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Riddim Awards 2009
Hip Hop
 
ヴェテランの踏ん張りだけでなく水面下では新しい細胞が次々と細胞分裂を起こしているヒップホップ・シーン。西のスペシャリスト達が2009年のシーンを振り返る。
 
【INTERNATIONAL HIP HOP】
 
二木崇(以下二木):まずは海外のベスト・アルバムからいこうか。
 
DJ George(以下George):アルバムで1位、ということだと...やっぱりジェイ・Zですかね?
 
C-Rod(以下C):順当、かも知れませんね。でも、ドレイクがミニ・アルバムじゃなかったら1位かも知れないし、キッド・カディも捨てがたいし、レイクウォンも...。ゴーストや『Chamber Music』も最高でしたが。あと、何気にスヌープも候補かな、と思ってるんですよ。
 
二木:アングラ好きで知られてる君の口からスヌープの名前が出るとは!?(苦笑)
 
C:前から隠れファンだったんですけど......今年、ようやくウェッサイにも開眼したということで。ストレートなウェッサイでは、個人的にはウォーレンGが1番良かったかな。ベスト・コンピはハイパワーものの『Gangster Love』でお願いします!
 
George:確かにスヌープの新作はストレートなウェッサイではなかったですね。サウス3割?というかエリアの垣根がない今っぽさで。でも、そこが良かったりして。
 
二木:確かに。ただ当の本人は"クラシック・ギャングスタ・シット"とか言ってるけどね。まさにボス・ステイタスって感じで。
 
George:ジェイ・Zも、さすがな感じでしたよね。格が違うと言うか......ラッパーたちが憧れるのも分かります。
 
二木:実際、Georgeもよくかけたんでしょ?
 
George:「D.O.A.」とか「Run This Town」は当然のこと、アルバムからも色々かけてますね。
 
C:アリシア・キーズの新作に"パート2"が入ってる「Empire State Of Mine」は、10代をNYで過ごした自分にとってはもう...という感じのベスト・チューンでしたよ! トラックもヤバイし、まず曲としてよく出来てる。
 
George:で、その後ヤンキースもワールド・シリーズ制覇、と最高の流れで(笑)。50セントとはこの後、どうなるのかな?
 
C:50は、向こうでは完全に終わったヒト扱いですよね...。本人もラッパーよりアクターに力入れてるみたいだし。
 
George:新作、オレは結構好きなんですけどね。まあ、1stと比べたら...というのはあるけど。あと、チューン的にはグッチ・メインの「Wasted」とか、ヤング・マネーの「Every Girl」辺りをよくかけましたね。
 
二木:ドレイクの「Best Ever I Had」も良かったんじゃないの? 去年後半の流れからの2009年らしい気がするけど。
 

Kid Cudi
 
George:めちゃいい曲ですよね! あの曲をかけて反応がよかったら、ああ今日のお客さんには色々突っ込んでかけてもついて来てくれるな...という確信が持てるんですよ(笑)。でも、やっぱりBPM90前後くらいのブレイク使いや8ビートとか、その辺りのストレートな感じのものがグッときましたね。エレクトロ系ばっかりで喉が渇いてたときにオアシスが出てきた、みたいな。
 
C:わかる(笑)。一般的に"売れた"というところでは、ブラック・アイド・ピーズを避けられないところなんですが、ウィル・アイ・アムのソロはありだったんですけど、アレはどうなんだろうというか、正直カッコ悪かったな〜。来日公演も観ましたけど。
 
二木:そこまで...とは思わないけどね。確かにアルバムはほとんど聴かなかったけど。
 
George:ヒップホップ系のイヴェントでもさっぱりですよ。でも、逆にパーティ系ではウケまくる、という。フロー・ライダーもそうかな。関西では、元々はヒップホップなんだけど最近のマドンナとかエレクトロ系をメインにしてるようなパーティ系に行くと、モテるらしく(笑)、たいして音楽好きでもないナヨっちい連中がヒット・チャートの上位の曲で踊ってるとい う...。
 
