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HASE-T
STREET RYDERS
 
Interview by Hajime Oishi / Photo by Yoshifumi Egami
 

自身のレーベルであるTreasure House Recordsを拠点に精力的なプロデュースワークを続けるHase-T。彼が送り出す新コンピ・シリーズが『Street Ryders』だ。濃厚な新録曲、手の込んだリミックスを含むその内容について、Hase-Tに話を訊いた。
 
ジャパニーズ・ダンスホール・シーン屈指のトラックメイカー/プロデューサー/リミキサーであるHase-Tには、これまで何度も取材する機会に恵まれてきた。言うまでもなく彼は生粋のダンスホール・プロデューサーだが、同時にとても風通しのいいレゲエ観を持つ人物であり(Hase-Tのブログを観れば、彼が決してレゲエに留まらない音楽的嗜好性を持っていることが分かるだろう)、僕はその点に強い共感を覚えている。例えば、トラックメイキングに対するこだわりについての、こんな会話----。
 
「いろんなエッセンスを引っ張ってきて、それを混ぜた時にレゲエにしていく。例えテクノみたいな音色であっても、最終的にはレゲエになる。自分がトラックを作る時はそういった落とし込みを意識してますし、それはジャマイカも一緒だと思うんですよ」
 
●じゃあ、ひとつひとつの音はレゲエの音色じゃなくてもいい、と。
「もちろん。オレもレゲエの定義ってよく分かんないし、ある意味メチャクチャなところが楽しいんです。特に今の現行のダンスホールはそういう方向性が強いし。もちろん、自分がこだわってる部分も当然あるんですけど、オレがスティーヴン(・マクレガー)を追いかけても仕方ないし、スティーヴンがやらないことをやろうと思ってるんで。あと、ディプロや彼周辺の人がレゲエDJを入れて怪しいダンスホール・トラックを作ってるじゃないですか。そういう作り方も面白いと思うし、刺激を受けるところはありますよ」
 
●なるほど。
「ただ、それが今回の『Street Ryders Vol.1』に反映しているかと言えば、必ずしもそういうわけではないと思うんですけどね。今回はあくまでもダンスホールっていう枠のなかでやりたいと思ってたし、次のシーンを背負って立つ若手にフォーカスしたいと思ってたんで。あえてイケイケで、ミディアムに逃げない作り」
 
●今回は3つのリディムがメインになっていますね。
「これまでのシリーズではあんまりセグ(メント)でまとめるような形を取ってなかったんですけど、今回はあえてそうしたかった。レゲエっぽくしたかったのかな。ただ、12曲同じオケっていうのは飽きちゃうんで」
 
●じゃあ、あえてダンスホールにこだわった理由とは?
「もう、薄くしてもしょうがないから。薄くする作業は去年、一昨年ぐらいで別の人がやっちゃったけど、オレはそういうものを作るつもりはないし、もっと濃いものを届けたいんですね。今はモノが売れない時代だから、ちゃんとしたメッセージだったり、ちゃんとした中身のあるものじゃないと......そういう意味で、わざと濃いものを作ってリアクションを見たかったし、新しい人たちの新しい表現も見たかったんですね。今年1年はTreasure Houseの強化年間として捉えてるんで、ウチのレーベルから新しいアーティストの作品も出していきたいと思ってるんですよ。レーベルカラーをしっかり打ち出しつつ、新しいタレントも育てていく。なので、このレーベルの音源には常にこの連中が入ってる、そういう形にしていきたいんですね」
●では、そこで言う主軸とは?
「東京で言うとJ-Rexxxとか親指Head、Moeast、そのへんがキーになるんじゃないでしょうかね。あとは新潟のSunsqrittも上手いし。このへんの面々がレゲエ・シーンを次に繋げていってほしいですね。もちろん、それ以外の別の才能ともリンクしていきたいですし」
●J-Rexxxとか親指Headのどういった部分に可能性を感じるんでしょうか?
「歌詞がすごくリアルなんですよね。新しい人たちが出てきたんだな、という感じがします。そういう人たちがどんどん曲を出せる環境にしたいし、一緒に曲を作っていきたいですね」
 
今回のアルバムには、3つのリディムを中心にした新録曲に加え、Moomin&Ken-UやKreva、leccaらの既発曲にリミックスを施したものが収録されているのだが、こちらも実に面白い出来。「レゲエをレゲエにしても面白くないから、ガラッとカラーを変えてみました」というこれらのリミックスには、Hase-Tならではの遊び心が反映されていると言ってもいいだろう。
 
また、7月には早くも本シリーズの"Vol.2"のリリースも予定されているそうで、こちらも楽しみ。「やりたいことが山積みなんです。かき混ぜたいですね、いろんな意味で」と話すHase-Tだが、彼が取材終盤に話してくれたアイデアもまたかなり斬新かつ興味深いものだったことを最後に付け加えておく。やはり、Hase-Tの動向には常に注目しておくべきだ。
 



"Hase-T Presents Treasure House Records Street Ryders Vol.1"
V.A.
[Lastrum / LACD-0174]


"Street Ryders Release Party"
6/26(土)渋谷club asia
[開場]23:00
[入場料]¥3,000(フライヤー提示で¥2,500)
[出演]Tak-Z, 卍ライン, J-Rexxx, Shaka-T, Scar Face, Kohgo, Miyu, Koddy, Moeast, and more.
[HP]www.clubasia.co.jp 

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