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CHINO
NEVER CHANGE
 
Interview by Takashi Futatsugi / Photo by Gregg Grindley

 

マクレガー家の長男で、売れっ子スティーヴンの兄貴......という前置きも不要なくらいの、昨年を代表するビッグ・アンセムとなった「Never Change」、そしてヒット曲満載のこの2ndアルバムを引っさげてチーノが帰ってきた。しかも、この夏には来日も決定したとか。そんな今、勢い最高の彼が語る"音楽への深い愛情"とは?
 
●ラッパーとして活動していたカパチーノ名義時代の話を少し語って下さい。キャリアのスタートは、マイアミのスリップン・スライドだったんですよね?
Chino(以下C):まず説明しておくと......実は子供の頃から人混みが嫌いで、何千人もの前で歌ったりする事も考えられなかった。でも、 音楽は好きだったんだ。中学の時にオメガ・サウンドを始めたのは、ただ仲間と一緒に好きな音楽をプレイしたかっただけなんだ。その頃にジャマイカで大きなヒップホップ・ムーヴメントが起きて、ただ音楽として夢中になった。そこでラップも始めたんだけど、ヒップホップはそうした歌詞を伝えるには、言葉を乗せ易かった。(父の)フレディがフロリダにも自宅を持った事で行き来するようになって、スリップン・スライドのトリック・ダディとかに世話になった。そこで学んだ事は、いかにプロフェッショナルであるべきか?という事だね。そこを離れた理由は、彼らのフックとパンチ・ラインだけのスタイルでは自分の世界が表現し切れないと思ったから。自分はリリシストで、ディープに音楽を追究するアーティストだからね。
●07年に日本で発売されたアルバム『Unstopp-able』を振り返って思うところはありますか?
C:「Red Bull & Guinness」を始めブレイクした曲が詰まっていて、世間に自分を知らせられた最初のアルバムとして大切に思っている。色んなキッカケを与えてくれたしね。ジャケットの中に、その時代にサポートしてくれて、その後事故死したクレイグ・デニスの写真があるのも特別だ。聴き直すと、そりゃ色々と思うところもあるけど、自分の成長を確認する事も出来る感じかな。
●弟、スティーヴンのここ最近の仕事ぶりで感じる事は?
C:なぜ彼が「天才」と呼ばれるのか? 理由は一つしかないんだ。それは音楽への愛情だ。そこの深さが他のプロデューサーとは圧倒的に違う。"音"への感覚が敏感なのも、そうした愛情がなせる業なんだ。努力家で、一人の世界を持っていて、誰にも流されない。精神的にも強く、周りを良い意味で気にしないんだ。
●アルバム『Never Change』について語って下さい。
C:前作からの成長、成功、経験、学習、知識、自分の現在の思考が全て詰まった作品で自信作だ。ヒット曲も多いけど、ただの"寄せ集め"じゃない。構成もソリッドな世界観 も詰まったものだから、"アルバム"として全体を楽しんで欲しいね。また秋にはアメリカやヨーロッパでもリリースするけど、それは日本盤とは少し違うものになると思う。日本で最初に出したかったのも、1stの時から自分の可能性を信じて応援してくれた人達がいたから。まずは日本に届けて、夏にツアーでその反応を 直に確認する事を楽しみにしているんだ。
●アルバムにも収録された各曲について語って下さい。まずは「Never Change」。
C:朝起きた時に浮かんだフレーズとメロディをそのまま録ったんだ。自分がこだわるのはいかにそのヴァイブスをリリックに込められるか。自分とスティーヴンにとっては夜中の2時〜5時がヴァイブス・タイムって感じなんだけど。この曲は朝だったけどね(笑)。
●「Protected」と「We Nuh Like Dem」。
