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Review by TAKASHI FUTATSUGI
 
 
MIX CD
 
1. King Of Diggin' 〜Diggin' OST〜やさぐれファンク番外地編 / Muro (Octave)
Muroの10年一発目は何とHotwaxとのタッグ企画による日活、東映、東宝の70年代ピンキー・ヴァイオレンス映画のMix CD! 彼が以前、Hotwaxで7インチの復刻、リ・エディットの仕事をこなしていた事実を知ってる人や、XXXL名義での"和モノ・セット"で踊った事がある人は、このオフィシャル・リリースの有難さが良く分るのでは? そう「世界屈指の漆黒の指が掘り当てるのは海外の音源だけでない!」。King Of Diggin'を冠した初のオフィシャルMix盤というのも解せる、海外発信に相応しい、ヤバ過ぎる純国産のレア・グルーヴの嵐!!
 
ALBUM 
 
2. マニフェスト / Rhymester (Ki/oon)
三銃士、動く! 約4年ぶりのアルバムは、Bach Logicが手掛けた先行シングル「Once Again」に続く、彼らにしては珍しく外部プロデューサーとのケミストリーという新機軸も効いたラップ・アルバムに。サウンド面では、その他Maki The Magic、DJ Watarai、DJ Mitsu The Beats、Evisbeats、DJ 大自然に、新鋭Monkey Sequence.19、そしてDJ Jinがトラックを用意し、指揮を執ったのはMummy-D。創意K.U.F.U.の賜物のテーマ、ライム、フロウ、タッチ・ワークもZeppin'で、 こんなの待ってました!と溜飲を下げるファンも多いはず。
 
3. De Javu Of The 6Men / N.C.B.B (Victor)
North Coast Bad Boyz改めN.C.B.B。その新章突入を掲げた3枚目のフル。札幌からその名を響かせる彼らがここで拘ったものは言うまでもなくヒップホップ、しかもバリアフリーな...。あらゆる現行USスタイルを呑み込みつつ、そこに"ダーティ・ノース"な味付けを施したビートは、全てをまとめるSpockに、Lil'J、N.C.B.BのDJ兼Rec担当のJun Tha Finest、19歳の天才E-Buki、更に横浜よりDJ PMXによるもので、アップからバラードまで「伝える事」を意識したチームワーク抜群の聴かせ方を展開。
 
4. The Bible 4 Survival / Deli (Cutting Edge)
『24』以来、4年ぶりのソロ。ジャケに写るのは「アダムズ・アップル」なのだろうか? ならば彼はここで"既成概念化したヒップホップ像"を壊して、新たなるものとして再構築しているのだろう。これ迄にも客演等で披露してきたオートチューン・エフェクトを利かせた歌ラップがあちこちで聴けるのは、YouTubeで既に公開されていた泣けるあの曲とあの曲が好きな人なら嬉しい限り。誰にでもある歴史的な記念日を讃え、感謝する暖かいリード曲や、友人との最期の電話越しの会話、喋り声ラップ(=Suiken)との品定め話に親目線ラップ等、リリカルでアイデア満載の曲ばかりのコンセプチュアルな1枚に。

 
5. Street Madness / Mikris (The Dog House )
前作『M.A.D』以降、夥しい数のミックステープ・アルバムを出している千葉代表=Team 44 Bloxのマッド・ドッグ=Mikrisの、そこで披露された録り下ろし曲をフル・サイズでまとめたスピンオフ・アルバム、またはベスト的新作。話題のダー ティ・チーバな「Community Music」に、語りの"重さ"が胸に響く「Badnews」、ヒップホップと出会い夢中になり始めた頃を回顧した「Classic 90'」等、"Mikris節"が冴え渡った曲を15曲厳選しただけあって、そのスプラッター・ヴォイスと芯のある主張にヤラレ ルばかり。次=『M.A.D 2』はどうなる?
 
6. "Yumenokakera"-Piece Of Dream / Smith-CN (Backyard)
Seedaがサポートする1stアイテムは、Deliが提唱したTeam 44 Bloxコンピにも参加したEssencialのSmith-CNの1stソロ。茨城県守谷市をベースとするBackyardの看板となる彼は独特のハイトーン声で、やさぐれ感のあるドランカーっぽいフロウと、センスある言葉選びでグイグイと聴かせる。『キッズ・リターン』に照らし合わせた曲もそうだが、喜怒哀楽のバランスも見事で、Bach LogicやHiroshima、D.Focisに、付き合いの深さが感じられるI-DeA、Ohld、Jashwonらの音の援護も。DVD付き。
 
