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322    COLUMN    PLAY IT LOUD

I GRADE / CHEZIDEK
[FUNKY GEMINI/MD05 / 輸入盤]
欧州レゲエ・シーンとのパイプも太いチェジデックのニュー・アルバムは、U-ロイの傑作『Now』をリリースしていたフランスのタブ-1も制作に関わった一枚。全編でスライ&ロビーが参加していて、どっしりとしたワン・ドロップは完全スラロビ印。素晴らしいのは丁寧かつ歌心に溢れた主役の歌声で、これはちょっとビックリのルーツ・レゲエ傑作だ。ダブ集を含む2枚組仕様というのも嬉しい。(大石始)
 
TELL IT LIKE IT IS / STEVIE FACE
[BOOT CAMP / BCCD6 / 輸入盤]
決して派手な歌い手ではないが、噛めば噛むほどに味わいを増す作品です。魅力は透き通る歌声に尽きる。失われつつあるレゲエの王道ヴォイス&メロディの数々で我が家へ帰ったみたいにホッとしますよ。歌を引き立てるコンピューター・ポールの手腕が発揮されたリズム・トラックも聴き所(プロデュースも彼)。シンガー好きのツボを刺激するスパイスはさりげないけど、だからこそ何度もリピートしてしまうのさ。(磯野カツオ)
  
MELLOW ROOTS / AMALGAMAH
[MIEDITO RECORDS / FAKE104 / 輸入盤]
名立たる数々のバンドでスキルを磨き現地ミュージシャンの信頼も厚いカルロス・アロンソのソロ・プロジェクト。07〜08年に掛け自らのスタジオで制作された音源から選んだ13曲をA-Loneスタジオのロベルト・サンチェスがミックス。収録シンガーはカルロス本人、ロベルト、実力派DJランキン・フォレスト等、スペイン・レゲエ・シーンの一流処が勢揃い。同国アーティストの質の高さを実感する作品だ。(楳原豊人)
 
FREAK CONTROLLER / SALMONELLA DUB
[SALMONELLA DUB / 5099960672223 / 輸入盤]
ニュージーランドの生ダブ演奏集団の新作。脳裏にステージが浮かぶアグレッシヴな音たちがぶつかり合うライヴ感、ダイナミックだぜ。エンジン全開、ドラム&ベース・スタイルの曲もあれば、ディープでホーン・セクションの風が吹く曲もある。ダブが鍵を握り、既存の枠を飛び越えて突き進む。ファット・フレディーズ・ドロップとはまた違うオリジナリティ.生で観たいバンドですね。野外で映える音楽やもん。(磯野カツオ)
 
LIVITY IS MY TEMPLE / WEBCOM HI-FI MEETS VARIOUS ARTISTS
[TUBE DUB SOUND RECORDS / TDSR11CD / 輸入盤]
フランスのレーベルがダブを含む15曲からなる1stアルバムをリリース。収録アーティストは大御所ホレス・マーティンを始め、EUルーツ界のトニー・ルーツ、ダン・アイ、ロベルト・サンチェス等、国籍豊かな総勢11名が参加。ルーツ・レゲエを軸に直球と変化球を見事に使い分けるプロデューサー、ミュージシャンであり同レーベルを主宰するフレドレッドのセンスは新しい世代が持つ大きな可能性を感じさせてくれる。(楳原豊人)
  
SIR COLLINS MUSIC WHEELÅ / V.A.
[COLLINS DOWN BEAT/SCMW001CD / 輸入盤]
英国ジャマイカ音楽史に確かな足跡を残してきた偉人、サー・コリンズ。今年に入ってから彼のプロデュース音源が数枚の7インチで蘇ったが、今回はこの73年作のリイシューだ。66年から73年までの8年間に録音されたものだけに曲調は幅広いが、アルトン・エリスらの名唱、バレット兄弟らも参加したトラックの味わいは格別。充実した英文ライナーも興味深く、実に意義のあるリイシューだ。(大石始)
 
サウンド・オブ・フリーダム/REILI
[V.I.P / SSCX10461 / 国内盤]
92年から東京地下レゲエ・シーンでマイクを握っていたCrystal Crew/Crystal Moverment出身のシンガーが初めて自身名義のアルバムを完成。決して華々しい経歴がある訳ではないが、現場で地に足のついた仕事を続けて来た彼だからこそのコネクションを駆使した賑やかな作品。とは言え彼は最後まできっちりと主役を演じきっている。つまりどこを切っても彼の持ち味であるレゲエ臭いいなたさが感じられるのだ。(大場俊明)
  
カヴァーズ・ベスト/V.A.
[ビクター/VICP64787 / 国内盤]
カイザー・ソセのプロデュースによる人気カヴァー・コンピ・シリーズにベスト盤が登場。これまでにリリースされてきたタイトルからダヴィル「So Sick」などのヒット曲がセレクトされていて、全19曲を収録。カヴァーものはジャマイカのお家芸でもあるが、このシリーズは新たなチャレンジを忍び込ませながら、じっくり作り上げられているのが特色。その確かな仕事ぶりを改めて再認識させてくれる楽曲集だ。(大石始)
 
