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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. Return Of The Wu / Wu-Tang Clan (Gold Dust)
WuのメインDJ=Mathematicsのプロデュース曲を自身でセレクト/ミックスした特殊なミックスCDが登場。「Respect Mine」や「Clap」のここでしか聴けないセルフ・リミックスから、自身が発表した2枚のリーダー作、Ghostface、GZA、Masta Killa等のソロ作からのレア・カットまで、エクスクルーシヴ中心の裏ベスト的な選曲に、容赦なしに被せてくるマーシャルアーツ(クンフー)の打撃音SEを含め、「初めて聴いてもそれと分かる」あの感覚に襲われる56分6秒。マニアにはマスト、かと。
 
ALBUM 
 
2. Rebirth / Lil Wayne (Universal)
銃の不法所持の罪での服役直前に発売された7作目。ロック・ファッションが最も似合うラッパーであり、最近はフロウを超えた歌をオートチューン変声で披露するだけでなく、ステージでもギターを抱えてた彼だけに本作も"ロック狙い"。実際、彼の体・キャラにギターは似合わない。しかしながら半分ギャグでやってるのだろうし、ここに馳せ参じた仲間のK.Rudolfや、P.Stump(F.O.B)、T.Barkerらも十分理解していたのだろう。彼のクルー=Young Moneyの女性メンバー達にEminemなどゲストは少なめ。それだけに「今、これがやりたかった!」という主題は明確。普通にいい曲多し。
 
3. Victory / DJ Khaled (E1 / Victor)
マイアミから世界に!をキーワードに侵攻作戦を次々と成功させてきた人気DJ/プロデューサーの最新リーダー作。自身のレーベル=We The Best Musicのみならず、デフ・ジャム・サウスの新社長に就任した彼が前2作を遥かに凌ぐ強力面子と楽曲を!と力んだ結果、「Fed Up feat. Usher, Young Jeezy, Rick Ross & Drake」を始めとするキラー・カット6曲を含むハイパーな作品が誕生。Mavado参加曲の収録こそは見送られたものの、Buju、Bounty、Bustaの三つ巴曲はママイキに。これもヤヴァいです!
 
4. More Malice / Snoop Dogg (Priority / EMI)
キャピトルのエグゼクティヴとなり、正真正銘のボス犬として君臨する彼の新作が早くも? 「余りにも反響がデカくて、もっとくれ!って声が多いからさ」(本人談)という事で、重役の権限を活かして(?)、『不思議の国の魔リス』の続編として投下される事になった、とか...。その前作からヒット中の「I Wanna Rock」にJay-Zを迎え本人のパートも録り直したリミックスを始め、Kid Cudiらとの共演曲を交えた変則的な構成ながら『Malice』として出したかった訳が解る内容。日本盤にはSnoopの指名でDS455のKayzabroが参加したヴァージョンも。

 
5. Royalty & Respect / Foesum (Sony)
LAの最後の大物と呼ばれる彼らの約4年ぶりのアルバム。あのクラシック1st『Perfection』を進化/深化させたメロ ウ&スムースなサウンドに、旧知の仲であるWayniacやBo-Roccに、揃って来日したMC Eihtらウェッサイ・レジェンドに、日本からはDS455のKayzabroやTwo-Jらを迎え、プロデューサーにはDJ 2HighにLoops、また日本独自企画としてリミキサーにLil'J、Fuekiss!、DJ Ryuukiも参加。「これぞウェッサイ!」というクルージング・ムード満点。主役2人の"ラップ力"の高さにも再注目!
 
6. In The Seach Of Stoney Jackson / Strong Arm Steady
(Stones Throw)

Stones Throwよりまたも予測不能な好タイトルが! 当初はXzibitのクルーとしてシーンに登場した鬼ラップ・チームと、異才Madlibのガチンコ・コラボ作、というのが本作の売り。Phil The AgonyとKrondonのデュオ・スタイルのSASは、Talib Kweli率いるブラックスミス所属であり、ここにもそのTalibが登場するのだがその彼とも仲いいMadlibはSASの「Clean Up」のトラックも担当していただけあって、不和な印象はゼロ。ゲストも大勢のお楽しみ盤。
 
