベルDub Policeの音源+αで構成されたミックスCD。所謂バンガーでハードめなノリの強いDP音源に(エクスクルーシヴ含む)、他レーベルのサウンドが混ざりあう事でしなやかなグルーヴが生み出されている。ダブステップの王道から未来を感じさせるサウンドまで、Caspaスタイルで貫かれた傑作ミックス。(飯島直樹)
 
CLOUDS ARE MOUNTAINS / ELEVEN TIGERS
[SOUL MOTIVE / SMR008CD / 輸入盤]
UK在住のリトアニア人Jokubas DargisのプロジェクトEleven Tigerのアルバム。単独シングルを出さず突然アルバムで傑作を発表するというのはダブステップでは珍しくないが、本作も素晴らしい出来。DJミックスの様に曲を繋ながら、ジャケットの様に淡い水彩画の様なダブステップを展開。テックだったりジャングルだったり、はたまた4/4だったりと、様々なビートが白日夢のように入れ替わりで風景を描いていく。(飯島直樹)
  
BLUE EYED BLACK BOY / BALKAN BEAT BOX
[NAT GEO MUSIC / AYCD08 / 輸入盤]
イスラエル人3人が中心となり03年頃に結成、以来ニューヨークのアンダーグラウンドのライヴ・シーンで活躍しているバンドの3作目。ジプシー的なバルカン・ビートをベースに、レゲエやクンビア、レゲトンをはじめ、これまで以上に多くの国のルーツ・ミュージックが溶け合っている。これまでのミクスチャー感溢れるヘヴィかつ軽快なグルーヴに、サウンド面での力強い深さと厚みが備わった見事な内容。(飯島直樹)
 
II - MMX / CLUBROOT
[LODUBS / LODUBS10001CD / 輸入盤]
アンビエント・テイストが強い作風が人気のアーティストの2作目。今回もエスニックな要素も盛り込んだアンビエントな空気に満ちたダブステップを展開。太いベースの響きとドラムンベース的にも変化するリズムは、踊らせる為ではなく、深い景色/音像を描く為に必要な一要素に過ぎなかった......といわんばかりに壮大で奥深く移ろいゆく様な音風景。映画音楽というか、ニューエイジ・ミュージックの域。美しい。(飯島直樹)
 
カルチュラ・インプーラ/サラヴァ・ソウル
[ビート/BRC-264/国内盤]
ブラジル人とイギリス人によるファンク・バンドの2作目。これまでのレア・グルーヴ的サウンドをベースにしつつ、ジャケからも感じる土着/フォークロアな香りをより強く漂わせた内容。Fela Kutiの影響濃いアフロビート、アフロ・ブラジリアン宗教音楽のリズムとサウンド、エチオピアの空気を感じさせるメロディが渾然一体となって、旧来のワールド・ミュージックとして括れないサウンドを聴かせてくれる。(飯島直樹)
 
ブラウンズウッド・エレクトリック/V.A.
[ビート/BRBW54/国内盤]
常に時代の半歩先(コレが重要)にある音を紹介してくれるJ・ピーターソンが編んだ最新コンピ。ダブステップ、中でも"ポスト・ダブステップ"と呼ばれる様なサウンドを多く収録している。未だに"ダブステップ"という言葉を目にするだけ(そう、大体は目だけで閉ざすのだ)で拒絶する様な輩にも聴いて貰いたい。これだけ幅広く、これだけ多くの未来を感じさせてくれる音楽は、現在のところ他にはない。(飯島直樹)
 
 
※当コーナーにて紹介致しました、イッツ・タジ・ジャクソン/タジ・ジャクソン[マンハッタン/LEXCD-10004]は、タイトルと原稿に誤りがございました。読者並びにマンハッタン・レコード様にお詫び申し上げます。

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