ラヴァーズ・ステディ・レッスン・ワン/V.A.
[スカ・イン・ザ・ワールド / SIWI-124 / 国内盤]
ラヴァーズとロックステディが手を繋いだ新感触ミュージックを発信します。スウィートの基準はハート次第。時代のスピードと逆方向へまっしぐら。俺たちの馴染んだ速度があるんだぜ。ダンシング・タイムさ。最後まで見つめ合いながら躍れるスロー・グルーヴ満載。アメリカ、フランス、スペイン、日本のアーティストが参加。毎日、好きなヒトと聴いたら微笑みが育つコンピレーションなんやで。オツオ太鼓判。(磯野カツオ)
 
ヘモ&ムーファイアー・プレゼンツ・バッド・テンポ・リディム/V.A.
[バッカナル45 / BACD-012 / 国内盤]
黄金リディム"Tempo"をSteely & Clevieがバッドにリメイクしたのが、この"Bad Tempo"リディム(プロデュースはHemo+ Moofire)。現場は勿論、海外でもヒットしたこのドープなリディムに乗せたチューンの入手方法は配信がメインだったが、Steelyへの追悼を込め一枚にまとめられた。1ウェイながら聴き所満載で全く飽きさせないのはH+Mの技による。見事なハマりっぷりのMison-Bの歌も耳に残る。(大場俊明)
 
涙レゲエ2〜TALKIN' BLUES〜/ V.A.
[クラウン / CRCP-40261 / 国内盤]
こうしたジャケットを面白がれるか溜め息をつくかはさておき、第一弾ではケンドーコバヤシの泣きっ面で大ヒットしたシリーズ第二弾。三木道三「明日の風」、Metis「母讃歌」、lecca「anata」、ハイジ「一緒に」といった一般的に知られた曲から、Nanjaman、Jr. Dee、Hibikilla、Micky Rich等による今まで大衆にまでは中々届かなかった名曲もバランス良く配置。自分にとって大切な曲が見つかるかもしれない。(大場俊明)
 
ネオクラシックス3/クボタタケシ&V.A.
[ティアブリッジ / NFCD27203 / 国内盤]
オール・イン・ミックスなDJスタイルが熱烈な支持を集め、リリースするミックスCDすべてが注目を集めてきたクボタタケシ。彼の看板シリーズ第三弾は、ダブ〜ジャズ〜ブーガルー〜サルサ〜ルンバ・カタラーナ〜デジタル・クンビア〜バイレ・ファンキ〜マイアミ・ベースを横断しながら、ひとつのストーリーを編み上げた流石の出来。同発の和モノ・ミックス『ミックス・シーディー』と併せてチェックしたい。(大石始)
 
R指定/リアーナ
[ユニバーサル/UICD-9063 / 国内盤]
2年ぶりの4作目。17歳でデビューした彼女も21歳となり、本作で様々な意味での成長を垣間見せてくれている。デビュー時のカリビアンなテイストやジェイ・Zらと共に展開していたイケイケドンドンなビート攻勢は鳴りを潜め、リリックが伝える内省的なイメージが、ダークな色彩感で統一されたサウンドに乗って独特の響きを湛えているのだ。その重心の低いファイティング・ポーズには、かつてない凄みが。(石澤伸行)
  
エヴォリューション・オブ・ア・マン/ブライアン・マックナイト
[ビクター/VIZP-87 / 国内盤]
20年以上のキャリアを持つ重鎮が12作目となる新作を発表。メジャー・レーベルからは離れてのリリースとなった本作だが、制作のほぼ全てに自らがあたっている。だからだろうか、随所随所に時流への目配せはありつつも、基本、全編がブラマク色に染まっている。AOR的なアプローチでメロウにキメる反則ワザや、豊かなメロディに含まれる甘みやドラマ性の絶妙なサジ加減には、今更ながら感じ入るばかりだ。(石澤伸行)
 
カラー・ミー・フリー/ジョス・ストーン
[EMI/TOCP-66924 / 国内盤]
2年半ぶりの4作目。前作ではラファエル・サディークにサポートを請うていたが、本作では全曲の制作を自ら指揮、どこか懐かしいながらも、確実に独自なソウル道に磨きをかけている。注目すべきは、ナズ参加の政治批判曲「Govern-mentalist」か。得意のファンキー・トラック上で拳を振り上げる様は、英国の地でレトロ・ソウルへの憧憬を訴えていた若い娘が、今ではUSシーンを引っ張っているようでもあり。(石澤伸行)
 
ピンク・エレファント/エンダンビ
[ユニバーサル/UCCO-7012 / 国内盤]
長らくインディの住人を決め込んでいた生ソウル界の女豹が、スタックスから新作を発表。しかもプロデュースには、レオン・シルヴァースIIIがあたるというサプライズ付きだ。サウンドの意匠としては、これまでの諸作に比べても、整理整頓されたファンキネスが横溢しているとの印象だが、彼女の艶かしいヴォーカルが立ち現われる際の妖しげな雰囲気には、往年のファンの血を沸き立たせること必至だろう。黒い!(石澤伸行)
  
