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PUSHIM
10th ANNIVERSARY
 
Interview by Natsuki Toi / Photo by Akira Okimura for D-CORD
 

 記念すべきデビュー10周年目に発表されたのは、Pushimの数々の名曲を手がけた二大プロデューサー森俊也とTanco(Home Grown)の初コンビネーション+Pushim本人により生み出された、切なさの滲むリリックが軽妙なダンスホール・トラックに乗るブランニュー・シングル「My Endless Love」。同時発売の10th Anniversary特別企画盤『My Town Top Rankin』の選曲秘話と合わせて本人の声をたっぷりとどうぞ。
 
 新曲はとにかく色んな意味で"実験的な曲"ということを強調していたPushim。ジャマイカで何かと話題になったVybz Kartel feat. Spiceの「Rampin' Shop」(元ネタはNeyo「Miss Independent」)を彷彿とさせるトラックに、秋になると胸の隙間を吹き抜けるヒンヤリと涼しい風を煽るような、恋愛中の切なく複雑なオンナ心を表すリリックが絡み合う、新感覚の"ダンス・チューン"だ。
 
 「まずどんな曲を作ろうかと3人でゼロからスタートした時に、私自身がちょうどバラードに飽きていたので、モード的にノリのいいのを作りたいな、と。その時期ちょうどTancoさんがジャマイカに何度も行って、その度にイマ向こうで流行っていたものを全部吸収してきていて、『こういうのもカッコよかったんだよね』と色々な曲を聞きながら、聞いたもんの感覚を自分らのもんに収めていく感じでしたね。今ジャマイカのGenius(Stephen McGregor)始めLadenとかのNew Generationたちも、もの凄くHip HopとかR&Bの影響を受けているでしょ? そういうMix-Upされたものは私も嫌いじゃないし聞いていて格好いいけど、このオケで私が歌ったらR&Bなんかな? 誰がレゲエと思うのかな? じゃあどうやったらレゲエっぽい感覚が出せるんか...、もうそういった色んな思惑の結集ですね。
 
 最初オートチューンを全面的に使う案もあったんですが、ちょうどJay-Zが『D.O.A.(Death Of Auto-Tune)』を出したのもあって、部分的にちょっとだけ使うことにしたり(笑)。逆にオートチューンで作ったのを真似て歌ってみたのは今回新しい試みです。
 
 リリックについてもダンスホールやけど恋愛の歌だったら面白いかな、と。ジャマイカのレゲエもよう聴いたらダンス・トラックでも"踊ろう"だけじゃなくて色んな事を歌っていますしね。
 
 "Endless Love"っていうのは、"永遠に続く愛"といういい意味ではなくて、もうムリやと思ったけどもうちょっと続けてみよう、別れを告げたらスッキリするのにでもやっぱり好きやからでけへん、みたいな"自分で終わらせられない"感覚というか、気持ちが延々とループしている感じを歌いたかったんです。でも基本的に"自分だけがかわいそう"というのは歌いたくないんですよ。常に自分だけでなく相手も見えるような曲を作りたいという思いはあるので、たとえば"君は君のそのままでいて"というのは、これは私の問題だからあなたは全然そのままでいて、私のために変わってということはないから、という意味なんです。
 
 でもこの曲はクラブでいい時間にかかって踊れる、あくまでもダンス・チューンなので暗い部屋でしんみり聞くというよりは、爆音で聞きながら踊りながら泣く(笑)、みたいな感じでスカっと聞いてもらえたらいいですね。PVもリリックに沿ってというよりはリズムを無視したくなかったので、ダンサーの人たちに参加してもらって"こう踊ったらカッコええよ"というのを提示できる作品になりました。
 
 バラードの場合はレコーディングもすごく気持ちの部分を重視するんですけど、ダンスホールの曲作りはそれよりも細かくパズル的に作っていく感じといいますか......時間もかけるし、何度も細部を足したり引いたり、そういう作業がとても楽しいですね。
 
 カップリングは今まで一緒に曲を作ったことのなかったRudebwoy(Face)と。彼はもう声がいいよね。これも踊れるトラックで、制作はいつも私の曲作りには関わってくれていたオーバーヒートのエンジニア、大仏くん。格好良く仕上がっていると思います」
 
 同時発売の『My Town Top Rankin』は、今年30周年を迎えたVP Recordsの膨大な作品群からPushim選りすぐりのReggae Classics 16曲を収録。
 
「選ぶ作業はもうほんとうに大変でしたね、いっぱいありすぎて。とりあえず第1条件は、1曲最後までかっちり聴ける曲。ほらジャマイカの曲ってすごくヒットしたものでも、頭(イントロ)だけがよかったり、ただ繰り返しているだけだったり、オフキーだったり(笑)色々あるじゃないですか。あとは私の名前を通して買ってくれる人が多いやろうから、Jamaican Reggaeの入門としてわかりやすい曲ということ。それに、例えばDennis Brownの曲は沢山ありますけど、あえてソウルっぽい『Love Has Found It's Way』とか、Lucianoは『Remember When』なんてすごくシンプルなアコースティックの曲を入れたんは、"これもレゲエなんだぁ"という気づきを与えたいというか、"色んなスタイルがある"というのを知ってもらいたかったんですよね。Tarrus Rileyは『Micro Tip』ってマニアックですか?(笑) でも彼の曲のなかで実は一番好きで、リリックの内容もユニークだしあのリズムの取り方を聴いて欲しいというのもありましたし。基本的には"Pushimはこういう曲を聴いてきたから、ああいう曲を作ったんだな"というのがわかるような、今からレゲエを聴く人に向けに選曲してみたので楽しんでもらえたら嬉しいですね」

 

"My Endless Love"
Pushim
[Kioon / KSCL-1476]
 

"My Town Top Rankin-Pushim's Favorite
Reggae Classics-"

V.A.
[Kioon / KSCL-1477] 
 

 
Pushimのメジャー・デビュー10周年を記念してライヴとダンスを同日に開催!

■「Pushim 10th Anniversary LIVE!!!」
  11/20(金)18時 Open / 19時 Start
会場:Studio Coast
前売:¥5,500(税込/ドリンク代別)
発売日:Riddim読者に限り10/1(木)
    12:00よりイープラスにて先行販売
    (http://eplus.jp/riddim)

■「Fever〜Pushim 10th Anniversary DANCE〜」
  11/20(金)23時 Open/Start
会場:ageHa@Studio Coast
前売:一般¥3,500/ageHa Member¥3,000
   ※上記"Live"の半券をお持ちの方は¥2,000で入場可。
発売日:当日

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