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REASONABLE DOUBT
 
Interview by Yutaman
Photo by Masataka Ishida
 

ラッパーt-Aceがヒップホップ・シティ=水戸で3年に渡ってキープしてきたパーティ「Reasonable Doubt」が、内容そのままに1月24日(日)、渋谷Club Asiaにて開催。ニュー・ジェネレーション達のフレッシュなパフォーマンスはぜひ体感すべき。
 
●まず、水戸はどういう場所?
t-Ace(以下T):田舎過ぎず、都会過ぎず、でも、閉鎖的ですけどね。それはいい部分と悪い部分あって、流行り廃りに流されないけど、他のものを取り入れない視野の狭さもあるし。
●じゃあ、東京は?
T:東京は、みんな似ているなぁ、という感じがしますね。音楽や服装の事で言えば、勝手に枠が作られてて、そこから出たらダメ、みたいな。でもチャンスだったり、色んな人だったりそういうものはあるから、魅力的ですね。
●自分には、その水戸っぽさが、あると思う?
T:分らないですね。自分の音楽に先輩達の様な水戸っぽさはあんまりないと思いますが...レペゼンはしてますけどね。水戸って、アンダーグラウンドな、濃いヒップホップな街ってイメージがあると思うんですよ。実際、そういうヒップホップのスタイルの人達が多かったから近くで見てきましたけど、それとはまたちょっと違った、自分なりのやり方でやってきた感覚です。
●それこそ、"孤高"に?
T:誰かと一緒にやるなら、相当気が合うか、同じ感覚を持ってる人間とやらないと。例えば何かコンセプトがあって、それを伝えたくて歌うのに、そいつが違う事を伝えてたら一曲のクオリティが下がるから、それが嫌なんですよね。
 
●コンセプトをしっかり立てるのは、自然に?
T:「今オレはこう思っていて、こうしたい」とか、そういう事がコンセプトになってくるから、オレの行動と思考と理想が曲になっています。
●行動を決める時に大事なのは?
T:すげえいっぱいあるんですけど、あんまり余計な欲にとらわれないで、「いい曲を創るのにどうすればいいか」って事だけで判断をしているというか。オレ、東京に出て来ようと思ってるんですよ。「何で東京に出たいのか?」って言ったら、もっと沢山の人の前でラップしたいのと、リリックを書く要素がある街だからってだけの話で。自分の行動を決めるのは、音楽なんですよね。音楽に対して、プラスかプラスじゃないか、っていう。
●それはいつ頃から?
T:中学生で「さんピン・キャンプ」を観た時点で音楽を仕事にしたいな、って思ったんです。高校すぐ辞めちゃって、現場で働きだして、力仕事ってキツいじゃないですか。あれをずっとやってて、早く抜け出したかった。その頃からじゃないですかね。
 
●特に伝えたい事は?
T:ずっとリリックに出てくるのは、人間関係ですね。自分が大事に思っている人間と、お互い色んな事を吐き出して、ピースにやっていければいいのにって思うのに、そういかない事が多いから、そういうのに結構哀愁を感じたりする。もっと大事な事があるのになぁって。
●東京だと、そういう事が増えるかも。
T:でも、オレとかはどんどんそういう事を思っていった方がいいと思うんですよ。だから東京に興味がある訳だし。「なんだこの野郎」って思ってないと、書けないから。
●それがモチベーション?
T:それを変えたくてやってる訳だから。何か当り前になってる事を変えるとか、人を変えるのを。それをどんどん受けないと。
●リリックは、不幸な自分から、幸せそうな世間に対してのものが多いような気がする。
T:それはアルバム(『孤高の華』)のコンセプトがそうだったから。家の事とか、過ごしてきた環境に対しては、一時期まではコンプレックスみたいなものはありましたけど、今は別に、全然。そこにつまずいてる訳じゃなくて、そういう事を言って、例えばそれが、勇気づける事か分らないですけど、何か人に影響を与えられれば、と、思ってますけどね。
 