C:イケない傾向だと思いますよ。2〜3年もしたら消えるだろうけど。
 
二木:確かに客層が不思議な感じになってる。何が好きなのかが見えないし。そうなると、音楽好きな大人が離れていくし。
 
George:そうなんですよ。でも、それはお客さん、というよりはDJのせいかも知れませんね。まあ、Bボーイ=イカつい!というイメージがつき過ぎるのもどうかと思いますけど、ネットで全部済ませて無駄に体力使わない、数人の理解者だけとあったかい部屋でしゃべってて、その雰囲気をそのまま現場に持ってきてるようなDJやパーティが増えたんですよね。核となる部分 がまったくないというか。以前はヒップホップだったヤツがどんどん流れてて「こっちの方がモテる!」ってノリなんでしょうけど(笑)。やっぱりヒップホップDJは、ラッパーとつるむべきやし、その点ではラッパーとヘッズの数が桁違いの東京が羨ましいかも、ですね。
 
二木:この話が他のジャンルとの比較論ではない、という前提で言っとくと"転身"するなら完全にそっち側を目指せばいい、という話でさ。中途半端はよくない、と。中途半端なDJには中途半端な客しかつかないしね。
 
DJ Tanko(以下Tanko):ごめんごめん。いや〜「サ店のドレミで」って言われたから、通天閣下の「ドレミ」に行ってしもてね。あれ、オレひょっとして1番乗り?みたいな感じで座っとってんけど、プッシャーのおっちゃんと何度も目があって、気まずくて(苦笑)。こんなところに、カフェDoReMeなんてお洒落な店あったんやな〜。あ、もう話、進んでる?
 
二木:ちょうど今、クラブ事情的な話ですね。まさにTankoさんの出番!という流れで(笑)。
 
George:ほんまですね。何せ、クラブ出没率ナンバー1やし、80年代始め、いや70年代からその辺の事情に詳しい方ですもんね。
 
Tanko:いやいや、別にそんなたいそうなことやないけど......何が変わったかと言えば、やっぱりセラート全盛になったこととちゃう? それ自体を非難する気はさらさらないけど、明らかに"音楽に金使わない/プレイする上での一手間さえ惜しむDJ"が増えたからね。
 
George:そうなんですよ! だから、シングル曲しかかけられないというか、使えない。
 
二木:Georgeとか昔からアルバムからカットされてない曲を定着させて、というヒップホップらしいスタイルやったよな。
 
Tanko:音楽に関わってる以上、そこに金使わんというのは言語道断やからね。そら、フリーDLでしか聴けないものもあるし、ネットならではのいいところは絶対にあるんだけど。ヒップホップ云々以前に、ネット社会なワケやから。でも、クラブでMP3音源とか聴かされたくはないし、そもそもタダで取ってきたものばっかりをクラブでかけて...ちゅうのは泥棒もいいところで、まだ、○○したレコードかけてる方がずっとヒップホップかもしれへんね。『Juice』やないけど。ヒップホップはそもそも、"なんでもあり"という魅力や、金のないやつもアイデアとセンス、スキル次第で勝ちあがれるもんやけど、それを悪い意味でのお手軽さと捉えられてるフシがあるよね、今は。変な意味でポップス化したし、音楽への愛がない、というかね。いくら時代が変わったとはいえ、最低限のルールはあるやろ!と。
 
二木:セラートも導入云々ではなく、使い方、というか使い手のセンスの問題ですよね。アナログから入ってる人は、"ならでは"の使い方してると思うし。それこそ今年亡くなったDJ AMとかじゃないですけど。
 
Tanko:そうそう。AMが何をしたか知っとけよ!と。ほんま他のジャンルとかが先行ってるもんね。ただ、楽やから、とかそんな理由でやってるのはすぐ分かるし。
 
C:あと、さっきは、流行のエレクトロ系の話が出てたんですけど...。
 
Tanko:同じ、「It Takes Two」使いでもBEPとスヌープのどっちがカッコいいんか?って話やん。スヌープの「I Wanna Rock」には久々にヤラレタけどな〜。まあ、4つ打ち系というか、エレクトロやトランスは、その本チャンのクリエイターやDJがやってる方がかっこいいに決まってる、って話やし。昔のエレクトロ・ヒップホップとかはまた違う流れというか。だから、その今流行の〜というラインのパーティでやってる若いDJは説得力がない、というか自分なりのプレイができないんやろね。本気でそっちを求めてるんなら、そっち側に行けばめちゃくちゃヤバいDJがいるわけやから、日本にも。それこそヴェテランの人たちは、昔のヒップホップを通過してるわけやし。で、今の流行のヒップホップはかけないわけやから。

