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HIROSHI FUJIWARA & K.U.D.O meets
MICHAEL JACKSON
 
Interview by Takashi Futatsugi
 

コンピ・アルバムへの収録のみならず、7インチ盤でもリリースされ、国内外で評判の高かった"アンビエント・ダブ"仕様の「Ben(HF Remix)」('01)。そのリミックスを手がけた藤原ヒロシとK.U.D.O(Major Force時代を跨いで、かれこれ27年以上の盟友)が今度はマイケル・ジャクソン、ジャクソン5のモータウン音源をアルバム・サイズでリミックスする......興奮しないワケがない!というビッグ・ニュース、である。早速、その当事者2人にインタヴューを試みた。
 

【藤原ヒロシ編】
●ヒロシさんと言えば、80年代から既にリミキサーという肩書きを持っていたわけですが、本作のリミックス・ワークは「別ジャンルのサウンドに替える」という意味でも現時点でその頂点にあるものと思われます。
藤原ヒロシ(以下H):そうあって欲しいですね。リミックスという言葉が独り歩きするようになった頃は、いかに崩して違うものにするか、ということを重視していました。でも、ダンス・ミュージックならではのリ・エディットが出始めてからはそういうカッコ良さ、面白さに目覚めて、曲を作るようになってからはアレンジというものをより意識するようになったんです。「Ben」のリミックスは、原曲の音素材を活かしつつ新しいものに出来たので満足度は高くて、その手法を使ってアルバムとしてまとめてみたかったんですよね。この企画も自分からリクエストしましたし。こだわったのは、それが最初からレゲエ・ヴァージョンだったような自然さ。音源を全部聴き直して、レゲエにアレンジできるもの前提で僕の方で選曲したんです。「I Want You Back」は別でしたが(笑)。とにかくマイケルのヴォーカルやコーラス、ストリングスやギターのアレンジもいちいち絶妙で素晴らしくて。構成含めオリジナルが完璧なだけに、それを無理のないリミックスとして成立させたかったんです。あと、アカペラにして聴くと、コーラスの誰かがずっと咳してたり......盤だけじゃ絶対に解らない細かな部分にも気付いて。
 
●自然さ、という部分では1曲目に持ってこられたシュガー・マイノットでもお馴染みの「We've Got A Good Thing Going」なんて、ミュージカル・ユースがやってるみたいに聴こえましたし、スウィート・ソウルっぽさがさらに増している「All I Do Is Think Of You」や「La La (Means I Love You)」などはアリワ・サウンズにも通じる魅力を感じたのですが。
H:(笑)そうですね。例えば、シュガー・マイノットのレゲエ・カヴァーの方が有名な「Good Thing Going」はミュージカル・ユースをスライ&ロビーが手がけたみたいに......とか、実際に音を組み上げてくれた工藤くん(K.U.D.O)に具体的なアイデアを伝えました。彼とはニューウェイヴとかレア・グルーヴとかラヴァーズ、ダブとか、通ってきたところが殆ど同じですし。僕らにとってもこの時代の魔法のような音源に改めて向き合うことは有意義で、それ以上に新鮮でした。だから、これを聴いてくれる人たちにも、この時代のマイケルの魅力を再確認、再発見して欲しいですね。
●ダブ・アルバムの方も、しっかり別作品として楽しめました。あと、アートワークもヒロシさんが手がけられたんですね?
H:ダブ・アルバムは初回限定盤なんですけど、これも凄く気に入ってるので限定なのはもったいないな〜と思ってたりするんですよね(笑)。元のヴォーカルもかなり残してダブワイズしているので、インストではないですしね。アートワークは、僕の好きなクラシックのジャケのデザインをベースに、トロージャンっぽいタイポグラフィーと、あとこのレアな写真、ですね。ジャッキー・ミットゥーに見えなくもない、という(笑)。奇を衒わなくてもクラシックなレゲエ・アル バムっぽく出来るんだな、と。ダブの方は、昔、UK盤とかでよくあったボーナスの12インチのスリーブみたいな感じにしました。
 

【K.U.D.O編】
●今回の企画を、初めてヒロシさんからお聞きなった時の感想を聞かせてください。
K.U.D.O(以下K):ヒロシとは長い付き合いだし、何度も一緒に作業をしているのでお互いの音楽的嗜好は把握しているつもり。今回も"アンビエントなダブ"というディレクションには抵抗なく同感できたし、オフィシャルでないものも含めて現在かなり乱立してるMJのリミックスものの中でも特に素晴らしい企画だと思いました。アルバム全体の印象として「明るく、わかりやすいレゲエであるように」というリクエストがまずあって、その意向のもと僕の方でアレンジを固めてスタジオに持ち込んで......スタジオでは最終ミックスに到るまでお互いにアイデアを出し合い、それを形にしていくという共同作業の中で、ヒロシらしい斬新なアイデアをいくつも取り入れていきました。曲の構成変えや大胆なミュート、ヒップホップ的要素の取り入れなど、作業の流れの中でディテールに落ち込みやすい僕に対する、ヒロシの客観的視点からのアイデアでずいぶん助けられました。
●実際の制作作業で、気を使われた点は何でしょう?
K:コンピューター上で作業するために元の生演奏のマルチトラックを編集していくのですが、やはりマイケルの声を編集するのはある種、神の領域にハサミを入れる感覚で特に気を使いました。最終的にオリジナル・ヴォーカルのグルーブ感を損なわないよう細かく調整していきました。楽器類に関しても、オリジナルの演奏が素晴らしいので、使えるものはなるべく使うというコンセプトで進めていきました。その為、オリジナルの楽曲の印象と遠からず近からず的なアレンジに仕上がったと思います。
●最後にこのリミックス盤から過去のダブ、ラヴァーズ・ロックへと手を伸ばしたくなったビギナー向けにオススメのタイトルを教えてもらえますか?
K:最近は曲単位で聞くことが多いのでアルバムを選ぶのは難しいな...。ダブだと、アスワドの『A New Chapter Of Dub』、グレゴリー・アイザックス/プリンス・ジャミーの『Slum In Dub』、ウィンストン・ライリーの『Meditation Dub』、キング・タビーの『King Of Dub』、ラヴァーズだと、両方コンピで、 『The Santic Collection』 、『D-Roy Records Compilation』 ......こんな感じで。
 

"Hiroshi Fujiwara & K.U.D.O presents Michael Jackson / Jackson 5 Remixes"
[Universal / UICZ-3117(通常盤)]
[Universal / UICZ-9036(初回限定盤)]



こちらは初回限定盤に同梱されるダブ・アルバム "HF & K.U.D.O. DUB MIX"のカヴァー

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