Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
1. Mavado / Sting Dem (Big Ship)
キックとベースがアグレッシヴにアタックするオリジナル・ジャグリン・トラック "Outbreak"。必要にして充分なだけの限られたパートで構成されたソリッドなトラック。ミックスも素晴しい。文句のつけようがないクールなサウンド。凶悪ガンマン・リリックス。
2. Aidonia / Wi Sick (Big Ship)
"Outbreak"。Suvertuとのコンビネーション。誰が相手でも、何処であってもぶっ放すガンマン・チューン。凄まじいスキルを見せつけるAidoniaのDJ、いかつい攻撃的なミックス、共にキレキレです。強烈な1曲。
3. Mr.Vegas / Sell Out (DJ Frass)
シンセ・ストリングスとスクラッチのサンプリングがアクセントのオリジナル "Survivor"。シンプルなリズム・パターンは最近珍しいタイプの直球なダンスホール・ビート。アメリカ人が制作した様な音、って言うとニュアンスが分るかな? "Good Life" 似でもあります。プライドのない男達を攻撃するチューン。
4. Merrital Family / My Money Haha (Tad's)
キャッチーなリフレインで大ヒット中。オレは金がどんどん手に入ってリッチだぜって内容をユーモラスに、巧みにライミング。Bad Mindな奴ら、あいつらは金に困っているぜ、ハッハと嘲笑っています。スローな、しかしダンサブルなトラック "Go Go Club" 使用。
5. Vibez Kartel / Go Go Club (Tad's)
(4)と同じトラック使用。ブットい重厚なベースラインとヒップホップ系ビートの組合せ。派手さは無いが、これがまた癖になるサウンドなんです。チェンジ・オブ・ペースを効かせたKartelのDJが全体にメリハリをつけている。超ストレートなセックス・リリック。
6. Mavado / Gyal Ova Gun (Armz House)
暴力や抗争に明け暮れるのは止めにして女達を愛そうぜ、という内容。アンチ・ガン・リリックスでもありますね。オーソドックスなシンセ類の中、リズムパートの小気味よさは出色の出来映え。目立たないけれど、メチャ格好よいですよ。オリジナル・ジャグリン "Double Action"。
7. Busy Signal / Dance The Night Away (Washroom Ent)
80'sエレクトロ・ポップにディスコ風味をプラスした様なオリジナル・トラック使用。ノー・クレジットですが、Voice Mailとのコンビネーション・チューン。で、前半はそのVoice Mailのオートチューンでエフェクトをバリバリかけたヴォーカルが大活躍。おもむろに登場するBusyのパートもポップでナイスな娯楽作。
8. Ding Dong / Money Pull Up (Gold Spoon)
オリジナル・ジャグリン "Money Pull Up"。エキゾチックなシンセを大胆に配した独特の音作り。一風変わったヒップな音がたくさん散りばめられたサウンドで、Linksの声もサンプリングされています。金をたくさん持っていると好きな事が何でも出来るんだよな、という曲です。
9. Elephant Man / Party On Tonight (Techniques)
このレーベルからこんな新譜が出るとは驚き。リズミカルなハンドクラップにメロディアスなキーボード。つまり "Diwali" 似のジャグリン "Europian Swing"。タイトなビートとアグレッシヴなアレンジがナイス。現在進行形の好トラックに仕上がっています。パーティ・アンセム。
10. Queen Ifrica & Perfect / Natty Fi Grow (In The Streetz)
2004年にリリースされていた曲のリミックス。Perfectの力強いシングジェイもプラスされていて最高です。トラックはStranger Coleの名曲「Bangarang」をリメイク。躍動感に溢れたサウンドで、歌メロは「Jamaica Fairwell」を流用。ライチャスなラスタマン・チューン。
11. G-Whizz / Life (Tad's)
昨年の大ヒット曲ですね。スムーズかつ洗練されたR&B系のオリジナル・トラック "Mood Swing"。ゆったりとした作りなのに緊張感ある仕上りで、どんなアーティストにも合いそうですね。これから先の事を悲観せず、日々頑張って生きていこうとメッセージ。
12. Jah Cure / Protect You Like A Soldier (Live Up)
君のことはオレが守り抜いてあげるよ、と彼女に切々と訴える歌。しゃがれた歌声はいつも通りですが、幾分抑えめなのが良い感じです。センチメンタル&メロディアスなギターとコンサバなキーボードを配したミディアム・トラック "Stronga"。
13. Etana / Heart Broken (Necessary Classics)
これはドリーミーなシングルですよ。Gussie ClarkeプロデュースのMusic Worksの名曲「Worth Your Weight In Gold」(Delroy Wilson)のリメイク・トラック。と言うか元オケをほぼそのまま流用。いつにも増して"ツヤ"のあるEtanaの歌が映えること、映えること。
14. Richie Stephens / Salt Of The Earth (Boot Camp)
ホーンがバリバリと"唄う"素晴しい "Heavenless" リメイク・トラック使用。ヘヴィにドライヴするベースラインに負けず劣らずのRichieの熱唱も堪りません。日々苦しくても懸命に努力している人への応援歌。オリジナルはJohnny Adamsのソウル・クラシック。