C:よく言われるんだけど、「We Nuh Like Dem」はドン・コーレオンや特定の誰かをディスした曲ではなくて、もっと世界的な事を指している。世界の政治とか悪行を行っている一部の指導者とかね。それを言うなら、「Protected」の方だね。この曲はスティーヴンや自分をディスした人達に対して歌った曲だから。ある時にスティーヴンがインターネットで「フレディの息子だから成功している。マクレガー家の息子だからチヤホヤされている」みたいなコメントを見つけて、それに対して反撃した曲だ。ドンは色々と俺達の事を言っているのかもしれないけど、俺達は音楽の愛だけで音楽 を作っている、それだけだ。
●アレインとの「Me & You」。
C:これもよく誤解されるけど、ドンに対して何かを仕掛けたわけではない。彼女とはジャマイカのRETVが実施していた「High School Tour」で仲良くなった。毎週どこかの高校でパフォーマンスするテレビの企画なんだけど、そこで話すようにもなって、アーティストとしてもリスペクトするようになった。この曲には女性シンガーを入れたいと思っていたから、彼女を誘ったんだ。ただ、彼女とドンの関係も知っていたし、ドンが自分達に対して何か言っていると周りから言われていた時期だったから、彼女にも事前に確認したんだ。それでも、彼女は曲を聴いて、「そういう事には構わないし、気にしないわ」と言ってくれたしね。カーテルとマヴァードの時もそうだけど、メディアやインターネットが伝えている事がどれだけ事実かは疑うべきだ。ジャマイカは狭いし、エンターテイメントも限られているから、色々とネタにされるし、それも含めてのビジネスだけど、基本は音楽の質で語られるべき。この曲はそうしたハイプとは関係なく、良い曲という事で支持されたと信じたいね。
●「Find It Hard」。
C:もともとこの曲は仕上がっていたんだ。ただ、スティーヴンと「何かが足らない」と話していて、何か楽器を足そうと思って、「サックスならディーンだ!」ってなったんだ。フレディのツアーとかで子供の時からディーンとは一緒になる事が多かったから、そうしたレジェンドと一緒に出来るのは嬉しかったし、感慨深かったよ。
●「Never Change」には日本語版もありますが、そのアイデアは?
C:日本からこの曲のダブを録りに来るサウンド・マンが凄く多くて、「マイティ・クラウンが最初にプレイして広まった」って聞いたけど、とにかく連日日本人が録りに来るから、「だったら日本語版も作ろう!」って思ったんだ。ちょうどスペイン語版も作っていたから、それに合わせて作ったんだ。歌詞はジャマイカに居る日本人の女性に翻訳してもらった。「直訳してくれ」と頼んでね。日本人は現在ジャマイカのあちこちで見かけるよ。この小さな島のレゲエを通じて遠いところから来てくれる人達を有り難くも思う。日本人のアーティスト達がレゲエを演ってくれるのも嬉しいし、ジャマイカで感じたものを持ち帰ってまた違うものに仕上げているのも面白いね。最近はダンスに行っても日本人が多いよね。彼らはそこでちゃんと音楽で楽しんでいるし、音楽を求めているから、そうした様子が周りのジャマイカ人にも良い影響を与えていると思うよ。ダンスでも日本人が楽しんで良い空気にしてくれている事で、トラブルも減っているし。自分はフレディと「ジャパンスプラッシュ」とかで実際に日本に行って見てるけど、マイティ・クラウンとかを見ていると、日本のレゲエ事情も変わってきてると想像出来るね。日本人がもっとディープにレゲエを追究しているのが分かるよ。
 

「Never Change」
Chino
[Victor / VICP-64855]


Chino 来日ツアー・スケジュール
「Nesta Brand's 5th Annual Summer Tour
Brings You Chino」
8月21日(土)「横浜レゲエ祭2010 Zero」
        横浜赤レンガパーク 特設野外ステージ
8月23日(月)名古屋 Ozon
8月25日(水)京都 Lab Tribe
8月27日(金)神戸・須磨海岸 Hummer
8月28日(土)福岡 Club Air & Tsuti

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