 Snoop Dogg
 
二木:そういえば世界最高峰の動員数を誇るDJ=ティエストがスリー6マフィアの新曲をプロデュースしてましたけど、確かに出来はめちゃくちゃカッコいいんだけど、作った本人もインストしかかけないそうで(苦笑)。あと、デヴィッド・ゲッタのアルバムにヒップホップやR&Bアーティストとかがフィーチュアされて喜んでる彼のDJのファンとか、実はそんなにいなさそう、と言うか。レコード会社的には今売れてるアーバン系を入れた方がわかりやすいんでしょうけど。でも、まあ、レイブでヒップホップがウケまくる、 という時代は永遠にこなさそうですね。そっち側に寄っていっても先が見えてるというか、ドップリじゃないと意味がない。結局はラップ邪魔!というか。元からインストである意味がある音楽だし。だからそんな光景を見たP・ディディにもインストのパーティ・アルバムを作りたい!という発想が産まれたんでしょうけど。ギャグと思われて...。でも『Press Play』なんかはその辺りのバランス感覚が最高だったんですが...。そんな、例外もありますけど。あと、ボブ・サンクラーとかは、Tankoさんが言われてたみたいにオールドスクールのヒップホップを聴いて育った世代なわけだし...。
 
Tanko:じゃないと今、このご時世にシュガーヒル・ギャングとかフィーチュアせんでしょ、と。あとシャバ・ランクスも入ってたよな。そういうとこ、好きやわ〜。まあ、それは別として、言うたら悪いけど、そもそもヒップホップがダンス・ミュージックというか、ただ踊れたらOKみたいな捉え方されるのが間違ってるよね。じゃないとブレイキングなんて始まらなかったわけやし。いや、それ以上に今、違和感を感じるのは「1週目に何枚売れた」とか、やたらとマーケティングや数字のことばっかり伝えてるメディアに問題あるで! そこんとこどうなん、二木君は(笑)。
 
二木:う〜ん。個人的にはこだわらないポイントなんですけど、まあ数字で伝えるのがわかりやすい、とかあるんじゃないですかね? レコード会社的には。あとは、ゲームとしての問題というか...人気商売的な部分...ですか? でも、このラインナップにはどれだけ売れたとか、あんまり反映されてないと思います。そもそもCDの売り上げとかで言ったら、USとか人口比率からしたら悲惨なもんでしょ? それに全米1位、とか言っても、日本で数百枚くらいしか売れないタイトルも稀じゃないみたいだし。
 
Tanko:まあ、今の全米1位と、10年前、20年前のそれとは重みが違うモンね。だから、BEPが何週連続〜とか言われても、嘘でしょ?ってくらいのもんで。まあ、悲しいかな人気商売になってるのは事実やから、それによってその後の活動も変わるわけやけど、あまりにもそこだけをクローズ・アップしすぎてないかと。その価値観を押し付けられてる若いコがかわいそうや ね。
 
George:確かにヒップホップって売れてるんだ!?という感覚がまったくなかった90年代初めに聴き始めたオレなんかも違和感ありますよ。例えば、「この曲ヤバイよ!」って教えても、曲聴く前に「向こうでどれくらい売れてるんですか?」って平気で訊いてくるヤツもおるし。そう考えると、このメンバーでの座談会は意義深いと思います。あと、やっぱり、向こうの流行は細かくチェックしつつも、流行ってるという理由だけでかけるんじゃなくて、自分なりにその理由を分析して、時にはあえて無視するという姿勢も重要だと思います。そうやって、ヒップホップらしさ、というか"ならでは"のものをキープしていきたいですね。
 
Tanko:言うたね〜(笑)。ほんま頼もしいわ。Georgeもそうやけど、関西はMinamiを筆頭に、Leadとか"ヒップホップのかけかたを知ってる"いいDJが多いのは確かやから、悲観はしてないけどね。そうそう、Leadと言えばNYから流行を発信し続けてるDJ軍団=へヴィ・ヒッターズに正式加入したよな。それも2009年のニュースやと思うわ。
 
George:かなり明るいニュースでしたよね。夢与えた、とうか。ちなみにTankoさん的なベストはどの辺りですか?
 
