Chris Lindig
サンフランシスコから車で30分、ベイブリッジを渡るといきなり静かな住宅街。しかし閑静とはいっても日本ほどセーフティーではないオークランド。ここにワイフと息子の3人で住むクリス・リンディグは、描く絵とはちょっとイメージの異なる物静かなジェントルマン。ギャラリーで絵を展示するだけでなく、彼の作品はスケートボードのAnti Heroのデッキ、Tシャツ、トランプ・カードなどのアートワークになり、VansシューズではTNT(トニー・トゥルヒーヨ)のシグネチャーにも採用され、その筋の人なら知らぬものはいない。
「僕はパイロットをしていた父の関係で横浜で生まれたんだ。そして3才までは日本にいたんだよ」
普段はカーペンターの仕事をしながら、夕方にはマックス・シャーフ(Real/4Q)らと近くのカフェでコーヒー・ブレークするのが毎日の過ごし方。休みには好きなトライアル・バイクに乗りに行くのも楽しみのひとつ。そして絵を描くことはそのライフ・スタイルを崩さない中から生まれて来る。こんなにも自分のスタイルを貫けるアーティストがいるのかと思うほど羨ましい。
そして...
「アトリエだって? そんなのはないよ、ここで気が向いたら描くんだよ。誰にも気兼ねなくね、好きな絵を好きな時にね。絵を描かなければならないなんていう束縛のない自由なスタイルで描いたものが、ギャラリーで皆に見てもらえたり、Tシャツになったり、シューズになったり、スケートボードになったりするのが僕の理想だ」