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THE MAZE

iGa-C
PHOTOGRAPHIC CREATIVITY
　
Interview by Toshiaki Ohba
　

本誌でもお馴染みのカメラマン、iGa-cが横浜・東京のダンスホールの現場をメインに撮影した写真集『DANCEHALLDAZE』を完成。当時の何かが起きそうなヒリヒリとした空気感に満ちた写真が満載だ。
　
●写真やカメラを意識したのはいつ頃？
iGa-c（以下i）：小学6年生の修学旅行の時に「写ルンです」で撮影して以来、スナップ程度には撮ってたんですが、高校を卒業する段階で写真に繋がるかなと思って美術系の短大を選んだのが契機かもしれません。
●『港 横浜レゲエタイムス』（『Strive』の前身の雑誌）にカメラマンとして参加するようになったいきさつは？
i：98年頃からレゲエ・ファンとして色々な現場に通ってたんですが、当時からハイドロ・サウンドをやっていた同級生が（『港 横浜レゲエタイムス』を制作していた）北中45レコードに通っていたのもあって、彼らが「カメラマンを募集しているよ」って教えてくれて。確か99年の3月にNanjamanが表紙の創刊準備号が出たんですけど、その次の5月に出たVol.1からカメラマンとして参加しました。
●じゃあ、カメラで何かを表現していこうと心に決めてからすぐに発表の場も見つけたんだ。
i：そうですね。当時はまだカメラマンとして特に決まったテーマはなかったんです。でもこの時に「日本のダンスホールの現場」というテーマと出会ったと感じました。とにかく濃くてフォトジェニックな人が多かったんですね。
　
●今回出版された写真集『DANCEHALLDAZE』はカメラマンになってちょうど10年ということで出版されたんですね。
i：宣伝文句としてはそうですけど（笑）。ここに掲載した写真のうち8割近くが写真を撮り始めた99年のものなんですよ（全57点中42点）。自分が本当に素直な気持ちでヤバいなと思っていた頃の、今見てもヤバいなと思える写真を選んだらそうなったんです。この"感じ"を伝えたかったし、残したかった。ただ、やっぱり自分の写真集ですから自分の想いを基準で選んでます。写真ってそれが如実に表れますから、それを大切にしたかったのもあります。
●僕もここに写っている現場の幾つかに立ち会っているけど、確かにあの時代のあの"感じ"を瞬時に思い出させる力がありますね。
i：皆さん僕よりも年上ですし、強面ですから、実際ビビってるんですけど（笑）、それでも踏み込んでる感じが出ているのかもしれませんね。テクニックがない代わりに身体で撮ってると言うか。
●実際今でも日本のダンスホールの現場を撮り続けているけど、撮り続けようと心に決めた決定打と言えば何だったの？
i：やっぱり99年の「World Clash」ですね。カメラマンとして動き始めた最初の年でしたし、しかも初めての海外旅行で（笑）。
　
●当時の『Riddim』（No.201）でもMighty Crownに凱旋インタヴューを掲載して、そのページにiGa-cさんが撮った写真をお借りしました。
i：この時、初めて写真でお金をもらったんです（笑）。あの時は別にMighty Crownから撮影を頼まれた訳ではなくて、思い立ったから勝手に行って。ゲートで「日本から来たカメラマンだ」って言ったらスルスルとステージまで行けちゃって（笑）。勢いで行ってファインプレイって感じですかね（笑）。でも20歳の多感な時期にこの体験は強烈でした。だから、こんな面白いものをみんな知ったら良いのになって思って写真を撮り続けてきたのかもしれません。
●この10年間でレゲエ・シーンもカメラの構造自体も変わったけど、変わらないものって何でしょう？
i：あの当時はレゲエって今よりずっとアンダーグラウンドだったけど、レゲエとしての魅力って今も持ち続けていると思います。今でも度肝を抜かれるようなトラックに出会ったりしますし。写真的にはシンプルに良い写真を撮ろうという姿勢はずっと変わってないけど、この本の完成を機に今までとはちょっと違うアプローチで撮影をしていきたいですね。
　


"DANCEHALLDAZE"
iGa-c
［問］スティング／052-506-9939
［Web］http://www.iga-c.com
　
「DANCEHALLDAZE plus 写真展」
［日程］12／19（土）、20（日）
［会場］鎌倉Gallery Kaya
［住所］神奈川県鎌倉市大町1-16-19
［Web］http://www.kayakikaku.com/
［問］Gallery Kaya／0467-25-2788
※写真集に掲載された写真はもちろん、当時のフライヤーや未発　表の写真も展示予定。