Tanko:そうやな〜。まず、レイクォンかな? あの名作1stの続編というプレッシャーもいい方向に出てるし、ファンキーやね。こんなん待ってたで!って感じで。ジェイ・Zも言ってみればシリーズ系やけど、正直その青焼きシリーズ第1弾を超えてるとは思わん...けど、大人も聴けるし、サンプリングねた的にも久々に面白かった。グラディの「Mad Mad Ivy」使いとかもビビッたな〜。ラップもやっぱり現行キングの風格とちゃう? バランスもいいアルバムやから1位で問題ないよね。あと、滑り込みでスヌープかな。あ、あと、ブラックロックもヤバイな。コンセプトからしてキテるし、音もそうやけど、MCの選び方とか。デイモン・ダッシュ、見直したわ。そこにも入ってたモス・デフのアルバムも挑戦的、刺激的で良かったな。本当にヒップホップが好きでやってるのが良く分かるし。来日公演もドープやったしね。 KRSとバックショットのアルバムや、MOPも元気で嬉しかったな。
 
Raekwon
 
C:新人系ではワーレイも良かったですね! あとは、キッド・カディも。これでドレイクのフルが出てたら今年らしかったのに。
 
George:これも滑り込みですけど、クリプスが良かった! 音もバッチリだけど、それ以上にラップ・アルバムって感じで。
 
二木:滑り込み、で言えば、グッチ・メインもそうやね。ゼイトーベンからバングラディッシュ、ドラマ・ボーイ、J.U.S.T.I.C.Eリーグなどなど、プロデューサー陣も最高で。リック・ロスと、彼のチーム=トリプル・Cズも良かった。
 
George:マイアミ勢もイケてました。あと、メソッドマン&レッドマン、ジェイダキス、ファボラス、メイノーといったニューヨーク勢もかなり頑張ってる印象で。
 
Tanko:そう、"NYは終わった"とか日本で言ってるヤツの殆どは行ったことないんやって! まあ、それが絶対条件とは言わんけど。クラブやラジオ、あとブロック・パーティの今とか知ってたら、NYからヒップホップがなくなると思わんやろうし。サウスのヒットもNYを経由して一気に広まるケースが多いわけやから。 パワー、影響力が違う。だからこそ西海岸もそうやけど、面積や人口がもっと大きなサウスとかのアーティストがやっきになって「NY落したる!」っていう、 いい効果を生むからね。
C:期待してたティンバランドの新作はポップスに振り切ってる曲が目立ってて、正直退屈でしたね...。4つ打ち、エレクトロというさっきの話題で言えば、ピットブルのアルバムはヒップホップ的にもギリギリのラインでの傑作でした。さすがは本物のパーティ・ピープルが多いマイアミらしく。
George:確かに! かけられる曲ばっかりで。あと、よりギリギリのラインではLMFAOもアリでしたね。リル・ジョン効果もあったけど。
 
 
【JAPANESE HIP HOP】
 
二木:では日本編に。満場一致でサ上ロ吉(サイプレス上野とロベルト吉野)が1位になりましたが...。
 
C:1月リリースということを考えると凄いな、と。未だに飽きないというか。それにライヴDVDも作品として良かった。
 
George:ライヴもほんまにヤバイですよね。これは、他のジャンルのファンもつくわ!というくらい引き込まれる。
 
Tanko:常にヒップホップへの愛と、若干の憎しみを感じさせてくれる。この前、FOSAの企画でインタヴューしたばっかりやけど、めちゃめちゃおもろいというか、 この世代でここまで精神的にBなヤツってまだまだおるんやな、と感心したわ。あと、今やったら、Eroneとちゃう? 組合長、Hidaddy、遊戯とかソロも一回りしたわけやけど、そのアンカーに相応しい内容。
 
二木:何気にここ最近一番聴いてる1枚です。1曲1曲のテーマを含め、全体的に凄く良く出来てる。PVも面白いし。
 

般若
  
George:UMBでも優勝して欲しいですよね。あと、やっぱりSeedaとSD  Junkstaのじゃないですか? Bach Logicのトラックも相変わらず絶好調で、クラブ・プレイもしましたね。関西勢というか、出身でいえば太華くんのソロも超クリエイティヴでヤバかった。Juswannaも「ピエロ・スタイル」とかかけましたねー。デュオ・スタイルではダントツで目立ってたと思うし、アルバムの密度も凄くて...。最近だと、MSCのO2や、ScarsのStickyもアルバムとしてヘビロです。
 
C:その辺りの男くささ、たまんないですね〜。男くさいと言えば名古屋のAK-69や、札幌、N.C.B.B.のHoktの3rdソロのクオリティも相当で。どっちもストレートなウェッサイじゃないんですよね。その中に新しさを注入してるというか。ラップ・スタイルも被らないし。ウェッサイと言えば、DS455の活動20周年盤はさすがの貫禄というか、圧倒されるものがありました。
 
