Day In Da West
昨年12月に待望の5枚目のアルバムがリリースされたウェスト・コーストのボス的存在スヌープ・ドッグ。タイトルは『Malice N Wonderland』(邦題『不思議の国の魔リス』)。自慢じゃないけど、僕がセッティングしたスヌープへのインタヴュー中にジョー・クールが付けたアルバム・タイトルです。今回のアルバムは、前回にくらべ断然聞きやすくて原点に戻ったような、でも新しいことにもチャレンジして余裕で乗りこなしている感が2010を意識しててすごく好きです。収録された「I Wanna Rock」は俺の友人スクープが作った曲だが、今こっちのラジオやクラブで流れまくってます。リル・ジョンが作った「1800」もかなりクラビーな曲なので、ロスを超えてヴェガスなど、どこのクラブでも盛り上がってます。サウスやNYでも流れるといいな。でも一番好きなのはバトル・キャットが制作した「Secrets」。「気をつけなきゃお前が俺に隠してることも俺に聞こえてくるよ」って"口は災いの元"ってコンセプトの曲です。ぜひ聴いて!!
このアルバムの発売日にユニバーサル・スタジオのハードロック・カフェでサイン会をやるので来いとの指令メールがきた。その日は風が強くて寒かったが、ハードロックの前には長蛇の列。さすがスヌープです。たくさんのセキュリティがリストバンドをチェックしていましたが、僕の首に付けてるDPGのネックレスを水戸黄門の印籠のように目に入らんのか〜ってな感じで振りかざすと何ごとも無くスルっと入れた。たかがGold、されど立派なID...。螺旋階段を昇り2階に上がるとPriority Recordsのプロモーション軍団がいたのでHow We Gonna Bring West Back?って軽く世間話とスヌープのネットの生放送番組にシャウトをしたりしてると無事にお客さんたちもスヌープからサインと記念写真をゲットし上機嫌のよう。その時にスヌープから「後で映画の話があるから裏で待機してろ」とのご指示が。そんなこんなで1時間以上待たされ映画の打ち合わせを軽くして、その後控えているリリース・パーティに向けてまずはフランク・シナトラのダンス・スタジオだった場所にみんなで大移動して一時待機。このスタジオにはすっげーヴァイブスの血や汗、涙がしみ込んだ歴史のあるスポット。なんと今はそこにはうす光りしてる紫の照明付きストリップダンス用のポールが...。なんか超〜エロいスタジオです。そこでは結局このアルバムに使われずお蔵入りとなってしまった名曲を沢山聞かせてもらった。
楽しい時間はすぐに過ぎてしまうもので、気がついたらリリース・パーティの会場入り時間。すぐさま車で会場まで行ったのだが、完璧なオーヴァー・キャパシティ。目の前にあるバレット・パーキングも満車で止める場所を探すのに一苦労。裏にまわりアーティスト専用に止めようと思ったら目の前にブラック・アイド・ピース御一行様!! 彼らも車を止める場所を探していて駐車料金$60も払ってた(笑)。
会場入りしたらすでに満員御礼!! 外にも人が溢れんばかり。この日はチケットを売り出して無くて完璧な招待客オンリーのイヴェント。ロス中のセレブ大集合でした。会場に入った瞬間にコメディアンのキャット・ウィリアムやファレル、西の若手勢ゲームにニプシー・ハッスル。目の前にいたティラ・テキーラはめちゃくちゃ美人だったっす。VIP席では西のARTを代表するミスターカートゥーンにエスティバン・オリオールと遭遇しシャンパンを御馳走になりました。前述の「Secrets」を作ったバトル・キャット先生とも今後のウェスト・コーストのあり方について存分に談義させて頂きました。
しかもこの日のライヴはいつもと違いちょっと豪華なラインアップでした。ドラムにブリンク182からトラヴィス・バーカーを迎え、彼を軸に構成されていつもより数倍迫力のあるぶっ飛んだ音でした。新しいアルバムから数曲パフォームした後に「Ain't No Fun」で会場が一体になりお決まりの大合唱!! 本人たちはほとんど歌わないで会場のオーディエンスに歌わせてた感じです。そこからDJクイックが登場し、西のクラシック・タイム!! 「Drop Like Hot」で入口にいたファレルが登場しお客さんはヒートアップ。ゲームも歌ったし、ニプシーも歌ったし、かなり濃ゆい感じの1時間半でした。
スヌープのこの『Malice N Wonderland』、今のウェスト・コーストを一番素直に表現されてる作品になってると思うので、しつこいようですが是非視聴あれ!!
TEXT BY DJ 2HIGH
98年に渡米後、Tha Dog Poundに参加。音楽制作の他、Blue Line Clothingも展開中。