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THE MAZE

MOOMIN meets CRO-MAGNON
　
Text by Hajime Oishi / Photo by iGa-c
　

レーベル移籍第一弾となる配信シングル「Day By Day」（NG-HeadおよびYoungshimとの共演曲）も好評のMoominが新たな配信シングルをリリース。しかも、あのバンドをバックに従えた、あの有名曲のカヴァーだ。ニュー・アルバム制作中のMoominに話を訊いた。
　
　Moominが好調だ。本誌読者には「何をいまさら」と笑われるかもしれないけれど、NG Head ＆ Youngshimとの「Day By Day」に続く新たな配信シングルを聴いて、僕はその思いを強くせざるを得なかった。なにせ、歌うは「今宵の月のように」。エレファントカシマシが97年に発表した名曲のカヴァーである。まさに説明不要の超有名曲だが、ここでの肩の力を抜いた歌唱がとにかく絶品。ファンならば彼の代表曲「Moolight Dancehall」で描かれた月夜の光景とイメージがカブる方もいるかもしれないが、原曲が持つ儚げな世界観がMoominの歌声によって今一度ヴィヴィッドに描き出されているのである。これはたまらない。
　
「カヴァーも数えきれないぐらいやってるんですけど、今まではある程度のイメージができるような曲を選んでたんですよ。ただ、この曲はどういうものになるかワクワクしながら作ってましたね。今までの自分のなかにはなかったテイストだし」
　
また、この曲で多いに注目したいのは、３人組のジャズ／人力ハウス・バンド、Cro-Magnonとコラボレーションしていること。ヨーロッパでも高い評価を得ている彼らの素晴らしさについてはこの少ない文字数のなかで説明しきれないので各自チェックしていただくとして（とりあえず、最新作『4U』は必聴）、何はともあれ、この曲に溢れるジャジーでソウルフルなムードを堪能してほしい。
　
「彼らとは結構昔から面識があって、ツヨシくん（コスガツヨシ／ギター＆ベース）は、彼が藤沢に住んでた時から知ってるんですよ。だから、今回も肩の力を抜いてできました。彼らも純粋な音楽好きだし、ツボが似てる気がしましたね。こっちからは『ちょっとアーバンで大人っぽい感じ』ってオーダーしたぐらいで、後はお任せ。たぶんお互いのイメージが噛み合ったんでしょうね。それで最後に（有坂）美香ちゃんにコーラスを入れてもらって」
　
なお、この「今宵の月のように」がリリースされた97年は、Moominがマキシ・シングル「Fly Again」でメジャー・デビューを飾った年でもある。デビューから12年経った現在の彼が、当時発表されていた名曲をカヴァーする......ここにはMoominがデビュー以来歩んできた道程がサラリと刻み込まれているのだ、などと書くと大袈裟だろうか？
　
「12年なんて短い時間かもしれないですけどね。ただ、オレのなかではいろんな思いがあるし......ま、気負いなく歌うだけなんですけどね、オレにできるのは」
　ところで、Moominは現在ニュー・アルバムを制作中の模様。「まだ言えないことも多いんですけど、順調に進んでます。懐かしい人ともやると思うし、また別のカヴァーも入る予定。楽しみながら作ってますよ」というニュー・アルバムには、いったいどんな風景が描き出されているのだろうか。今回の「今宵の月のように」で彼の魅力を再認識させてもらったこともあって、僕は彼のネクストステップを多いに楽しみにしているのだった。
　
「今宵の月のように」
Moomin feat. cro-magnon
デジタル限定
シングル・リリース
レゲエザイオン

　
レコチョク

12/2　着うた　レコチョク・レゲエザイオン配信スタート。
12/9　着うた・フル、iTunes他全方位配信スタート。