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REILI
　
Interview by Thunder Killa / Photo by Takumi Mastubara (Machiya Studio)
　

　90年代初期からCrystal Movementにおいて印象的なメロディ・パートを唄っていたReiliがその活動の集大成ともいえる1stアルバム『Sound Of Freedom』を完成。現場に密着したサウンドとストンと心の中に潜り込む歌が気持ち良い。V.I.Pスタジオにてインタヴュー。
　
　継続はやはり力となるのだろう。そんな言葉が思い出されるのも、マイクを持って18年、Crystal Move-mentの作品から約５年振り、ソロとしては初（！）となるReiliのこのアルバムに参加した豪華な制作陣やゲストであり、しかも本人との関わり合いも古いV.I.Pからのリリースという事。いや、それにも増してこの豪華な布陣の中、軽やかに、楽しげに歌いあげるReiliのパフォーマンスに新鮮な驚きを感じたからだ。本作はその長きに渡る彼のキャリアの中、様々なアーティストやレーベルに依頼されて参加した数々の作品と、そこで広げられたコネクションが見事に作品の形で昇華された、初作品でありながら代表作と呼ぶに相応しい内容だ。とは言え本誌にも久々に登場との事もあるので、まずはその長いキャリアのそもそもの発端から。
　
Reili（以下R）：きっかけは（外苑前にあったクラブ）アフロマニアですね。そこでCrystal Crewっていうラバダブ・セットがやってて、クルーのButcherやRagga-Gと知り合ったんです。東京に出て来た年だから91年かな。最初はセレクターになりたくて。でも、歌を唄う奴が欲しいって言うんで転身しました（笑）。
　
●そして活動が後にCrystal Movementとしてのメジャー・デビューに繋がる訳ですね（Def Jam Japanより04年『Tha Dope Project』をリリース）。
R：この頃はもうセレクターはAsian Starで、歌い手はButcher、Ragga-G、Zari、Reiliって体制でしたね。で、06年に解散しちゃったんですが、その直後から卍Lineのライヴ・サポート・シンガーも始めて、V.I.Pとも本格的に仕事で接するようになったんです。
　
●卍Lineとの仕事の中から派生したのが、97年の「Love Reggae Music」のセルフ・リメイクですが。
R：７インチでリリースしたんですけど、それよりずっと前から唄ってた曲なんですよね。卍Lineのファースト・アルバム（『卍Line』）に「Kono-Oto」って曲があるんですが、オケが「Love Reggae Music」と合うからずっとコンビネーションしてたんです。それでKang Dong君に頼んでオケもちょっと変えてもらって、「Kono-Oto」と共通のオケにしてみたんです。
　
●制作陣の中でも目を引くのはDJ Yutakaが３曲で参加していていますね。ヒップホップ／R&Bテイストな曲の仕上がりの良さは流石にしても、驚くのはRagga Yutaka名義のレゲエ・トラックの新鮮さです。
R：これも04年にV.I.Pの『Dazzlin' Gold -Ina Dancehall Style- 01』に参加したのがきっかけですね。今や師弟関係というか（笑）。当然ヒップホップの人なんですけど、ラガマフィンなヴァイブスが凄い出てる人なんですよ。で、そのYutakaさんにレゲエのオケをやってもらうんなら...って事で、僕がいつも使ってる「いくつになってもラガマフィン」って言葉を広げて曲を作ったんですが、もっとラガにしようと思ってRudebwoy Faceも呼んで作ったんです。
　
●他にもBlack ChineyやBobby Digital制作オケ等々聞き所も多いのですが、やはりStephen McGregorを起用し、ゲストにDeliとAsian Starを向かえた「夜民"Yamming"」は出色の出来ですね。
R：あえてシンガーの僕の方じゃなくてラッパーであるDeliの方にオート・チューンをガンガンかけてみたんです。このオケを使った楽曲が他にもありまして、今回大変お世話になったV.I.Pレーベルから次に出るコンピ・アルバムに収録されるんですが、それの第一弾の曲でもあるんです。
　
●最後に本作のテーマや聞き所をお願いします。
R：長くやってきた事をこうして形にするにしても一人で全て出来た訳じゃなくって、色んな人の力があってこそ。そんな人達のお陰でここまでやり続けてこれたんだ、ってところを見せたくって。笑えない事の多い時代だけど、俺達だけでも音に乗ってずっと笑っていたいですね。