Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
「1. Beres Hammond / See You Again (No Doubt)
オリジナルのミディアム・トラック "Sweet"。このレーベルならではのアコースティック演奏をふんだんに使ったスムースなサウンド。控えめにつま弾かれるギターが特に良い感じ。甘くて、少しホロ苦さもあるBeresの濃厚な歌を引き立てています。
2. Gramps / One In A Million (No Doubt)
"Sweet"。別れた彼女への未練たっぷりの心情をリリックスに。自分のもとへ戻ってきて欲しい、と切々と歌っている彼は、Morgan Heritageのメンバーです。コクのあるヴォーカルでメロディ・メイクのセンスも独特。
3. Mr.Vegas / Smile (Young Veterans)
女性コーラスと軽やかなキーボードが特徴。R&B系のアーバンなトラック "Substance"。ビシバシと決まるリズム・パートも歯切れが良いナイス・トラック。どんなに苦しい事があっても笑顔を心がけて生活しよう、というメッセージ・ソング。
4. Peter Morgan & Busy Signal / Unfair (No Doubt)
Israel Vibration名作「Rudeboy Shufflin」のリメイク・トラック、"Ghetto"。最高です。ほぼオリジナルに忠実に仕上げたリメイクで、絶妙なスウィング感も再現。不平等な社会を批判するコンビネーション。BusyのDJは素晴らしいですよ。
5. Chuck Fender / I Am For Poor (No Doubt)
これも「Rudeboy Shufflin」のリメイク・トラック使用。タメのあるドラム&ベースを強調したミックスとホットなシングジェイの組み合わせ。まともな人達ほど苦労せざるをえない状況をリリックスに。少しキレ気味に怒りを込めて熱く歌っています。
6. Elephant Man / Bless We Wore (Very Huge)
モダン・ゴスペル調のトラックですが、途中からはダンスホール・ビートを加えたサウンドに展開。リリックスも神に感謝する内容。Bad Mindな奴らが何をしようが、オレには神様がついていてくれるぜ、と朗々と歌いまくる。Beyonce「Hola」の替え歌です。
7. Elephant Man / Haters (Very Huge)
こっちはヘヴィ&スロウなHip Hopサウンド。"ブンブン"唸るベースラインを中心に低重心で前進。音数を絞ったソリッドな仕上りのジャマイカでは珍しいタイプの音作り。「オレを嫌っている奴らとは何があっても仲良くすることは出来ない」とDJ。
8. Capleton / Bullet A Fire (In The Streetz)
銃によって多くの人達が命を落としている現実をリリックスにしたCapleton久々の一発。全く萎えを感じさせない相変わらずのCapleton節。躍動するシンプルなドラム、短めのフレーズで強くアタックするベースもナイス。メリハリの効いたミックスも良いジャグリン・リズム "Sort Out"。
9. General Levy / Life Hard (Heatical)
Keith & Texの古典「Tonight」をリメイクしたトラック。70'sルーツ・ロック・レゲエ・タイプにアレンジした重厚なサウンド。ミックスはScientist風ダブ・ワイズ(B面のインストもド迫力なので必聴)。ゲットーで苦闘する人達の現状を、バビロン批判も交えてDJ。
10. Queen Ifrica / In My Dreams (Acoustic Vibes)
泣きのディストーション・ギターが大活躍するメロウなミディアム・トラック "3D"。ステディなリズム・パートの生演奏が心地良くロックするサウンド。「自分がこの人だ、と思った男性から深く愛されること、それが私の夢だ」と歌う落ち着いたラヴ・ソング。
11. Alaine / Love Loud And Clear(Fresh Air)
人気の "Relation Ship" リズム追加リリース。愛情タップリの恋愛をしている自分、ハッピーで最高なのよ、って感じの内容をか細い歌声でキュートに歌っています。B面収録のCe'Cilも良いです。こちらはいつになく一途な恋心を歌うラヴ・ソングです。
12. Lady Saw / Praise Him (Clifford Ray)
オリジナル・ジャグリン "Tamb-ourine"。その名の通りタンバリンが賑やかに色どりを添えるアッパーなゴスペル調トラック。少しカントリーも入っています。DJ、というか歌もモロにゴスペル調。神への感謝を忘れるなというリリックス。
13. Luciano / Protect I Jah (Silly Walkes Disco Theque)
"La La Bella" を思い出させるダイナミックなドラムとシンセ・ホーン、太いベースがグイっとドライヴするトラック "Aspire"。どんなに辛い時でもJahが守っていてくれるから大丈夫だ、と熱唱。
14. Kirk Davis / Peace On Earth (Cool And Ruff)
シックなキーボードがオールドスクールな演奏で全体を引き締めているスロウなトラック。適度にポップなサウンドと滑らかで達者なヴォーカルのマッチングも良し。世界の平和を願う歌でセンシティヴな美メロの好チューンです。