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AFRIKA BAMBAATAA
SEEING THE TRUTH
 
Text by Yuta Man / Photo by グレート・ザ・歌舞伎町
 

 「メタモルフォーゼ」に2度目の登場を果たし、東京では、新大久保Ghettoにて毎月第一日曜開催のヒップホップ・パーティの極北、「Hip Hop最高会議」に"降臨"もした、アフリカ・バンバータ。これは、ホテルの部屋にて約1時間、音楽よりも、社会に対するその深く鋭い洞察力を体験した記録。
 
●あなたは、世界に広がる"Universal Zulu Nation"を組織しています。実際のルーツもアフリカのズールー族にあるのですか?
アフリカ・バンバータ(以下B):人類の存在を辿れば皆、アフリカの土着民、先住民達に行き着く。アフリカに今ある名前の多くはヨーロッパ経由で定着した名前で、元々あった名前ではない。例えば"ヌビア"や、エジプトから来た名前が元々あったが、それは"ニッポン"が知らぬ間に"ジャパン"になってしまったように、世界では白人至上主義のもとでつけられた名前が、多く使われている。ここ日本でも、自分の文化を忘れてしまっている状況をよく見かける。もちろん私達は、現代のモダンな洋服を着てヨーロッパ人のような格好はできる。しかし、自分達の祖先の文化を、テレビ等メディアを通して若者に啓蒙し、その善し悪しは別にして、先住民達の功績を忘れないようにすることが大切だ。どれだけの日本人が、ここ日本の地下にピラミッドが眠っていることを知っている? そして、そのピラミッドがエジプトと繋がっていることを? もちろんそれはメキシコ、ブラジル、ヨーロッパにあるピラミッドとも繋がっていることを。その証がドラムの音なんだ。日本はドラムの音を知っている。アフリカはドラムの音を知っている。アジアも、アメリカのネイティヴ達も、皆がドラムの響きを知っている。そこに永遠に続くループがある(微笑)。
 
●ドラムの音が鍵というわけですね。
B:ドラムが世界のヴァイブレーションを繋ぐ。それがこの星のドラムであり、胸の、ハートビートのドラムなのだ。
 
●あなたの口からのそういった発言は、心に響くものがあります。あなたの深い知識は、いったいどこからきていますか?
B:過去の偉大なリーダー、師匠達からきている。読書、旅からもきている。あらゆる地で人々を訪ね話を聞くこと、美術館に行くこと。ホテルの部屋にただいるだけでなく、人々の一員として共に座り、話を聞き、会話をし、リサーチし、調べ、地球の活動に私はとても興味を持っている。
 
●そういった意識は、いつも持っていたものですか?
B:長い間持っている。それはこの銀河と繋がっているもので、地球からそれを得ている。
 
●意識が覚醒する、明らかなそういった瞬間があったのでしょうか?
B:母親や親族からの影響もあったかもしれない。家族にブラック・パンサーの会合に出入りしているものもいたし、ネイション・オブ・イスラムなどとも関係があった。そして、私自身が世界中を旅し始め、培った意識をヒップホップに注入しながら"5つ目の要素=知識"を世界に広げた。つまり、若いBボーイ達も、ブレイキングもグラフィティもDJももちろんいいが、知識なくしては、結局はヒップホップの中にいる、それを利用しようとする人間の奴隷にならざるをえなくなってしまうということ。今や奴らは、ヒップホップを使って人間をコントロールする。昔ヒップホップは本当に心からの、人々のものだったが、今は"全部金""ニガー・ビッチ・ホー"となり、本来の意識はいったいどこへ? ラジオ局も一定のスタイルの曲しかかけなくなり、ジャンルに括られない、知識と愛と楽しみ溢れる曲はかけられなくなった。
 
●ヒップホップが"全部金"になってしまったのは、いつ頃から?
B:80年代後半から、90年代に入る頃だろう。勘違いして欲しくないのは、金を稼ぐのが悪いわけじゃない。ただ、「金が神か?」ということだ。最上の信仰対象が金で、その金をどのような買物、交換に使う? その裏付けは本当に金や銀? そうであるなら、なぜただの紙切れのために世界中で争いは絶えないのか?
 
●誰かがそういったことをコントロールしている?
B:すべての国に、"シークレット・ソサエティ"が根を張っている。
 
●例えばスカルアンドボーンズや......
B:世界中同じことだ。どの国のホテルにも小さな"ライオンズ・クラブ"があり、それが日本のシークレット・ソサエティなのかヨーロッパのものか、それはわからない(笑)。それぞれ王冠、持っている財産の大きさ、家系の違いで枝分かれしている。アフリカを例にとってみれば、アフリカでは誰も飢えるべきでないし、しっかり機能さえしていれば、世界中をアフリカの生産物だけで養っていけるはずだ。それでもやはりアフリカで人は飢え、エジプトからはあらゆる財宝が世界中に強奪され、それらがもし全部エジプトに還されたら、それだけでアフリカ大陸は潤沢な資金で満たされる。
 
●確かに。
B:だからこれはまさにゲームだ。NYは世界で最も素晴らしい街だと言うが、本当にそうなのか? 東京でこうやってホテルの部屋から外を眺めれば、東京はNYよりもファンキーだ。サンパウロで街を眺めれば、それもNYよりファンキーに見える。なぜNYが世界で一番と言われる? それは金の市場があるからか? それとも、今それは東京か? ロンドンか? 全ては、そういうゲーム・プランなんだ...(笑)。
 
●今は特にゲームも流動的かもしれませんね。
B:それは、人々に対して行われる、心を知識のトリックでひっかけるゲームだ。そこでは宗教が機能する。私達はよく宗教を信じるが、一体誰に向かって祈っている? クリスチャン、ムスリム、ユダヤ教徒と、それらは一つの神に対して祈りを捧げる。アラー、ジャホーバ、ヤーヴェ、ジャア、そういった名前に対して祈る。そして祈りの最後に「アーメン」、「アーミン」と言う。それは誰のことを言ってる? 誰もがエジプトは悪で、「やつらはあれをした、これをした」と言うが、じゃあなぜ全てをエジプトから奪った? 建物やピラミッド、そしてオベリスクがバチカンの前にあり、オベリスクは他にワシントンDC、セントラル・パーク、ブラジル、他の世界各国にある。なぜエジプトをそんなに責める? エジプトはクレイジーで、大洪水もあったと"聖書"と呼ばれる本にあるが、それは本当なのか?
 
●あなたは、何か宗教に属していますか?
B:Zulu Nationが信じるものがあるとすれば、それは"Truth=真実"。私達は、信仰は必要としない。"信仰"は人をトラブルに巻き込み、本質的に「知らない」ことを意味するんだ。

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