AILIE & 7HEROES
SPIRIT
Text by Eiko / Photo by Hiroshi Nirei
今、Changeの時、レゲエを通して伝えたい、目に見えない真実、次の時代へのメッセージ。奇跡のスウィート・ヴォイスが綴るラヴ・ソング=愛の歌はその意味を大きく飛躍させた。変革のベクトルはどこへ向かうのか...。Feel the SPIRIT!
7Heroesの確かなルーツ・サウンド、Ailie、Bum Bum The MCのMC/コーラスを浪速のLee Perry=Havがダブワイズする「Rise Up Dub」からはじまる初のフル・アルバム『SPIRIT』。前作、ミニ・アルバム『ROOTS』がその序章であった様に感じる。
「7Heroesと2枚をリリースする予定ではあったんだけど...ベーシストでもあるプロデューサーのTaiyo君はスゴく見えている人で、最初からここ迄の流れを、成長込みで考えてくれていて、僕らは今回の制作前にそこ迄見えてなかったんだけど...想像以上のガイド役でした。7Heroesでの2枚で1枚のアルバムってイメージですね」
70年代、80年代の機材、アナログ卓にハモンド・オルガン。やけに人臭いうねりとタイトなリディム。盟友Lui(G)、シーンのトップ・プレーヤーicchie(Tp/Tb)の参加によってその幅は更に広がりをみせる。ファースト・トランペットの音に引き込まれる「Natural Mystic」はじめ、序章で誕生したルーツ・サウンドは本編にてパワー・アップ。
「Lui君のスペーシーな音。icchieさんが切り込んでくる。みんなの出音がタイトになる。それぞれの音がより深く感じ合えるようになって。人が加わるって事で音がスゴく変わるのを体感した。
今回、オレは歌い手なんだってスゴく感じた。良い意味で歌わされたし、みんなの意志の表れの声の部分っていうか、パーツのひとつって感じた。ひとつにまとまった音の方が太い音が出ると思うし、意志として集まったものの方がより強くそれが前面に出ると思う」
内なる変革の意志表明的アルバムであったと語る前作のメッセージの向かう方向を指し示すようにリアルな言葉が綴られる「レゲエ・ミュージック」「ソウル・レヴォリューション」「メザメノアサ」「タイヨウ」「アキラメナイ」
「スタート地点にやっと立って一歩踏み出したかな、くらい。自分らのスタンスはこうだな、だからこっちの方向に進もうよ、って。答えがみえた! コレだ!ってほど明確なもんじゃなくて。その段階段階で精一杯、自分達がどうであるのかっていうのはきちんと表現していきたい。まだ学んでいる途中だし。常に変革していくと思うし」
「デイドリーム・ビリーバー」を単なる異性へのラヴ・ソングでないと再認識。奇跡のスイート・ヴォイスの綴るラヴ・ソングは以前より大きな括りのよう。「大地」「笑顔の種」の言葉は優しく希望溢れる。
「それを信じたいんですよ。何も変わんないよっていうんじゃなくて、良い方向へ変わるって事を信じたい。常に希望がよい方向へ引っ張っていると思う。希望の側に立っていたいっていうのはずっと変わらない」
今、ふと見渡せば、様々なChangeがみえる。複雑であり困難であり面白可笑しくもある。どう生きるか、なにを目指すか。なにが大切なのか。
Feel the SPIRIT !
"Spirit"
Ailie & 7Heroes
[Geneon Universal / GNCL-1225]