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JAHTARI FEAT. DISRUPT & SOOM-T
 
Interview by Hajime Ohishi / Photo by Naoki Seo
 

 ドイツのライプツィヒを拠点に唯一無二の"デジタル・ラップトップ・レゲエ"を作り続けるJahtariレーベル。日本では昨年Rudimentsからリリースされた2タイトルが話題を集めた同レーベルの主宰者Disruptが、女性MCのSoom-Tを伴って初来日を果たした。日本各地で熱狂を巻き起こした2人に話を訊く。
  
●ヤン(Disrupt)の生まれはどこですか。
Disrupt(以下D):旧東ドイツだよ。97年にライプツィヒへ移ったんだ。
 
●もともとはガバ(デジタル・ハードコア)を聴いてたんですよね。
D:あとはデトロイト・テクノとか。それからベーシック・チャンネルの音源にハマっていってね。当初はエレクトロニカやブレイクコアをやってたんだけど、ミキサーやサンプラーなどの機材を買う金がなくて、コンピュータを一台買うほうが安上がりだと思ったんだ。そのなかでレゲエがフレッシュに感じるようになってきて、そうした嗜好性を統合した形で2004年にJahtariを立ち上げたんだよ。
 
●そこで言うレゲエとはどういう音源?
D:最初はチャンネル・ワンとかワッキーズみたいな、あまりエレクトロニックではなくダブ的なもの。その後、ジャミーズみたいにデジタルなものに惹かれるようになったんだ。その頃はスタジオ・ワンの "Drum Song"リディムをデジタル・リメイクしたりしてた。最初にリリースしたのは「International Karate」というゲームのレゲエ・ヴァージョン。80年代の8ビット・コンピュータ・ゲームのリメイクだね。
 
●ガバが好きだったヤンがチャンネル・ワンとかワッキーズに入れ込んでいったのが面白いと思うんですよ。
D:そうだよね(笑)。ただ、テクノとダブは結構近いと思う。いくつものレイヤーが重ねられていて、ヒプノティックという意味でね。
 
●Soomの生まれはスコットランドのグラスゴー?
Soom-T(以下S):そう。母がシーク教徒で父がヒンドゥー教徒なんだけど(どちらもインド系)、母のバックグラウンドであるパンジャブ、父のルーツであるニューデリーに住んでいたこともある。パンジャブはバングラの生まれた場所でもあるけど、私も影響を受けたわ。バングラはレゲエとも通じるところがあるから。音楽活動を始めたのは、14、5歳からやってたJoey Meets Rezorっていうパンク・バンドが最初。ナイトクラブでMCとしての活動を始めたのは17歳ごろね。そのころからオールドスクール・ヒップホップが大好きで、当時の私はその手のMCをやってたのよ。あと、ママも歌うのが好きでね、家で古いパンジャブ・ソングをよく歌ってたわ。
 
●Soomはヤンの音を初めて聴いた時にどう思ったんですか?
S:"いくらなんでもガバ過ぎる"って思った(笑)。ま、それは冗談。彼はMungos Hi Hiに紹介してもらったんだけど、私は単なる四つ打ちだと退屈に感じちゃうほうだから、ヤンのトラックは刺激的だった。まったくフツーじゃなかったから。
D:サンキュー(笑)。
 
●Jahtariの音源には、社会に対するアイロニーがあるように思えるのですが。
D:そうだね。例えばUKのデジタル・ルーツにはもの凄くシリアスなものが多いけど、ジャマイカの音源は苦しみのことを歌っていても、どこかユーモアがある。それらに影響を受けているからね。
 
●Soomさんの、MCとしてのメイン・メッセージは?
S:そうね......(一気に口調が熱くなり)"くだらない人間になるな、良き人間であれ"。TVコマーシャルにダマされるな、馬鹿みたいなポップ・ミュージックにダマされるな。金儲けばかり考えてるようなメジャー・アーティストのフェイクなメッセージなんかに耳を傾けるべきではないし、子供たちには、ストラグルを歌うような本物のアーティストのメッセージを届けるべきだと思う。Don't Be An Asshole、シンプルなことよ。
 
●アンダーグラウンドであり続けることにこだわりはあるんですか。
S:他人がどう呼ぼうと勝手だけど、自分たちがセルアウトしない限り、アンダーグラウンドだろうとオーヴァーグラウンドだろうと関係ないわ。
D:ただ、Jahtariはインディペンデントであることにこだわりを持っていて、自分たちですべてをコントロールし、決定する権利を保持し続けたいと思ってるんだ。誰かに"これをするな"とかサジェスチョンされることなく、自分たちがやりたいことを続けていくべきだからね。
S:本物のアーティストとレーベルはミッションを持ってると思う。セルアウトすることなく、自分に正直であること。そしてリスナーに対して正直であること。
 
●Jahtariの音源はジャマイカのスタイルをコピーすることなく、オリジナルであり続けています。一方では、ジャマイカの模倣に終わるアーティスト/サウンド/レーベルも多いですが、彼らについてはどう思いますか。
D:ドイツにもジャマイカのスタイルを模倣しているサウンドはいるけど、あまり好きではないね。僕はドイツの工業地帯出身だから、ジャマイカのゲットーのことを言われてもピンとこないんだ。その意味では(今回の招聘チームのひとつであり、Rub-A-Dub Marketらを擁する)Part2Styleクルーには共感するよ。ジャマイカの真似ではない、独自のスタイルを指向してるからね。
S:最初はアメリカのラッパーに憧れるものだと思うけど、ハスラーでもないのにギャングスタ・ラップの真似をしてもしょうがないでしょ? 等身大の自分の経験を歌うことが本物のアーティストだし、それこそが表現者のミッションだから。

 

"Jahtari Presents...Leipzig Dub"
Killer Bong & V.A.
[Rudiments / RMT-CD01] 
 
 
 

"Jahtari Presents... Asteroid Dub"
V.A.
[Rudiments / RMT-CD020]

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