7. Up To U / Franken (Rcok Solid)
Bomb Skillでの活動でも知られるFrankenが、ミックステープ・アルバム『Tokyo Fight KlubVol.2』 から約1年半ぶりとなるソロ名義でのミニ・アルバムをドロップ。言葉も意味も明瞭なフリースタイル巧者として知られる彼だけに、所属するRock Solid のDJ Cashと、D.Focisが繰り出すハードなトラックに、ガンガンと速射砲スタイルでスピットする姿はハイエナジーなステージそのもの。客演にはMikris、Luck-Endの寿、青森三沢のKen-Ryw、実兄Si-Rude、Shizooらが駆けつけ、その温度も最高潮に。
 
8. C.O.L.D. / Ice Dynasty (Tokyo I.C.E.)
渋谷に根を張る「死角ゼロ」集団、Ice Dynasty。G.Oのソロ、Raw-T監修のコンピ、そして数々の客演仕事を挟み、2年3ヶ月ぶりとなる2ndが完成。エグゼクティヴ・プロデューサーにGunsmithの切れ者318を迎え、彼以外にもLucha、Bach Logic、Uta、Buzzer Beats、Skybeatz、Lil'Ogi、Jigg、D.Focis、Jashwonといったトップ・クリエイターたちが集結。そんな現行サウンド に負けない5MCスクランブル・スタイルでキラリと光る○キャラットのラップ・センスを披露。まさに力作。
 
9. Amanbman / DJ A-1+Basi (韻シスト) (Spin Scaanlous)
関西が生んだスキルフルなDJ、プロデューサー=DJ A-1と、同じく大阪発のヒップホップ・バンド=韻シストのマイクに飢えた永遠の"少年B"=MC Basiが1対1で挑んだ、Rawな事この上ないラップ・アルバム。「昨日の出来事や、さっきあった事すら目の前で速攻料理するシェフ」に対し、A-1は「ラップが巧くなければ光らない」シンプルかつドープなビートを投げまくる。ボクシングのミット打ちの如くバシバシとビートとライムが響きあう...そんな基本に帰った様なヒップホップ馬鹿の世界は、この2人だからこその魅力に満ちている。
 
10. Nap Trap! / DJ Napey (Soul Plume)
まだ作品数が少なかった'00年代初頭の関西シーンで『Ill Finger』('03)というプロデューサー・アルバムをリリースしていた鬼才DJ Napey。生まれ育った街=神戸からの発信に拘る彼のイルな指先が仕掛けるこの4作目のリーダー作は、幅広く懐かしくも斬新なネクスト・レヴェ ルの3D音像で貫かれたもので、本人が"First Call"で決めたキャスティングも見事だ。DaboとJazzy Blazeというありそうでなかったコンビ曲を筆頭に、Ryuzo、Erone、Ice Bahn、Youngi、神門、Coppuら多彩な面子のカラーが交じり合ったディープ・セッションの連続。
 
11. 自主規制 / Kダブシャイン (Warner)
昨年はR.A.Pでの活動も活発だった真の社会派=Kダブシャインの新曲、そしてレーベルの枠を超えて集められたメッセージ・ソングのみのニュータイプ・ベスト。気になる新曲は、'08年に渋谷区の成人式で歌った「新しい時代へ」、仮定法で言い切る「マニフェスト(オレなら)」、臭い物に蓋する風潮を引っぺがした「自主規制」の3曲、また今回初CD化となる映画『それでも生きる子供たちへ』の応援ソングに、少年犯罪の犠牲者のデモから故人の肉声を活かして作られた「今の世の中 feat.ケンタS」に、自己名義作以外でもMr.Beatsのアルバムで実現したCrazy Ken、盟友=宇多丸とのコラボ曲や、『凶気の桜』のサントラ曲までを網羅した特濃内容。
   
12. Absolutely Bad〜日本語ラップ黄金期セレクション外伝 / V.A.(Compiled By DJ Bobo James a.k.a. D.L.) (Bad News)
"イル伝道者"視点のコンピの第3弾。ハードコア、メロウ...という自ら課した"お題"を元にセレクトした前2作と比較すると「今までで一番フラットに好きな曲を選べた」という本作は、伝説のジャズ・ファンク・バンド=Cool SpoonとShakka Zombie、四街道Nature、Kuro-oviのセッション曲のIllisit Tsuboiリミックス(ECDも自著『いるべき場所』で絶賛)といった今ではレア中のレア曲や、D.L自身「絶対注目されるべき!」と語る金沢のIll Tecnix、またスチャダラパー、キミドリ、Buddha、Lamp Eye、Ill-Bosstino、M.O.S.A.D.、NitroにSeedaと、やはり普通じゃないセレクション。

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