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326    COLUMN    PLAY IT LOUD

RED POND / JUNIOR KELLY
[VP / VPCD1877 / 輸入盤]
流行に左右される事なくマイペースかつ充実した作品制作を続けてきたジュニア・ケリー。ファイアハウスと共にじっくりと作り上げられた本作も、彼らしい重量級のルーツ・アルバムとなった。オーガスタス・パブロ「Java」のリメイク・リディムを使用した「How Better Ah Go Come」のどっしりとした聴き応え、メロウな「Real Love」辺りに滲む歌心などは、良心的レゲエ愛好家の心を掴んで離さないはずだ。力作。(大石始)
 
HOLD ON STRONG / ROD TAYLOR
[NAGONA MUSIC RECORDS / NMRCD002 / 輸入盤]
クラシック・ルーツ・リスナーに特に人気が高い大御所の彼がスイスのレーベルから発売したモダン・ルーツ作品。70年代から現在まで衰える事のない安定した歌唱力と神からの贈り物というべき類稀な声質は見事の一言に尽きる。デジタルと生演奏によるオケはソリッドで暖かみに溢れヴォーカルに実に良くマッチしている。楽曲は正統派ルーツからメジャー・コード系、ビンギ調迄と幅広くヴァラエティ豊か。(楳原豊人)
  
REJOICE / TONY ROOTS
[ROOTS HI-TEK MUSIC / RHCD004 / 輸入盤]
80年代後半よりUKルーツ界で活躍する彼は、他のEUレーベルでも人気高いヴォーカリストだ。本作は既にシングル・カットされた曲と新曲を含めた全16曲。彼独特の深みあるハイ・トーン・ヴォイスでステッパー・オケからヘヴィなワンドロップまでじっくり聴かせてくれる。プロデュースはルーツ・ハイテック、ラスD、ザイオン・ゲート等が勢揃い。実力派女性シンガー、クリスティン・ミラーもコーラスで参加。(楳原豊人)
 
REBEL IN THIS TIME / JAH FREE (THE DUB ACTIVIST)
[JAH FREE / JFCD002 / 輸入盤]
ドイツのキビッシュ・トライブからのシングルが大好評だったジャー・フリーの新作。90年代前半からモダン・ルーツ界の一翼を担ってきたその感性はさらに輝きが増すばかり。一聴しただけでそれと分るサウンドとリズムに体が動き出してしまう。上記のシングルは勿論、収録曲全てがヴォーカル&ダブからなる極上の16曲。新旧ファンともにモダン・ルーツの真骨頂を十二分に感じることが出来る秀作。(楳原豊人)
   
RED EARTH DUB / THE RED EARTH COL-LECTIVE FEAT. SOOTHSAYERS HORNS
RED EARTH / REDECD-007 / 輸入盤]
アフロ・グルーヴを主体にレゲエも積極的に演奏する肉体派グループ、スーズセイヤーズのホーン隊が中心となって生まれたアルバム。ミックスはManassehが担当。レゲエを彩る管楽器の音色と躍動するリズムにはしゃいでしまうぜ。ダブと言っても派手な装飾は避けて、より生の音を活かした職人技がピリっと効いているね。管楽器特有の情緒あふれるメロディは格別だ。Fela Kutiのカヴァー曲も収録。(磯野カツオ)
 
JAMAICA SOUL 3 / V.A.
[CULTURE PRESS / REGGAE-4610 / 輸入盤]
慣れ親しんできたジャマイカ音楽の聴き方を変えてみませんか? ぴったりのコンピレーションが本作です。音源はリー・ペリーのプロダクション、アップセッターから選曲。実にセンスがいいんですなあ。目から鱗、ほんまにソウルフルやねん。スポットの当て方で全く雰囲気が変わる。勉強になります。リー・ペリーの懐の深さと選者の新しい聴かせ方に魅せられましたよ、カツオは。脳がフレッシュさ。(磯野カツオ)
 
ザ・グレート・ロックステディ・スウィンドル/ザ・スラッカーズ
[スカ・イン・ザ・ワールド / SIWI-131 / 国内盤]
スカ、ロックステディ・ファンが心待ちにしていた新作。息の合った演奏は、結束の固さを感じさせる。ロック・スピリッツ・ミーツ・ジャマイカン・フィーリングこそ彼らの持ち味。伝統だけにしがみつかず、独自のテイストを加えてアグレッシヴな音楽に変貌を遂げる。詩人の様に言葉をひとつひとつ紡ぎ歌うVicの歌、ますます惚れたね。現役スカ・バンドをリードする俺たちの兄貴は健在や。今作が証明盤。(磯野カツオ)
  
ハセT・プレゼンツ・トレジャー・ハウス・レコーズ・ストリート・ライダーズVOL.1/ハセT&V.A.
[ラストラム/ LACD-0174 / 国内盤]
言わずと知れたプロデューサー&トラックメイカー、Hase-Tのセルフ・レーベルよりニュー・シリーズがスタート。人気シリーズ“Reggae Gold Mine”とは異なり、ミックスに『XXX F.A.T.』を完成させたばかりのDaibutsuを起用するなど、全て日本人スタッフこだわったところがこのシリーズの狙いだろうか。だが、その音は今まで以上に現場を賑わせるほどのパワーを持つ。マイク陣の豪華さも彼の成せる技。(大場俊明)
 