●では、これは大きい質問で、"幸せ"って?
T:(09年)1月に茨城県民文化センターっていう大きい所でライヴやったんですけど、友達だけでなく、何も関係ないけど音楽聴いて共感してくれる人とか、凄い数の人間が協力してくれたんですよ。そういう環境にいられる事、そういう人達が近くにいるって事が、凄い幸せだと思いますけどね。今も水戸でやってて、野外や1,000人規模のライヴとか、地元だと色々な事ができるし、それでもどんどん攻めて聴かせる人間を増やしていかないとならないから、そこで東京に出てライヴしようっていうのは、普通の流れだと思うんですよね。
●水戸でライヴに1,000人?!
T:県民文化センターの時は。地元だから、同年代だけでなく、別におじちゃんでもおばちゃんでも、高校生も、年齢層も幅広く、ですね。
●それはある意味、理想のかたちのような。
T:オレ、居酒屋でおっちゃんとかにも聴かせますもん。「どうなの、意味分る?」って。酔っちゃって「全然分んない」っていうおっちゃんか、後でちゃんと真剣に聴いてくれて、リリックも見て「ここはこうした方がいいんじゃねえか」とか。「うっせえよ」みたいな(笑)。
●でも、誉めてくれる人もいる?
T:ちゃんと言ってる事は伝わるから、結構そういう所で「もっとやりようがあるな」って、モチベーションになりますね。
●確かに。
T:コアな、絞ったヒップホップは、なんだろうな、あんまり好きじゃないというか。ここにしか刺さらないものより、沢山の人に何か与え評価してもらえる方が...まあ、好き嫌いだと思うんですが、作品として納得できる。
●今度のClub Asiaでのイヴェントに一緒に出るのは、昔からの仲間?
T:あんまり、イヴェントの出演者をコロコロ変えるの、好きじゃないんですよ。せいぜいここにソロでLunch(Time Speax)の2人に入ってもらったりとかその程度ですね。一昨年(Lunchの)Gocciがフリースタイル・バトルで全国区で優勝したんだけど、今回も参加するWoodsmanは、その後の水戸代表だから、勝手に期待されちゃうんじゃないですか(笑)。
 
●ライヴは1月24日だけど、東京でやる上で何か工夫とかはある?
T:最初は考えてたんですけど、東京の殆どの人達はオレを見た事がないんだから、逆に今まで水戸でやってたのと何ら変わらない方が見てる人には新鮮かな、と。今回水戸からツアーバスを出すんですけど、オレ、バスに乗りたいですね。このバスの中、絶対面白いですよ(笑)。
●地方も、東京に出てきた後、まわる?
T:みんな地方まわるじゃないですか。あれが不思議で、なんでああいう風にできるのかな、と。時間が経ったり、同じリリック何回も歌ってると、パフォーマンスは一緒だけど、そこに対する自分の気持ちが薄れていっちゃうから。『孤高の華』の場合、あんなの1週間に1回歌える歌じゃないですからね。
●でも、それこそt-Aceが好きな長渕剛も長い間歌い続けている曲があるでしょう?
T:そういう曲って、自分に必要だとも思うんですけど、でもそれって勝手になる事だと思うんです。狙ってやる事じゃなくて、自然に、オレとオレの音楽を聴いてくれる人達の間で、そうなっていく事な気がします。


「Reasonable Doubt Vol.10」
 
[日時]2010年1月24日(日)開場18時 / 開演19時
[会場]渋谷Club Asia
[出演]LIVE:t-Ace with Alps Band, Woodsman, T-P-M, Dear'Bro, 94Ghost &     Clown / DANCE : Zill Teach, Serendi-Pity, Lips, Bad Foxy / DJ : DJ Shinji
[料金]前売¥2,500 / 当日¥3,000(ドリンク別)チケッチ好評発売中!!!
[問]Overheat Music / 03-3406-8970

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