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318    ARTISTS    STONE LOVE

STONE LOVEL
 
Text by Masaaki Okino
 
Rory
 

 Stone Loveの名物セレクター/MCとして度々来日もしているRory。最前線で活躍するサウンドマン達に影響を与えたRoryのプレイスタイルもまたファウンデーションだと言えるだろう。そんな彼の歴史と功績、そして最近の動向をレポート。
 
 Stone Loveは、現在のサウンド・システムでの基本的なプレイ・スタイルを築いたサウンドであり、それまで主流だったラバダブ・スタイルとは違うディスコ的なミックス・スタイルをシーン全体に拡め、シーンに大きな変革をもたらした偉大なサウンドと言える。もちろん全てがStone Loveが最初というものではないにしろ、ダンスホール・エンターテインメントの最新の流行形を常に示し続けたサウンドである事は間違いない。
 
 Wee-Powが始めたStone Loveはその名前からしてレゲエ的なものよりはむしろお洒落なディスコを感じさせるが、由来はやはりThe Stylisticsの名曲「I'm Stone In Love With You」のようで、80年代前半にキングストンの中心地でプレイするようになるまではアップタウンやローカルでソウルやバラッドをメインにプレイしていたという。だからこそStone Loveは後にレゲエだけでなくソウルやヒップホップ、ディスコをミックスするナンバー1サウンドとして人気を得る事になったのかもしれない。そしてその功績は80年代半ばからStone Loveのセレクター/MCとして活躍したRoryに依る所も大きいだろう。
 
 イギリス生まれの彼は、両親が愛聴したスカやロックステディといった故郷の音楽だけでなく、ソウルやディスコ、UKレゲエやパンク・ロックなどにも影響を受けたという。家族と共にジャマイカに移り、高校を出てすぐにStone Loveに加入した彼の音楽感性は、Stone Loveの選曲やミックスに更に独特なものをもたらしたはずだ。リアルタイムでミックス・テープを文字通り擦り切れるほど聴いた筆者と同世代のセレクター達なら誰もがRoryのMCやスムースで時に意表を突くミックスに影響を受け、クラブや自宅で真似た事だろう。
 

 
Mikey Bennett
 


 
Stephen Newland (Rootz Underground)
 
曲のテンポだけでなく曲調や歌詞の意味で繋いだり、またトロトロに甘いソウルから一気にジャグリンに持って行くメリハリのあるセンスは、そう簡単に実体験できなかったあの時代、正に衝撃的だった。Stone Loveが初めて来日した際、Roryが日本で購入したというリズム・マシンで銃声音を"バキュンバキュン"と鳴らしながらあのカッコイイ声でMCする姿は今も記憶に強く残っている。事実、あのヤマハ製のリズム・マシンやキーボードは直後、ジャマイカの殆どのサウンドが使いだしたほどだ。 
現在多くのサウンドがそれぞれのジングルや効果音を入れた小型サンプラーを使っているが、その始まりもRoryがこうした機材をレコードプレイに持ち込んだのが発端なのだ。
 
 Rory自身は現在、サウンド・システムでのプレイの一線からは身を引いた感があるが、プロデュースや音楽制作に力を入れているようだ。実際、Home-TのメンバーでありTwo FriendsレーベルのプロデューサーMikey Bennettと共にRootz Undergroundなるプロッジェクトもスタートさせたようだ。MyspaeやYouTubeで確認する限り、ヴォーカリストのStephen Newlandを中心とする正統派のルーツ・レゲエ・バンドだったのには驚きだが、「最新の音楽をプレイしながらもルーツ・ファウンデーションな音楽、精神こそがレゲエの最も大事なものだ」と常に語るRoryの事だ、彼らと共にシーンにフレッシュな風もたらすのではないかと期待している。

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