導楽
JUST START IT
Interview by Nobuhiro Mabuchi / Photo by Fumi
今夏メジャー・デビューを果たすも、地元湘南でレギュラー・ダンスをキープするなど現場重視の活動を続けている導楽。完成したファースト・アルバム『Just Start It』ではヒット曲「Still In Love」で与えたイメージをブチ壊し、ラガなハートをがっちり見せつけたハイ・グレードな1枚だ。
●今作にも収録されているデビュー・シングル「Still In Love」は2007年にリリースされたワン・ウェイ・コンピ『Crocodile』収録のリカット曲で、YouTubeにアップしたPVは60万ヴューを突破するなどレゲエ・シーンを超えて話題になりました。このヒットで何か自分の中で変わったことはありましたか?
導楽:この曲がキッカケで自分を知ってくれる人が増えたので、いろいろとリンクが広がったのが大きいと思う。それによって考え方も広がったし。だからこそ自分の役割が見えてきた気がします。
●その役割というと?
導楽:自分にしか歌えないこと、自分にしか気づかないテーマがあるので、それを曲にして届けること。日本人として、日本で生活している歌い手として、何をメッセージすべきかってことを強く意識するようになりましたね。
●今作は「Still In Love」のほかダブ・ヒットした「Don't Be Afraid」など既存曲が約1/3を占めていますが、そこにも意図があるわけですよね?
導楽:そうですね。プロデュースしくれたサウンドやレーベルの人たちに助けてもらいながら今までやってきたんで、ファースト・アルバムだし入れる意味があると思ってて。そうやってアンダーグラウンドで作ってきた曲をそのままメジャーで出して、どう評価されるかってとこも気になったし。あと今回は制作陣を日本人で固めたんですけど、あえてそうしたんですよ。日本人だけでここまで出来るんだってことも表現したかったんで。
●「じみちみち」はStoned Rockersの演奏で録り直していますが、原曲からだいぶ変化しましたね。
導楽:昔から交流のあるバンドだし、彼らの感覚も入れたかったんで、まっさらの状態から一緒に作っていったんですよ。自分のアイディアだけじゃこうはならなかっただろうし、Kon Ken(拳POWA)さんのミックスでもパワー・アップしたと思ってます。曲的にはイントロから続く曲だし、軽快で「よし、行こう!」的な感じっすかね。
●新曲「Dem a...」は"Martial Arts"リディムを使っていますが、このコンシャスなメッセージはリディムから導き出されたものなんですか?
導楽:"Martial Arts"は前から好きで、後発も出たことだしこのタイミングで使いたいと思って選びました。曲のテーマは最近の報道のやり方を見てて決めた感じですね。そのフロウがリディムにハマったんで、ここで一発モノ申してやろうと。
●同じく新曲「Com ya」では新たなフロウに挑戦していますが、その辺はどういう意識をもって取り組んだんですか?
導楽:英語がわからない日本人が洋楽を聴いてノッてるように、日本語のフロウでジャマイカ人を反応させたいと思って。しかも内容は過激で(笑)。ジャマイカで書いた曲なんですが、その頃めっちゃダガリン・チューンが流行ってたんで、そういう日本語の意味も込めました。
●改めて今作を振り返ってみて、どんな仕上がりになったと実感していますか?
導楽:俺がクラった音、あとは今まで築き上げてきた繋がりも見せることが出来たファースト・アルバムだと思います。扱うテーマにしてもフロウにしても、いろんな意味で幅の広さは表現できたし。もちろんジャマイカでの繋がりとか、もっと他に扱いたいテーマもあったけど、まぁ1枚目としては納得できる仕上がりになったかなと。「Still In Love」のイメージしか持ってなかった人には、ぜんぜん違う方向の曲も入れてるんで、アルバムを通して聴いて自分を知って欲しいですね。『Just Start It』というタイトル通り、毎日毎日がまた新たな始まり。これを聴いて、気合い入れて新しいスタートをきってください。そして現場、ダンスホールで遊びましょう! Bless!!
"Just Start It"
導楽
[Universal / UPCH-20180]