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318    ARTISTS    SEAN PAUL

SEAN PAUL
IMPERIAL BLAZE
 
Interview by Takashi Futatsugi / Photo by Gerrard Needham
 

 3rdアルバム『The Trinity』から早4年、既に新曲「So Fine」がチャートを賑わせているが、この曲を含む4thアルバム『Imperial Blaze』が遂にリリース。「So Fine」同様、スティーブン・マクレガーが多くの曲をプロデュースした本作は、ダンスホール・レゲエの未来像を映し出しているかのよう。早速、彼に電話インタビュー。
 
●前作『The Trinity』は、あなたのキャリア上いろんな意味で重要な作品だったと思います。同作に対して今改めて思うこととはなんですか?
Sean Paul(以下S):自分にとって重要作だったね。『Dutty Rock』のツアーして、とにかくみんなが自分の作る音楽を楽しんでくれてるんだって気づいて気分が良かったしね。そのエネルギーをそのままアルバムの1曲1曲に詰め込もうとしたんだ。気分がのってなきゃリリースできるものは作れない、オレはそういう風に考えてたんだよね。
 
●その『The Trinity』が出た4年前と比べて、自身ではレゲエ・シーンはどう変わったと思いますか?
S:この4年か...もっとダンス・トラックを使う人が増えたよね。ダガリンとか、益々色んなダンスが生まれたし。あとギャングスタものも始まったよね。みんな自分らのタフさとかハードコアぶりを表現したいんだろうね。話題になっていたものって言ったらそんな感じかな。レコード業界は今、どこも厳しくなってきた。不況の波にはオレらも影響を受けてるってことだよ。だから勝者になるぞ、金稼ぐぞ、って曲も多いね、最近。オレも今年そんな曲をやろうかと思ってたんだ。希望とか目標を与えてあげられるからね。
 
●で、新作がアナウンスされてから随分と経ってしまいましたが...。
S:オレの気持ちの中では「Temperature」が大ヒットしたあと1年半後ぐらいには準備してたんだけど。いくつか障害があってね。車上荒らしにあったんだ、ジャマイカで。で、i-Podも盗まれて、おまけに流出されちゃったんだ。そのほとんどが当時次のアルバムに入れるはずの曲でさ。苦難について歌った曲とか、銃とか暴力、ギャングはもうやめようとかって内容の曲とか、世の中の愛はどこに行ってしまったんだろう、ジャマイカはもっといい国だったはず、みんな再び手を取り合おう、なんて曲とか。で、そういうのが流出しちゃって、「あーあ、みんなもうこういうのが次のアルバムの中心になるって思っちゃってるだろうな」って思った。当時、結構不健康な生活を送ってたんだ。かなりの量の酒を飲んで、夜遊びしまくってて。
 
でもそれがきっかけで改心したんだ。家でもっと時間を過ごすようになって、家にスタジオを建てて、オレのマネージメントもスタジオを準備し始めて......その間に時間が経ってったんだ。日課としては、朝起きて、20分ランニングして、家のスタジオに戻る、って感じ。ドラムも叩き始めて、ちょっとずつ上達してるよ。で、そのうち自分でプロデュースもするようになった。Pro Toolsも導入してさ。一昨年までは自分のメルアドも持ってなかったのにさ(笑)。オリジナルのリディムも作ったし。そのうちひとつは周りの人も認めてくれたよ、だからアルバムに収録することになったんだ。「I Know You Like It」って曲がそれだよ。 
 
それと、ジャマイカではキッズがギャングスタ・ミュージック......キーボードを使ったホラー映画っぽいサウンドにはまっててね。オレも1、2曲そういうリディムでやってみたけど、内容的にものれなかったんだ。上っ面だけで、自分っぽくないなって思った。だからオレはその流行に従うんじゃなくて、違う方向性でやってった方がいい、自分の幅を広げればいいのかなって思ったわけさ。パーティとか女性について歌ってるのをもっと掘り下げてくっていうかさ。だから、今回はそれをやってみたんだ。
 
●新作『Imperial Blaze』のタイトルの意味とコンセプトについて教えてください。
S:"王の炎"ってことだよ。オレがその炎。オレがキングだっていうんじゃなくて、人をパワフルにするエネルギーの源を指してる。好きなことを実現できるようにね。自分の情熱を燃やし続けるもの、オレが音楽を続けられる理由さ。あと、今まではパーティ・チューンが多かったけど、それ以外にもオレだって人生を経験してるわけで、そろそろ他のことを歌いたいって思うようになったわけさ。だから今回はそういう部分が表現されている。これまでとは違うシチュエーションを語ってるんだ。
 
●本作からの1stシングル「So Fine」に使われているのは何というリディムなんですか?
S:あれはエクスクルーシヴ・トラックだから、特別名前は付けなかったんだ。だから"So Fine"リディムって呼んでもいいんだけどね。この曲の中では、ダンスフロアにいるんだけど、女の子に話しかけてるんだ。耳元で「なあ、キミすごい奇麗だね。一緒にいさせてよ」って囁いてるわけさ。だから踊ってはいるけど、もっと密な距離で話してるわけだ。「どんな感じ?」って。知り合ったばかりの彼女のことをもっと知ろうとしてる、っていうカンケイの始まりの曲だね。
 
●次のシングルはもう決まってますか?
S:「Now That I've Got Your Love」って曲は候補の一つだよ。スウィートな曲で、いったんみんなの耳に入るようになったらしばらくローテされると思うよ。スウィートなメロディだから。でもこれがセカンドにするかは決めてない。それから「Hold My Hand」って曲も。これはナイスなワン・ドロップ・リディムの曲で、スペイン語のリミックスもやったんだ。とある女性ヴォーカリストも参加することになってるんだけど、誰かってのはまだ教えられない。ヴィデオにも出てもらうことになるよ。それ以外にもバイラル・ヴィデオ(主にウェブ上で流すことを目的としたPV)を撮影するつもりなんだ。そのうちのひとつは自分でプロデュースした「I Know U Like It」って曲。他にも大好きでぜひシングルにしたいって曲はあるけどね、例えば「Lately」とか。ま、いい曲ばかりだぜ!ってことかな(※その後、「Now That I've Got Your Love」が本作からの2ndシングルに決定)。
 
●大半のプロデュースは、スティーヴン・マクレガーですね? 彼および彼のリディムを起用した経緯は?
S:彼は若くて、すごく謙虚。勤勉なんだけど、すでに物凄い知識を持っている。だからジーニアス=天才。彼は裏庭代わりにスタジオで遊んで育ったコなんだよね。オレも昔からビッグシップにはよく行ってたから、彼のことは小さい時から知ってるんだ。で、7、8年もしたらジャマイカで次々とヒット曲を生み出してるんだからね。驚かされたよ。しかも同じ1月生まれだからね。で、いくつかリディム持ち帰って、自分で作業して、彼のところに戻ってレコーディングしたわけ。いいセッションだった。彼の意見は受け入れやすかったんだ。自分の意見をにじられてるような気分には全然ならなかった。やればやるほどどんどん一緒に作業したくなったんだ。なんだって楽しければ何度もやりたくなるだろう? だから彼のところに通うようになったんだ。新しいものが確実に生まれるからね。そう、オレはとにかくスタジオ作業が大好きになったんだ。大きな進歩だろ?(笑)

 

"Imperial Blaze〜帝王激炎〜"
Sean Paul
[Warner / VP / WPCR13621]

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