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MAVADO
PSALM OF THE GULLY
 
Interview by Natsuki Toi / Photo by Akira Okimura for D-CORD
 

 2007年いわくつきの来日キャンセルから2年。ついにGhettoもGullyも無い世界有数の平和な国に足を踏み入れたGully God。前日に到着し初公演を翌日に控えた彼は、蝉しぐれの中、都内某所のオープンテラス・レストランで自身の核となるパーソナリティについて静かに語ってくれた。
 
 "静かな男"。今、自分という存在はどこにいて、どういう意味を持っているのか。それらの事実を、誇大にも過小にも解釈せず、静かに受け入れている男。食事中もほとんど口をきかず、ふと思いつくと天井に向かって歌い出す。目の前のロブスターより体内のメロディに心奪われているかのように...。
 
 「そう、ギャングスタの歴史は今に始まったことじゃねぇ。俺は毎日、毎分、毎秒、毎月、なにも変わらない場所、インナーシティに生まれ育った。そこを抜け出せた数少ない人間の1人がこの俺で、まさにそこでの生活を歌ったことで今、ここにいるわけだ。ガキ達は独力で育つしかないから、結果、ある者は犯罪者になり、ある者は自堕落になる、全部がそんな感じだ。つまり物事は全て一方通行なんだ、悪い方へな。キミも俺の生まれ育った場所に自分を置いてみればわかるだろうよ。それは悪夢以外の何者でもない、覚めない悪夢、そのものだ。来る日も来る日も、苦闘、犯罪、暴力、そんなところさ。
 
 俺が言いたいのは、ジャマイカはたぶん、いや絶対にとてもナイスな場所になり得るんだ、すごく美しい所に。でも政治家は、自分達のことで手一杯、俺達の苦悶なんて露ほども知らねぇ。だから本質的に意味の無いJailなんかに俺らを押し込んで、システムを固める。そして俺が表に出て『Gangsta For Life』やその手の歌を出せば、即座に飛んできて潰しにかかる。俺がどういう所から出てきたかを歌うから、臭いものには蓋っていうわけさ。
 
 もちろん、キミの言うようにジャマイカはもの凄く強くポジティヴなパワーを持った国で、その結果、俺やUsain(Bolt)や多くの才能を生み出すことができる所だ。でもそれはつまり、俺たちは何が何でも"脱出"しなければ生き残れないからだ、わかるか? でも正直なハナシ、多くの何のスキルも無い奴らはチョークやウィード、コカインを売って海外に出る、それが一番てっとり早い方法だからな。そんなライフは悲劇だ、だからこそ"A Better Tomorrow"に祈りを捧げている...あぁその通り、まさにその通りさ...」
 
 「俺はラスタになったんじゃねぇよ、生まれながらのラスタだ。父はラスタだったし、母方の家族は全員ラスタだった、しかも"熱狂的"なね。ドレッドロックスにローブを羽織っていても、深い所では全く別のものがいる奴もいる、ただの外側のことは重要じゃない。ラスタファーライはブラック・ピープルにとっての愛、ユニティ、そして力だ。俺のガキ時代はラスタファーライによって育てられたし、今の俺の毎日の生活、それがジャー・ラスタファーライだ」
 
 「3人の子供、母親、たくさんの兄弟姉妹とその家族......家族はとても大切にしているし、愛している。もし日本が経済的に豊かになったせいで家族の絆が薄らいでいるなら、余分なお金をジャマイカに送ってあげたらいいんじぇねぇのか? ジャマイカではどこの家族も金を必要としているからな」
 
 「そう、Bounty Killerとは95年からのつきあいで、昔も"今"も俺にとってはスターだ。神は、俺たちの為に彼をお造りになり、彼は期待通りやるべきことをやり、そして俺が今、ここにいる。世間の連中が例えMavadoの方が"多くを成し遂げた"と言ったとしても、彼は変わらず俺の将軍だ。軍隊にとって将軍は絶対であり、何があっても変わらないし、将軍は兵士が何をなすべきかちゃんとわかっている、そういうものだからな。
 
 俺のイコンはShabba Ranks、Ninjaman、Super Cat、Bounty Killer、そしてSanchez、Wayne Wonder......しかしその誰とも似ていないオリジナルのMavadoスタイルがどうやってできたのかは神のみぞ知る......まぁ実際とてもナチュラルに生まれたものなんだ。俺が全ての物事と真剣にStruggleしてきた賜物、としか言えねぇな。
 
 今後はAlicia Keysとシングルを作り、Jay-Zともスタジオに戻って一緒にやる予定があるし、次々と新しいプロジェクトがMavadoを待っている、あぁとても楽しみだよ。
 
 日本に来たのは初めてだけど、日本のことは大好きだ。過去に色んな噂が出回っていたのも知っている、だけど誰が何を言ったかなんて全く気にしてねぇな。だって実際に今、俺はここにいるんだし、明日からのショウが本当に楽しみで待ちきれない。ああそうだな、また戻ってくるつもりだよ」
(協力:錦Communications)

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