KING-K
LINK UP THROUGH THE SKY
Interview by Nobuhiko Mabuchi / Photo by Hiroto "Photowarrior" Sakaguchi
1997年からサウンドでMCをはじめ、その後DeeJayに転身したレペゼン大分の実力派King-K。そんな彼の集大成とも言えるファーストアルバムには、現場ヒット曲「Believe It」のアルバム・ヴァージョンのほか新旧自信作がギッチリ収録された。放つ言葉に耳を傾けて欲しい会心作だ。
●10年以上のキャリアを経て、今作が待望のファースト・アルバム。制作に動き出したのはいつ頃だったんですか?
King-K(以下K):アルバムを作ることを目的に上京したのが5年前だったから、その辺からです。
●だいぶ時間がかかりましたね。
K:ファースト・アルバムって言いながらも自分の中ではベストっぽい感覚だったので、どうまとめるかが難しくて...。このままじゃズルズル時間だけが過ぎちゃうと思って、もう期限を決めてやろうと動き出してからは意外とサクサクいったんですけど。
●既存曲も収録されてますが、半分以上が新曲ですもんね。
K:そうですね。最近作った曲を聴くと、自分の偏っていた考え方が柔らかくなったと思うんですよ。曲の書き方も変わったし。
●具体的に言うと?
K:きれいごとは言わなくなりましたね。それよりも、自分の人間臭い部分を出したほうが共感してもらえることがわかったんで。例えば世界平和を叫ぶよりも、身近な問題を解決していくリリックのほうが自分っぽいかなと思って。やっぱり小さいことの積み重ねが大きな意味を持つと思うんで。
●その想いが表れた収録曲を挙げるとしたら?
K:「明るい未来」とかそうですね。"信じること"とか"愛すること"ってよりも、もっと地に足ついた視点で書いたんで。やっぱレゲエは泥臭い音楽だと思うし。
●言いたいことを言うって感覚も高まっていったんですか?
K:そうですね。「Untold Stories」って曲はアパッチ田中さんが作った"Pandora's Box"ってリディムなんですけど、やっぱレゲエDeeJayはパンドラの箱をどんどん開けていくものだと思うんですよ。だからこの曲では身近にある問題に対して突っ込んでます。某国のことを批判しても誰かが殴りに来ることはないけど、身近にある問題に突っ込んだら自分が殴られるリスクもある。そのほうがハードじゃないですか。まぁ毒吐くときのリリックは面白ろおかしくってところがポイントだと思ってますけど。
●客演曲では「One Unity feat. Chop Stick」と「うわのそら feat. アダチマン」を収録。
K:一番仲良く遊んでいる先輩と後輩なんですよ。で、一緒にふざけたい先輩のChopくんとは真面目な曲を、わりとハードな活動しているアダチマンとは面白いフレーズを言い合う曲でコンビネーションを作りました。
●Tony the Weed(Skyline Band)とP@pi(Channel links Band)が参加したタイトル曲はオープニングに相応しい仕上がりですね。
K:空を通じて繋がってるって曲なんですけど、俺も地元から離れて活動してるんで余計に感じることがあって。この二人と一緒にできたことにも意味がある曲だと思ってます。
●さまざまな想いが詰まった全19曲(!)入りの今作。最後に読者へひと言お願いします。
K:注目して欲しいのは歌唱力よりもリリック!アルバム中でも前に作った曲と新録曲のリリックの違いもあるし、細かい仕掛けが隠されてるので、歌詞カードを見ながら聴いて欲しいですね。
「Link Up Through The Sky」
King-K
[ Dr. Production / DRCD-041]