MUNEHIRO
JAM
Interview by Nobuhiko Mabuchi / Photo by Hal Kuzuya
アルバム制作を開始した直後に子供を授かり、人生の大きな転換期を迎えたMunehiro。母親になる自分の気持ちを繊細に綴った曲から今まで通りの現場チューンまで、彼女ならではの作品に仕上げてきた。出産直前のMunehiroをキャッチし、電話取材を敢行。
●子供を授かったことは、当然ながら今作の制作に大きく影響したようですね。
Munehiro(以下M):このアルバムに入ってる「Maternity March」然り、「Baby Baby Baby」然り、妊娠してから優しい曲が書きたいって気持ちが自然に出て来た様に思います。攻撃的な曲や、激しいダンスホールより今回は比較的優しい曲が多くなった様な気がします。
●聴く音楽にも変化が?
M:ありましたね。イケイケのダンスホールよりもラスタ系のアーティストやR&Bが心地よく感じました。そういう影響が作品にも表れていると思うので、お腹にいる赤ちゃんと共に出来上がったアルバムやと思います。
●今作のジャケットの写真にも想い入れがあるそうですね。
M:ファッションにしてもメイクにしても、子供産んでも変わらないって宣言です(笑)。母親になったら大人しくならないとダメみたいなイメージがあるけど、そういうのも覆したいと思って。
●タイトル曲をはじめ、今作にもしっかり現場チューンは収録されていますしね。
M:私が現場に行くようになったのもレゲエを歌うようになったのも、ただ単に楽しいからってシンプルな理由、ただそれだけ。とにかく楽しもう、それで全部解決やって、私の根本的な部分を曲にしたのが「Jam」です。
●トラックはBaile Funkの要素が入ってますね。
M:メッセージ性の強いカーニバル音楽で、そこはレゲエに通じるところがあるような気がして興味があります。相性がいい音楽なので、この先もBaile FunkはMunehiroサウンドに取り入れていきたいジャンルのひとつですね。
●他には既発コンビネイションが2曲、ヒップホップ・サイドからVerbalとSphereとの楽曲が収録されています。
M:東京はヒップホップがアツい街で、ストリートで遊んでたらヒップホップの人とのリンクが自然にできました。この2曲がアルバムに入ることで、東京を表現できた気がします。
●加えてレゲエ・サイドからは「悪だくみShow Time ー続編ー」でLife-Gが参加。
M:彼らは横浜のDeeJay3人組でかなり現役イケイケです。アルバムの中での一番ハードな曲が作りたくて彼らにお願いしました。自分の活動も現場が欠かせないし、レゲエを知った入り口はかなり濃い所からなので、こういう曲、今後もMunehiroには欠かせないです。
●出産後の音楽活動などはどうなっていくんですか?
M:しばらくは仕事もライヴも思うようにはできないと思うんで、子供が育つまではがっつり母を楽しもうと思ってます。もちろん歌は歌っていきますけど、母親になって何を感じるかはまったく未知です。でも、その時の自分に素直でいたいって気持ちはずっと変わらないと思いますね。
●お母さんになったMunehiroも楽しみですね。
M:はい! Super Mamaになります。
"Jan"
Munehiro
[Universal / UMCF-9525(初回盤)]