7. The Stimulus Package / Freeway & Jake One (Rhymesayers)
ロカフェラを離脱後も、ソロにユニットにとマイペースで活動する重量級のハードコアMC=Freewayの新作は、何とライムセイヤーズから。アングラから、50cent周りのメインストリームまでにサンプリング・メソッドの効いた珠玉のビートを提供してきたシアトルのトラックメイカー=Jake Oneの1対1で制作された本作は、両者の持ち味が確実にプラス方向に出た好作に。Jake Oneのリーダー作等で過去に絡んでいる両者だけに、ヴィンテージ・トラックを中心にサウス風、R&B路線までを無理なくブレンドし、死角はない。財布式のパッケージも最高。
 
8. Swordfish / "E"qual (Tearbridge)
"E"qualの通算6作目のフル。日本で最もUSのロックスター路線が様になり、いやそれを確実に日本アレンジで表現する代表格となる彼だけに、今作もヴォーカリゼーション、サウンド共により新しい領域へと踏み込んだ独自の作風。Hi-D、Mihiro、F.O.H.、宏美、來々、Sygnal、蝶々、話題のCity-Aceに彼を含む新勢力=Dopeboysといったゲストに、AK-69仕事でお馴染みのNatoに、DJ 034&Growth、Bach Logic、High Speed BoyzのギタリストJunchi.に、"E"qual本人という制作陣もフル回転。
 
9. The One / 1-Kyu (KSR)
NCBBの第3章突入に続き、"北のトリックスター" のキャリア初の単独フル作。高松で生まれ育ち、現在の地元=札幌に骨を埋める覚悟でヒップホップに命を賭けた彼の人生観は、本作の随所に滲み出ている。真冬のSPに似合うハードでバンギンなNYサウンドから、サウス、ウェッサイ、そしてダンスホールまで、1-Kyu好みの音を用意したのは、Spock、Lil'J、Jun Tha Finest、E-Bukiら"北のAチーム"。NCBB以外にもSuiken、遊戯らとのコラボもあり、1-Kyuのヴァーサタイルな魅力が全開に。マスタリングを担当したトム・コインが「トータルで凄く良かった!」と電話してきた、という逸話もアリ。
 
10. Rize Again / B.I.G. Joe (Triump)
6年間の豪州での拘留生活中に2枚のアルバムやコラボ作を発表したMic Jack Pro.の創始者の帰国後初の作品。自問自答と、遠く離れた外の世界を想って歌われたリリカルな前作は高い評価を受けたが、"外の空気"を浴びながら録った本作は良い意味で開放的で、これが今の彼の姿をストレートに捉えたもの、なのだろう。DJ Baku『The 12Japs』にもそれぞれ参加したNorikiyoに、ラップ・ジニアス=Twigy、盟友IniやSoulheadのTsugumi、注目のMad Kohが参加、プロデュースには北が生んだ大物dj honda、リリカルな音世界を操るBunにMichita、イケイケのSky Beatz、北のレジェンド=DJ Seiji等。
 
11. Grindhouse / T-es a.k.a. Jugameman (Focus)
どーかしてるぜ! 大阪に根を張るMMTのチーチ、いやジョン、いやエロ・グラサン&ロン毛のT-esが濃厚なソロを、○○禁止の張り紙前の電柱に"見せ付けるように"ドゥロォ〜ップ! ホント、この男=アホウですわ! 但し"愛すべき"という形容詞の付く...。ヒップホップ=深夜のB級専門映画館、そして自分のラップを敢えてB級ラップ、と例えるそのセンス。そして、何モノにも縛られない"アイアン・ハート"を持つドMなスタイル、でも実は社会に向かってチャックの中から「いいこと」言ってる男。制作にNaoTheLaiza、Vaxim、DJ A.K、Choke SP、Smog Zombie、Ragsix他、共演に4WD、Smoking-P、Hidaddy、Ko-Ji Zero Three、Wolf Pack、Jazzy Blaze、B-Boogie、Urali他。何が飛び出すか本人でさえ判ってない闇鍋作品。ごっそさん!
   
12. ZZ / ZZ Production (P-Vine)
「ワルでもない、サグでもない、ハスラーでもない、ギャングスタでもない、ついでにカリスマでもない、イケてない... でもリアル!!!」(資料より)。そんな逆風をも焼肉屋裏のしずる"そよ風"に変える、兜を被り忘れた侍たち=DJ Kazz-Kやサイプレス上野らを擁する総勢12名が、これが横浜非通知 (184045)スタイルだ!と鼻息荒げて作ったアルバム。冒頭曲で、こんなにいらないガヤの多いマイクリレーって!?って思うなかれ! "〜過ぎる"事こそが彼らの美学。そして、文系と体育系のニッチをキープ。「"ダブルゼータ"と読め!」そして、全ての森羅万象に、ビガップ!

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