アイ・ラブ・ユー/ハイジ
[ヴィレッジ・アゲイン/ VDRP-0002 / 国内盤]
ヒット曲を連発してきたハイジの初となるフル・アルバム。今までシングルやミニ・アルバムという形でじらされたためイメージが先行していたが、これで彼女が本当にやりたかったことが見えてきた。どれも胸にしまっていたまっすぐな想いを真摯に伝えたいという気持ちを最良の方法で作品化していると思う。今までの曖昧な立ち位置から、本作で確固たるシンガーの立ち位置へと変わるはずだ。(大場俊明)
 
アイ・ラヴ・トリニ/バービー・ジャパン
[バッカナル45 / BACD-013 / 国内盤]
トリニダード・トバゴのインド人コミュニティーで親しまれているインド調ソカ=チャットニーをご存知だろうか。このBarbie Japanはそのチャットニーに取り組む新進女性シンガーで、当然のことながら日本人初のチャットニー・アーティストとなる。すでに一部では話題となっていた「Kanpai Wine」を収録したこの初アルバムにはトリニダードへの愛情がぎっしり。背伸びのない等身大のリリックも好感度大。(大石始)
 
リアリティ・バイツ/KEN2-DSPECIAL
[パート2スタイル/ P2SCD-003 / 国内盤]
大所帯ダブ・バンド、Trial Pro-ductionではトロンボーン/MCを務めるKen Kenによる異形レゲエ・ユニットが待望の初アルバムをリリース。"Sleng Teng" をユニークに解釈した「Sleng Teng In The Umegaoka」(鎮座Dopeness & Bun Bun The MC参加ヴァージョンも収録)を筆頭に、パンクでポップなトラックが全15曲。現在の東京からしか生まれ得ない、超個性派レゲエ・アルバムだ。フレッシュ!(大石始)
 
リョウ・ザ・スカイウォーカー・ミーツ・キング・ジャミーズ/V.A.
[エイチーム / ATCD-10021 / 国内盤]
ランキン・タクシーによるセレクションも出されていたこのシリーズ、今回は今年メジャー・デビュー10周年を迎えたRSWが担当。彼がセレクター時代に客のいないクラブでかけまくっていたであろう曲が次々と飛び出す。当時のヒット・チューンというよりもレゲエ史にとって重要なチューンという視点で選ばれたものが多い。だがこの物語的構成はRSWならではだろう。彼の血肉を感じて自分の肥やしにせよ。(大場俊明)
 
アナザー・ラウンド/ジャヒーム
[ワーナー / WPCR-13802 / 国内盤]
2年ぶりとなる5作目。ケイジーやダレン・ライティーといった盟友たちが、揃いも揃って、瞬時にしてそれと分かる音職人としての手癖を披露してくれている。結果、ラグドでメロウな鉄板ヒップホップ・ソウルが並ぶが、それだけで、筆者を含む彼の“固定客”は大満足なのだ。その点、新しみは皆無に等しいものの、ルーサーに続きテディまでが逝ってしまったシーンで、この歌声は一際、意味深く響くのでは?(石澤伸行)
 
ジェイソン・デルーロ/ジェイソン・デルーロ
[ワーナー / WPCR-13805 / 国内盤]
気鋭のプロデューサー、JR・ロテムのレーベルからデビューしたニュー・カマー。先行シングル「Whatcha Say」のエレクトロ風味はアルバム全体で確認され、映画『フラッシュ・ダンス』のテーマ曲をネタに配するといった飛び道具を含め、本作の80's色は、R&Bの範疇を越えて、ポップ畑をも飲み込む広いレンジを備えている。思えば、彼のダイナミックな歌声も、ヴァーサタイルな包容力に満ちているわけで。(石澤伸行)
 
ウォーキング・ウィズ・ザ・ナイト/エイドリアナ・エヴァンス
[Pヴァイン / PCD-93162 / 国内盤]
"ウェッサイR&Bの雄"として90年代に活躍したシンガーが、10年ぶりに新作をリリース。仕上がりは、まさに"看板に偽りなし"。イカついビートに乗って吼えまくる様や、西海岸の波風を体現したかのようなメロウネス溢れるトラックでのジューシーな歌いっぷりが随所に立ち現われ、あの時に味わった旨みがみっちりと詰まった作品集になっている。現行シーンをふまえたアップデイトぶりも、流石の一言。(石澤伸行)
 
イフ・アイ…/オーシィー
[ソニー / SICP-2578 / 国内盤]
2年ぶりの3作目。シンセ乱れ打ち、オートチューン使い、フォーキー&メロウ路線と、アルバム全体には、ここ数年のトレンドがしっかりと散りばめられているものの、主役たる彼のヴォーカルが醸す、なんともネチっこい愛の世界観には、独自の味わいが。その最たるものがヒット中の「The Best Sex In The World」だろうが、ジェシ・パウエルのカヴァとなるタイトル曲のアダルティな装いも、一聴の価値あり。(石澤伸行)
  