ショウルーム・フロア/クープ・ドゥビール
[ソニー/SICP-2243 / 国内盤]
テキサス出身の兄弟デュオによるセカンド作。自らレーベルを立ち上げ、音作りから自前で取り組む彼らの音世界は、透明度の高いスムースネスを湛えたもの。それも90'sを彷彿させる流儀で、デビュー当時から彼らの大きな魅力となっている。とりわけホットなのは、ふたりのヴォーカル。安定感抜群なクルーンで並び泳ぐかと思いきや、鋭くエッジをきかせて切り込んでくるその瞬間には、痺れることしばしばだ。(石澤伸行)
 
シティ・オブ・マイ・ハート/リル・エディ
[マンハッタン/LEXCD-09014 / 国内盤]
NY出身のラティーノによるデビュー作。これまでカール・トーマス、112らR&B界から、カイリー・ミノーグといったポップ畑に至る広範なフィールドで楽曲提供を続けてきたというキャリアの持ち主だけあって、本作でもプロダクションにおける巧みさが光っている。昨今の主流派の定石となっているクラブ的なアプローチに乗って軽やかに歌い舞う様には、人懐っこい表情ながら早くも中堅どころ然りとした風格も。(石澤伸行)
  
MAY THE BRIDGES I BURN LIGHT THE WAY / BASS CLEF
[BLANK TAPES / BLANK011 / 輸入盤]
アブストラクト・ヒップホップやIDMと呼ばれる音楽が活発だった時代から活動をするプロデューサーでトロンボーン奏者の2作目。エレクトロニカの音の肌理とダンス・ミュージックの肉体性を他にはない形で融合させたサウンドは、Aphex TwinやThom Yorkeなど、これまでも所謂"音楽IQ"の高いアーティストからの評価が高かったが、本作ではカリブの様々なリズムをほぼ全編に取り入れ、新しい局面を提示している。(飯島直樹)
 
MESSAGES FROM THE VOID / ELEMENTAL
[RUNTIME RECORDS / RUNTIMECD001 / 輸入盤]
ダブステップと呼ばれるサウンド・スタイルの中で、アシッド・ハウスとデトロイト・テクノとレイヴィなジャングル、アフロなトライバル・リズムの融合...という、最近の傾向のひとつの先端を聴く事ができる傑作。そのリズムの有機的でありつつフューチャリスティックな感じは、これまでに聴いた音楽の記憶をくすぐりながら未知の扉を開いてくれる。CD1で耳を更新してから、過去作集であるCD2を聴くとまた新鮮。(飯島直樹)
 
SHINE A LIGHT / DOMINICK MARTIN
[SIGNATURE / SIGCD005 / 輸入盤]
ディープなドラムンベースが人気のCalibreが本名で発表する非ドラムンベースのジャズでフォーキーなアルバム。10代の頃はジャズからパンクまでバンド活動をしていたという彼の、それらともまた違った内面世界が豊かなサウンドで描き出されている。ビートのある曲も限りなくアコースティックな響きで、楽器のハーモニーやアンサンブルといった"響き"が歌声を含めて重視されていて、とても深く染み込んでくる。(飯島直樹)
 
HOW THE EAST WAS WON 1989-2009 / SHUT UP AND DANCE
[SHUT UP AND DANCE / SUAD008 / 輸入盤]
レイヴの時代から現在まで常にパンク魂溢れる姿勢で活動を続けてきたプロデューサー/レーベルのアンソロジー3枚組CD。Suad名義の他、Nicolette、Unity Sound出身であるRagga TwinsやPeter Boun-cerらの楽曲も収録。レイヴのサウンドにレゲエを注入したラガ・ブレイクビーツ/ラガ・テクノに始まり、ジャングル〜ドラムンベース、ブレイクス等、とにかく腰を揺らせる英国ビート&ベース・ミュージック展覧会の趣。(飯島直樹)
 
CALICO PIE / PAUL BRADLEY
[CRISPY JUICE / CJ01 / 輸入盤]
ブリストルのロック〜ジャズ・シーンで活動するPaul Bradleyによるソロ・アルバム。童謡や子守唄、伝統的な詩をカヴァー......というシンプルなアルバムで、結果、彼のセンスと技量が光る内容。優しさと憂いと繊細が同居した声(これぞソウル)とメロディが織りなす豊かな表現は唯一無二。どんな音楽が好きかに関係なく、とにかく染みる&響くはずの、一家どころか人生に1枚といった感じにフォーエヴァーな作品。(飯島直樹)
  
LONDON / HEKTAGON
[FREAKZ OF NATURE / FONCD001 / 輸入盤]
スペイン出身のプロデューサー。ダブステップをベースにしつつ、様々な最新ビート意匠をミックスさせる事で、更に新鮮な感触を楽しむ事ができる。ジャングル×ファンキー×UKGをダブステップで割ったようなトラックから、レゲエ・ネタとサンプラーの遊び(?)で不思議なダブ感が生まれているトラックまで、王道な感じではないものの、何か新しい動きも起こるような気がする、間違いなく新しい感覚の持った才能。(飯島直樹)

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