319 ARTISTS BIGGA RAIJI CHOZEN LEE COJIE CRISS FIRE BALL GUANCHAI H-MAN HOME GROWN JR. DEE MIGHTY CROWN MIGHTY JAM ROCK MOOMIN NANJAMAN NG HEAD PAPA B PAPA U-GEE PUSHIM RUDEBWOY FACE RUEED RYO THE SKYWALKER SAMI-T TANCO YOYO-C i-Watch
横浜レゲエ 祭 2009
September 5, 2009 in Yokohama Stadium
Text by Naohiro Moro / Photo by c Mighty Crown Entertainment
小さなクラブで友人を集めて開催されたパーティ「Yokohama Reggae Bash」から数えて今年で15周年、今や3万人を集めるマンモス・ダンスとなった「横浜レゲエ祭」。ファンのサポートはもちろんだが、Mighty Crown Familyのレゲエへのリスペクト精神に基づいた強い気持ちと気合いがあったからこその賜物。今年も大成功に終わった「横浜レゲエ祭 2009」をレポート。
15時少し前、アリーナに突き出したステージの突端部分の隠し扉から、スモーク噴射に包まれSami-Tが飛び出して来て開演を宣言。15年目の横浜レゲエ祭はスタートした。合い言葉は「マジRESPECT」。今年でその活動の第一章に幕を引くというMighty Crown。一体どんな演出で観客をもてなしてくれるのか。楽しみである。
まずはStoned Rockers。今年も多くのフェスからお呼びがかかり、飛躍のシーズンだったはずだ。その演奏でRoad To王者たなけん。お笑い風味の物怖じしないステージは好印象。
続いて今年は様々なフェスに呼ばれ、急成長のRueed。そのRueedの呼び込みで、彼の精神的師匠、Yoyo-C登場。得意のフリー・スタイルでグイグイ持って行く。Yoyo-Cの呼び込みでMoomin登場。新曲「Home」ではハーモニカも聞かせてくれた。小気味良いテンポでトントンと進行する。
Masta Simonが仕切り直して、PAPA U-Geeを呼び込む。コーラスにmachacoを従え、確固たる自信に満ちた職人芸のステージ。
続いて、このところ名曲を連発している魂の男、Guan Chai。心惹かれる熱唱。衣装もバッチリ。
ここで最初のサプライズ「Triple Cross」再び、だ。Nanjaman、Jr.Dee、H-Man。鋼鉄の男たちの言葉の弾丸の高速連射が、弾幕の様にスタジアムに広がる。大喜びの3万人。ここで1部終了。マルチ・ヴィジョンには国内外著名人の豪華祝辞映像が流れまくる。
恒例サミーの歌謡曲タイムのBlue Heartsでひとしきり盛り上がってる間に、ステージ上にはHome Grownがスタンバイ。2部スタートだ。
いきなりMighty Jam Rockの30過ぎの3銃士。「Big Gun Shot」で3万人が吼える。"ハードさ"に"柔らかさ"が加わった余裕と貫禄のステージだった。
そして黒の衣装に身を包んだArm Strong & Rudebwoy Faceが登場したところで嵐の予感。案の定、エグイ言葉回しで、ヴェテランをディスり出す。すると当然の如く白のスーツでキメたNGHead & Papa Bが颯爽と現れ、バトル勃発。マジ・モードのクラッシュを展開。正に圧巻のエンターテインメント。
暑さも弱まってきた夕暮れのナイス・タイムに女王のステージ。周囲の女子たちが飛び跳ねて喜ぶ。3万人という人数を歌の力で感動させる、Pushimという存在の"ワン&オンリー"さに改めて敬服する思いがした。
ショウは続く。ジャマイカからのサプライズ、Half Pintが登場し、往年の名曲を連発。当然永遠のアンセム「Greetings」ではスタジアムは大合唱モードに。
そして、夜の帳が降りる頃、Home GセグメントのトリにRyo the Skywalker見参。いつものスキルで踊らせるのは勿論、全身全霊を込めて歌い上げるミディアム・テンポの数々の名曲で3万人は大感動である。
祝辞映像と名曲テンコ盛りのCrownのプレイをはさんで、自前のバンドを引き連れて、ごっついカナリアの登場。Barrington Levy。完璧に健在のその響き渡るカナリア・ヴォイス。マルチ・ヴィジョンに大写しになったその顔。感動した。
押し気味のはずだが、そんなの気にせずショウは続く。Simon & Samiの兄弟対決。2つのマルチ・ヴィジョンの双方の真下の地上10mぐらいの高さにDJブースが出現。様々なテーマで兄弟喧嘩を展開。しまいにはアントキ猪木が出て来てノー・サイド。そんでもって3万人で「ダーっ!」だ。
クライマックスが近づく。Jungle Rootsと共に、進化し続ける4人組Fire Ballの出番。だが、2曲目でDa'Villeを呼び込んで「Ichiban」を一緒に歌うと、一旦さがり、Da'Villeの短いショウを展開。どんな再登場をするのかと思いきや、衣装チェンジして、例の隠し扉からスモークの噴射と共に、4人がポンポン飛び出して来た。その演出にスタジアムは熱烈歓迎、大熱狂。名曲連発で盛り上げるだけ盛り上げて、ついにはマルチ・ヴィジョンにモノホン桂三枝師匠映像で、3万人で「いらっしゃ〜い」。更に「Bomber Man」での灼熱の盛り上がりを見せた上に、これでもかのサービス精神で、ファミリー総動員の「Japanese Dancehall Anthem」、全員参加で「The Celebration」で締めくくり、花火を打ち上げフィナーレ。何とも濃密なエンターテインメント空間。そんな風に、横浜レゲエ祭2009は怒濤の如く、あっと言う間に終わった感じがしたのだった。
終盤、Masta Simonは多分いつもより力を込めて「レゲエ祭はオレの人生。オレのプライド。死ぬまで絶対に止めない」とブチ撒けた。それはチャプター2の始まりの宣言だったのか。とにもかくにも、多分、休む事なく彼等の挑戦は続くのだ。マジRESPECT!!