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BOOM BAP
GURU
 

 
Guru(It's Mostly Tha Voice Gifted Universal Rhymes Unlimited)、本名Keith Elamが4月19日に死去した。ガンに冒されて1年以上も闘病生活を送っていたことも判明した。GuruはBoston生まれ。彼の両親は教育と法務(または警察)関係の仕事に就いていた。彼の兄はStanford大学の著名な教授で、GuruがFashion Institute Of Technologyを辞め、ヒップホップの世界に入ってしまった時、いかに家族がそのことを嘆いたのかを感情をこめてブログに綴っている。
 
GuruはNYに移り住み、TexasのPrairie View出身のDJ Premierという男と出会い意気投合する。1980年代に2人はGang Starrとして頭角を現し、Spike Lee監督の映画『Mo Betta Blues』に「A Jazz Thing」が使用されるなど、注目を浴びる。2003年にGuruとPrimoが袂を分かつまでに、彼らはGang Starr名義で6枚のアルバムをリリースした。JazzmatazzのプロデューサーSolarという人物がどれほどの才能の持ち主だったのか、それを判断するにはまだ早すぎるかもしれない(DJ Premier はMurph DoggによるインタヴューでSolarのことについて詳しく語っている。そのインタヴューはVibe.comで読むことができるので気になる方はそちらを読んでみればいい)。とにかく今はポジティヴなことから話そう。
 
それは1999年の夏、Miamiでの天気の良い日だった。Marley一家がBayfront Memorial Parkで恵まれない人々のために缶詰を集め、それを地元のチャリティ組織に寄付するというコンサートを開いていた。Lauryn Hillはファウンデーション・スタイルのレゲエを披露し、他には多数のMarleyファミリー、Erykah Badu、そしてGuruも出演していた。Stephen MarleyがBob Marleyの歌をもとにした『Chant Down Babylon』をリリースした年だ。オレは「It's Mostly Tha Voice〜」と言った男にインタヴューすることができた。「Guru、どんな気分だい?」「今日はここでどんなことをしようとしているんだい?」......こんな感じでインタヴューは始まった。
 
Guru「オレのパートナーの1人、NYCで弁護士をしているOwen Lambは、昔からMarley一家と知り合いだった。彼のいとこがThe Ottawa Rough Riders時代のRohan Marleyとルームメイトだったんだ。そうした繋がりもあったからRohanがD&Dスタジオに時々来るようになって、そのうちStephen Marleyのリミックス・プロジェクト(『Chant Down Babylon』のこと)に参加しないかと誘ってくれた。それは嬉しかったよ。だってオレはずっとBob Marleyのファンだからな。彼はMalcolm X、Martin Luther Kingのようにインスピレーションを与えてくれる存在だ。Bob Marleyがどれほど偉大な人物だったのか、忘れてはいけない。彼の音楽だけでなく、彼の人生そのものが偉大なんだ。そしてそのことが彼が歌うリリックに表れている。
 
だからStephanが声をかけてくれた時は興奮したよ。"オレはなんでもするよ"とふたつ返事で答えた。実はもう、『Johnny Was』という曲をStephanとKingstonでリミックスしたんだ。この曲はかなりシリアスな内容でピストルによる殺人のことを歌っている。そのことについてライムしたよ。『Johnny Was』ような社会的メッセージの濃い曲は大切だ。音楽には前向きなエネルギーを込めなければいけないと思っている。同じ考えを持った人々が共に音楽を作れば、よりそれが実現出来るはずだ。そういう意味では、最近、Barrington Levyと一緒に曲を作ったんだけど、レコード会社の不手際でまだリリースできていないのは残念だな。
 
現代社会では、誰かがまず問題提起のために声をあげなくてはならない。ホームレスのことや、警察による職権を超えた暴力、黒人同士の間で起こる犯罪などについてだ。若い黒人の男性の一人としてオレは意見を言わなくてはならないんだ。黒人は決して殺しあっているわけではない。単に自分たちを見失っているだけだ。オレ達は歴史に対する正しい理解がない。なぜならそれがオレ達から社会によって奪われてしまっているからだ。黒人同士の家族間でも溝ができてしまっている。こんな状態は打破しなければならない。そうさ、まずオレ達の意識を変えなくてはならない。まず自分自身を愛することからはじめなければいけない。そうすれば社会が変わってゆくだろう。黒人は偉大な人種だと思う。ドラックやピストルは必要無い。だが、高い失業率や、1ブロックごとにある酒屋のせいで数字に秀でる代わりにドラッグ・ディーラーになってしまう奴が大勢出てしまった。とにかく意識を変えることが必要だ。そのことをBob Marleyたちが訴え続けてきたんだ。
 
最近のGang Starrとしての活動と言えば、『Full Clip : A Decade Of Gang Starr』というベスト盤を作っているところだ。Gang Starrのシングルやレア・ナンバーを収録した2枚組になる予定さ。DJ Premierとは長いこと一緒に活動しているが、何もかもうまくいっているよ。Premierとオレはアーティストでもあり、互いのファンでもあるんだ。たまに鳥肌が立つよ...」
(インタヴューの続きはwww.boomshots.comで)
 
 
WORKS OF GANG STARR

"No More Mr. Nice Guy"
[1989]



"Step In The Arena"
[1991]



"Daily Operation"
[1992]



"Hard To Earn"
[1994]



"Moment Of Truth"
[1998]



"The Ownerz"
[2003]


 
WORKS OF GURU

"Guru's Jazzmatazz, Vol. 1"
[1993]



"Guru Presents Ill Kid Records"
[1995]



"Guru's Jazzmatazz, Vol. 2 : The New Reality"
[1995]



"Guru's Jazzmatazz, Vol. 3 : Streetsoul"
[2000]



"Baldhead Slick & Da Click"
[2001]



"Version 7.0 : The Street Scriptures"
[2005]



"Guru's Jazzmatazz, Vol. 4 : The Hip Hop Jazz Messenger : Back to the Future"
[2007]



"The Timebomb : Back To The Future Mixtape"
[2007]



"Guru 8.0: Lost and Found"
[2009]


  
TEXT BY ROB KENNER
アメリカの『VIBe』誌創刊者兼編集者。現在はVIBE Bookの編集ディレクター、soulsummer.comthecashflow.comの編集長を勤める他、boomshots.comを運営するなどHIP HOPとREGGAEを中心に多方面で活躍中。
Twitterのフォローはこちら→www.twitter.com/boomshots

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