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326    COLUMN    UK REPORT

UK REPORT
Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
 
Yellowman 

 
Greetings Friends,
 
●この原稿執筆時点、ネットにはコカイン所持などの容疑で拘留されているBuju Bantonに関する噂が氾濫している。たとえば、「ベジタリアン用の食事がBujuに与えられていないので、彼の体重が40パウンドも減っている。また、肉が多い食事を他の拘留者に分け与えた罰で独房に入れられてしまっている」とか、「実はBujuは肉が大好きで、拘留されてから体重が増えた」といったアメリカの当局がリリースした情報もある。Bujuの弁護士とアメリカの司法関係者との論争がヒートアップするのに比例し、彼の解放へ向けての運動がレゲエ業界でも高まっている。でも、問題解決の糸口さえもまだ見えていない状況だ。
 
●Walt Disney Recordsは『The Disney Reggae Club』のリリースを大々的に発表した。新旧Disney映画(『Song Of The Sounth』『Cars』『Lion King』『Little Mermaid』など)からのナンバーを様々なアーティストがレゲエ・テイストにカヴァーしているコンピレーションだ。Ziggy Marley、Cedella Marley、Steel Pulse、UB40、Toots、Morgan Heritage、Yellowman、Burning Spearらが参加したこのアルバム、人によって好き嫌いがはっきり分かれるだろう。アメリカではヒット間違いないだろうが、ちょっと安っぽい印象を受けるのは僕だけではないだろう。
 
Ziggy Marleyといえば"キッズ・エンターテイナー"としての活躍が最近目立っている。彼はこの2月に『Family Time』で、Grammy賞に新設された「子供のための音楽アルバム」というカテゴリーにおいて5度目の同賞を獲得したばかりだ。また、14年目を迎える人気子供向けTVシリーズ『Arthur』のテーマ曲や、BBCのアニメ番組『3rd And Bird』でオウム役の吹き替えを担当している。彼が吹き替えを担当したエピソードでは、鳥たちがJamaicaに行って日光浴とレゲエ・パーティを楽しむ(!)というストーリーだった。ZiggyはUSの人気アニメ『The Wonder Pets』でCheshire Catの吹き替えも担当している。違法ダウンロードのせいで音楽セールスがガタ落ちのこのご時勢、Ziggyに続くレゲエ・アーティストが続出するかもしれない。少なくとも、これらの仕事からは安定した収入が得られそうだ。
 
●Ziggyの母、Ritaが4月18日に開催されるジンバブエ独立30周年を祝うイヴェントに出演するらしい。彼女はジンバブエが1980年に独立した時にもBobと一緒に同国のイヴェントに出演している。Sizzlaが出演したRobert Mugabe大統領の86歳の誕生日を祝ったイヴェントが2月にあったので、ジンバブエ政府がレゲエ・コンサートを開催するのは今年で2回目となる。レゲエという音楽は圧制者を追放するパワーを有する音楽だと思っていたのだが、独裁者が血にまみれた戦争のような手段で国民を圧制している国の国家的イヴェントにレゲエ・アーティストが出演するということ自体、理解に苦しむところだ。Jimmy Cliffがアパルトヘイト時代の南アフリカのSun Cityでコンサートを行った際の騒動や、なぜ彼がそのような行動をとったということを、彼自身が人々に説明するのに費やした時間の長さを思い出してしまう。Mugabeが黒人だからといって彼の今までの行動を容認することはできない。人々を苦しめている国から金を儲けようとするアーティストはボイコットすべきだ。
 
Pablo Moses 

 
●さらにMarley関連のニュースが続く(ウェブはMarley関連のニュースであふれている...)。1984年に発売されてから、四半世紀にわたって売れ続けているベスト盤『Legend』のスペシャル・ヴァージョンが今月リリースされる。アルバム中のヒット曲のリミックスやダブ・ヴァージョンが収められているようだ。ネットの無料ダウンロードが氾濫している現在でも間違いなくヒットするだろう。
 ●The Congosの新作アルバム『Back In The Black Ark』をやっと手に入れることができた。3人の素晴らしいヴォーカリストをフューチャーしたアルバムの率直な感想は、まあまあといったところだ。曲は可もなく不可もなく、使い古されたカヴァー曲も目立つ。そもそも、Mixing Labで録音されているので、タイトル自体に整合性がない。そして、音楽にLee Perryらしさがまったく感じられないので、彼の参加が本当に必要だったのかも疑問だ。フランス人の共同プロデューサーは、彼をスタジオでマリファナを吸わせるためだけに雇ったのだろうか。
 
●ルーツ・レゲエの伝説的シンガー、Pablo Mosesの待望のニュー・アルバム『Rebirth』が4月にリリースされる。このPortmore出身のシンガー、長年続けてきたライヴには定評があるが、『Revolutionary Dream'』や『A Song』のような質の高いアルバムを最近リリースしていない。ルーツ音楽と流行りの音楽スタイルとをミックスした作品も発表してきたが、その評判は必ずしも芳しくはなかった。『Rebirth』こそ、彼が原点に戻ったしっかりとしたルーツ・アルバムであると願ってやまない。


 
(訳/Masaaki Otsuka)

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