キあの日の海/コリーヌ・ベイリー・レイ
[EMI / TOCP-66930 / 国内盤]
4年振りのセカンド。特に一連の詩世界には、彼女にふりかかった夫の事故死という悲劇を重ねずにはいられず、そこかしこには喪失感や痛々しい追憶が静かに横たわっている。しかしながら、そのサウンドと歌声が描く風景は、相変わらずキュートで暖かみ溢れるものだ。このフワフワとしていながら、奥まったどこかで官能性をも匂わせる存在感は、UKベース、オーガニックといった文脈を越えてスペシャル度高し。(石澤伸行)
 
マイ・オウン・プライヴェート・サンデイ/トゥオモ
[Pヴァイン/ PCD-17340 / 国内盤]
“北欧のスティーヴィ”による新作。デビュー作ではノーザン風味を活用したキャッチー曲を披露した彼だが、本作では意外にもソウル色を前面には出してきていない。というか、一部でブルージーな臭みを放つ場面はあるものの、時折ビートルズやロキシー・ミュージック、スタカンあたりの影が顔を出す、ロックが軸に。しかしながら、彼の持ち前であるポップな力が全体をうまくまとめていて、全編きっちり楽しませる。(石澤伸行)
  
TRANSFORMED IN DUB / DUBKASM
[SUFFERAH'S CHOICE / DUBK011CD / 輸入盤]
昨今のUKルーツ・レゲエのシーンでは貴重とも言える、アルバム単位で素晴らしい世界を聴かせてくれた名作『Transform I』のダブ・アルバム。多くのシンガーを迎え“ルーツ&カルチャー”に光を与えたオリジナル版から、今度はサウンドの先鋭性に焦点を当て、見事ダブ・ミックスを聴かせてくれる。次には、地元ブリストルのダブステッパーズが大挙参加したダブステップ・リミックス・アルバムが控えている。(飯島直樹)
 
ENERGY DISTORTION / F
[7EVEN / 7EVENCD001 / 輸入盤]
フランスのダブステップ・レーベル7Evenから、フランス人プロデューサーによる初アルバム。最近の潮流の1つであるテックでミニマルな感触と、ディープでありながらパーカッシヴな独自のグルーヴがオーガニックに溶け合った見事な内容。太いサブベースでウネるだけでなく、プログラミングの緻密さで生むウネり、空間的な広がりを感じる上モノと時おり響く印象的なメロディが曲に幅広い表情を与えている。(飯島直樹)
 
TRIANGULATION / SCUBA
[HOTFLUSH / HFCD003 / 輸入盤]
ダブステップのシーンでは早い段階でアーテイスト・アルバムを発表していたScubaの待望の新作。ウォームで静謐な空間を、BPMもリズムもヴァリエーションに富んだグルーヴが、ほぼノンストップで突き進む全12曲。つんのめるブロークン・ビーツ調の曲から4/4、ガラージやブレイクスなどのグルーヴィなサウンドからの影響と、ミニマル/ダブテックの要素がディープな音像の下で解け合った素晴らしい内容。(飯島直樹)(飯島直樹)
 
ランニング・ハイ/ポワリエ
[ビート / BRC-257 / 国内盤]
昨年発売された素晴しいジャケットの12インチから、サウンド面にも突き抜けた感が強くなったポワリエの7作目。ダンスホール・レゲエとブレイクビーツにレイヴやエレクトロの要素をミックスした、所謂“ブレイク・コア”的サウンドの印象が強かった彼が、ソカとダブステップという強力な武器を体内に埋め込んで、ハイパーな“未来のダンスホール”音楽を生み出した。日本盤CDに多数収録されたリミックスも◎。(飯島直樹)
 
コズモグランマ/フライング・ロータス
[ビート / BRC-254 / 国内盤]
アンダーグラウンドで根を延ばしていたLAのビート・シーンを一気に世界中に注目させた前作『Los Angels』から2年ぶりとなる3作目。彼のトレードマークとも言えるザラついてブロークンなヒップホップ・ビート、そしてそれを包む様な夢幻のサウンドは、本作でも聴く事ができる。ただ、そこには明らかにこれ迄とは別の次元の感覚があって、それは実際に聴いて感じてみて欲しい。そうしてみる価値は十分にある。(飯島直樹)
  
ア・スフィ&ア・キラー/ゴンジャスフィ
[ビート / BRC-258 / 国内盤]
ここ日本でも強い支持を集めているLA地下シーンを伝えるコンピに参加し注目を集めていた才人。プロデュースはそのパーティでもひときわ強い色を放っていたガスランプ・キラーが担当し、フライング・ロータスも1曲を担当。“DJ的視点”というのともまた違った現代ならではの感覚で作られた視角効果の高いトラックに、彼の倒錯したサイケデリック・ブルーズが、サウンドに時代を超えた魅力を与えている。(飯島直樹)

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