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THE MAZE

Raw Singles
Text by Takanori Ishikawa
　
1. Mavado / Sixteen (Daseca)
扇情的なドラムと超攻撃的なサウンド。オリジナル "Sixteen" リズム。シアトリカルなシンセと効果音の銃声が響き渡るイカつい1枚。16歳の少年がガンを手にして命を落としていく現実をリリックスに。歌詞内容、Mavadoの歌唱はハード。だけれども何とも言えない切なさを滲ませている。
　
2. Bounty Killer / Jus Mek A Duppy (Daseca)
"Sixteen" 使用。アグレッシヴなリズムに呼応して、BountyのDJもド迫力。叩き付ける様なライミングで駆け抜ける。「Bad Mindな奴ら、オレに歯向かう奴らは皆、ぶっ殺してやる」のガン・トーク。ヴォーカルがスピーカーから飛び出してくる様で凄いですよ。
　
3. Bounty Killer / Rodney Intention (DJ Frass)
ヒップホップ・ビーツのニュー・オリジナル "Clearance"。硬質でズッシリとしたリズム・パートと小洒落たアレンジ。メリハリの効いたミックスが良い感じのジャマイカ色を演出。苦闘を続けている人々を何とか手助けしたいという内容。
　
4. Elephant Man / Go Easy (Tad's)
ポップな好ジャグリン "Perfect 10"。歯切れの良いドラムはダンサブルなことこの上無し。不世話なキーボードも大活躍でEleのDJにはピッタリのサウンド。女には苦労しない、モテモテの自分を自慢するリリックス。弾けてます。
　
5. Beenie Man / Me Nuh Fraid Nobody (Massive B)
Dave Kelly "Bounce" に似た感じのリズム、展開のトラック "World Dominate"。"タメ"のあるBee-nieのDJがハマっています。タイトル通りのBad Manチューンで、リリックの中でもぶっ放してます。同トラック使用のAssasinも文句無しの1曲なので要チェック。
　
6. Vibez Kartel / Seductive & Sexy (Jah Snow Come)
シンセの音色がアナログ感タップリでいいですね。Dopeなオリジナル・ジャグリン "7/11"。クラップ音は80's風。"Eighty Five" の2009年発展型、とも言えそうなクールなサウンド。KartelのDJも相変らず最高。ホット・ギャル・アンセム。
　
7. Ding Dong / Man A Gallis (Notice)
ダンスで大人気の一曲ですね。華やかなシンセがディスコティックなサウンドを盛り上げる。リズム・パターンもシンプルで、Ding DongのDJもキャッチー。ダンスホールを沸かせるのに充分なインパクトがあります。ギャルが大好きな男達の事を歌ったダンス推進ソング。
　
8. Mr.Vegas / Up Deh (Clifford-Ray Music)
Vegas本人が設立したレーベルからの1曲でヒット中。ゴスペル・チューン。なんですが、サウンドはカントリー色とカリプソ色もミックスされた独特な音になっています。ジャマイカならでは、ですね。神様を讃えるリリックス。
　
9. Mr.Vegas / Mama Don't Cry (Clifford-Ray Music)
ミディアム・テンポの生演奏をバックにして滑らかに、しかし熱唱を披露するVegas。苦労ばかりしてきた自分の母親への愛情をストレートに表現した歌です。ノーギミック。バックの演奏もベタベタしたセンチメンタリズムを感じさせなくて好感が持てる。
　
10. Kiprich & Vigor / Baby Mother Dram(House Of Stars)
お得意のスムース＆メロウなシングジェイと、軽〜いワンドロップ系トラックの組合せが絶妙。奥さんと揉めてしまった男の顛末をストーリー仕立てのリリックスに。ポップな憎めない1曲。クセになりますね。
　
11. Etana / Married Man (Juke Box)
不倫、妻帯者との恋愛を題材にした歌。サウンドも80'sポップ風と言うか、いなたい産業ロック風と言うか、何とも言えない不思議なサウンドの異色作。無意味に派手なディストーション・ギターも訳が分からない感じで面白いです。真面目に熱唱しているEtanaもキュート、かな？
　
12. Lutan Fyah / It Red The Gide On No Pretty (In The Streetz)
Mighty Diamondsの超名曲「I Need A Roof」（Channel One）リメイク・トラック。あの最高のベースラインを中心に、キーボードの演奏も元曲の良さをそのままに活かしたナイスな焼き直しヴァージョンとなっています（ドラムは軽めですが）。変化の激しいこのご時世を生き抜くのは大変だ。落とし穴にハマらないよう気をつけろ、って感じの内容。
　　
13. Freds Wonder & Beenie Man / High Grade (Kings Island)
70'sルーツ・レゲエを打ち込みでアップデートしたオリジナル・トラック。ファンキーなドラムとオールドスクールなキーボードとのコンビネーションは、オリジナリティあります。ヘヴィなトラックではないけれど、ソフトな部分は一切排除した良いサウンドです。ガンジャ・アンセム。
　
14. Lukie D / One Cup A Day (Pull Up Selecta)
70'sレゲエの名曲、Ernest Wilson「I Know Myself」（Channel One）リメイク・トラック。重厚なベースラインがドライヴ。ホーンがサポートするソリッドなサウンドで素晴しい。伸びやかなヴォーカルが映えるガンジャ・チューン。B面収録のBurro Bantonもラフでカッコイイですよ。