Tanko:ライヴDVDでは、Anarchyのが光ってたな。人間力が違うというか。つくづく凄いやっちゃな、と。
 

PSG
 
二木:そうですね。あのピュアさ、本気さがストレートに出てたノー ギミックなライヴでしたよね。他のDVDだと、サ上ロ吉のワンマンや、Nitroの10周年、あと、薗田監督の目が光ったN.C.B.B.のドキュメンタリーなども上がりましたね。去年のUMB決勝も何度観てもヤラレるし...。般若 vs Rumi......そうそう、ライヴと合わせて考えると、やっぱり般若は独自の確かな路線を行ってますよね。アルバムのテンションを再現以上のヴァイブスの高さでライヴで表現してて、ちゃんと支持されてる。
 
George:ワンマンとか、全てのラッパーが観るべきですよね。あと、新しい、というところではPSGの存在も大きいかも。
 
二木:完全に新世代! Punpeeのプロデューサーとしての活躍も目覚しかったし、S.L.A.C.K.のソロ2枚も入れたいぐらい。
 
C:今年は、完全に大豊作だと思いますよ。Coma-ChiやGagle、ダースレイダー、鎮座Dopeness、DJ Baku、Rumi、鬼......ああ、他にも一杯あるな〜。それからMicrophone Pagerの復活とか......Rino & DJ Yas、You The Rock★、G.K. Maryan、Hab I Screamとかヴェテラン勢の活躍も素晴らしかったですね。DLの黄金時代セレクション・シリーズも盛りアガったし。
 
Tanko:そうそう。Pagerはもうリユニオンってだけで、昔を知ってる俺ら世代はアガったし、逆にその焼き直しを求めてなかったから、あの昔のパンチラインとかをちょろっと入れたりするバランス感覚がちょうど良かった。『Da Creator』で証明して見せたようにMuro君のトラック・センスは、ほんま外さないし。Twigyはほんま天才MCやし、そこにShingo(★西成)とかPager以降のMCが絡んでるのも美しかったしな。Youちゃんのアルバムもかなりイケてたな〜。ヒップホップへのより深い愛を感じたし。あと、天才といえば、鎮座。あのフロウと、ワードプレイはかなりキテるよね。アキラ(Evisbeats)がオケ作ってる「Mogu Mogu」とかクセになるわ。
 
二木:あと、スチャダラパー の『11』も入れたかったなあ。でも、DVD『スチャダラパーの悪夢』がまた素晴らしいフィクションとノンフィクションの間をいく新しさだったので。  
 
AK-69
 
Tanko:オフィシャルのミックスCDでは、Georgeのジブさんミックス『The Best Of Z-Mixed』、あとDJ Nobu The Bombrush!『Black File The Bombrush! Show』も良かったな〜。あのミックスというか感覚はやっぱりイケてますわ...。あれ? 二木君のVibe、ブルブル震えてるで!
 
二木:あ、丁度そのNobuからなんで、出ますね。
 
DJ Nobu : お疲れっす〜。二木さん、電話もらっててすみません!
 
二木:それはそうとね〜(座談会の事情を説明する)。だから、Nobuの2009年ベストを教えて!
 
DJ Nobu : そうですね、グッチ・メイン、レイクォン、ジェイ・Z...あと日本だと、もうすぐ出るSmith CNがヤバイですね。他だとSexorcist、Sticky、PSG辺りにヤラレたっすね。東京のクラブ・シーンは、Dabo君、Ryuzo君、 Hazime君の『Gold』とか、またヒップホップが帰ってきた感じで嬉しいっすね。で、さっきの用件ってなんでしたっけ?
 

 
 
♦SELECTORS♦
 
● 二木崇:
音楽ライターなど。本誌レコテ担当。D-ST.ENT主宰。
 
● DJ TANKO:
a.k.a. 06バンバータ。黎明期からのヒップホップを体感し、関西を中心にそのBな感覚を広めたレジェンダリーDJ。KensawとのLow Damageは2009年に20周年の時を迎えたばかり。チャック・Dを始め、交友関係も業界屈指ながら、若い世代ともフレックスする真のVIP。

● DJ GEORGE:
東京にも上陸した「Safari」を始め関西の主要パーティにはこの男アリ、のヒップホップ・パーティ・ロッカー。レゲエ勢とのジョイントで贈るオール・ダブ・プレート・ミックス『That's The Joint Vol.01 1/2』も話題に。Focus興業所属。

● C-ROD:
某レコード・ショップ・バイヤーから転職し、現在は翻訳業を中心に地下で活動中。

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