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EELMAN
 
Interview by Norie Okabe / Photo by Tsuyoshi Otsuru
 

 魂のメッセンジャーEelmanがSpace Works、ウンチャカ、正村和也(Alps Bad)など多彩なトラックメーカーと組んだセカンド・アルバムを完成。所属するSunny Side Recordsの社歌「Sunny Side」や、代表曲「Simple」の鈴木潤とのピアノ・セッションなど、渾身の名演が目白押し!
   
 "変えるのさ音楽が/そう争いはもうたくさん""今だからこそ言うよハッキリ/全世界中の武器を楽器に"----この言葉の熱は字面じゃ伝わりにくいだろうが、この人が歌うのを聞けば、きっと究極に心が震える。
 
 Eelmanの最新作『wEE Love MUSIC』が、なんだかちょっとすごいことになっている。冒頭の言葉は、作品の幕開けを飾るアコースティック・チューン「I Love Music」のリリック。「はみ出し者だった自分を音楽が救ってくれた」という昔話から、「One Love Peace Concert」でボブ・マーリーが起こした歴史的アクションのエピソードまで盛り込み、音楽の素晴らしさをストーリー・テリングで訴えかける本曲は、資料に書かれた"命がけ"という表現も大げさではないと思わせる、Eelman特有の"真剣勝負"を目の当たりにする仕上がりだ。
 
 ウンチャカ(Nodatin、Yayobooの夫婦ユニット。長男Seaiも参加)の演奏もまたすごい。「プリプロのセッションのときから"これはとんでもない曲になる"という確信があった」と本人も語るほど。Eelmanの感情の起伏と呼応する3人のエモーショナルな演奏は、主役が放つ言葉の力を一層強いものにし、リリックのドラマに奥行きを与える。
 
 「まだボブもレゲエも知らない時、例の党首2人を握手させる映像を見たんですよ。その時、なぜかわからないけど涙が出てきた。そういう瞬間って、生きている中のいろんなシチュエーションでありますよね。自分は、そういう一瞬、そういう感情を歌にできたらいいなと思っていて。この曲は、まさしくそれ。音楽でクラったときの自分を思い出して作った曲です」
 
 トータルプロデュースは、前作同様、SEIJIman。「言葉にはしないけど、"前作を超えよう"という共通意識があった」という本作は、リリックもフロウも、一層解き放たれた印象を受ける。
 
 「より"素"の自分を出せた感じがしますね。それは周りの人がガッツリ支えてくれているおかげ。前作で、初めてSEIJImanと組んで、その結果間違いない仲間を見つけたって思えた。だから俺は自分のメッセージに自信を持って、大声で歌えているんですよね。フロウに関しては、今回は特に歌モノもあればラップのフロウもあるし、幅広い色を出せたと思う。自分が通ってきたロックやヒップホップは、今も自分の要素としてあるものだし、レゲエのフロウだけに固執するつもりはないんです。自分を制限せずに、常に可能性を追求していたい」
 
 「レゲエは嫉妬もネガティヴも燃やすもの。いがみ合ってる場合じゃない」と警鐘を鳴らす「Unity」、「伊豆下田という大自然に住みつつ、都会ともリンクがあって、双方を知ってる自分だからこそ書けた曲」と語る、自然との共存のあり方を問う「Country Soldier」など、コンシャスなチューンがずらり。
 
 「俺は、不安や喜び、悲しみ、自分の中の感情すべてを音楽でコントロールしてきたんですね。今回のアルバムは、そういう生き様をとことん吐き出せたと思う。テーマは、『音楽は、皆で奏でる"愛"言葉』。音楽の素晴らしさを皆で共有したいんですよ」
 
 シンプルなメッセージは、ときに陳腐になりがちだ。しかし、Eelmanには、ありふれた言葉でなく自分が体得した言葉で、見せかけの感情でなく魂のままに、シンプルなメッセージを歌える才能がある。真に"音楽で変える"ことができる人というのは、きっと彼みたいな人のことを言うんでしょう。

 

"wEE Love MUSIC"
Eelman
[Sunny Side / SUNNY-003]

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