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318    ARTISTS    DJ YUTAKA

DJ YUTAKA
 
Text by Takashi Futatsugi
 

 DJ活動歴30年を超える現役選手であり、サウンド・プロデューサーとしてヒップホップ・アーティストのみならず、R&B、レゲエ方面でも活躍する大物中の大物=DJ Yutakaが、強力面子を従えたリーダー・アルバムをドロップ!彼が自身の節目となる作品に『New Era』と名付けた理由を探る。
 
 「今回はとにかく"いい音楽"にこだわった」と語るDJ Yutaka。例えば、あのOG=アイス・Tから「Yutakaしかいない!」とRhyme Syndicateのウェアなどのリバイバルの話を請け負ったり、自身が唱える「Save The Hip Hop Project」の一環として、他では有り得ない強力面子のDJ陣とヒップホップにこだわったパーティ「Reherb」をスタートさせたり、と彼が先頭に立たないと成り立たない動きは、依然として活発だ。 
 
そんな、有言実行の"ご意見番スタンス"で知られるアクティヴィストの彼だけに、そのアニヴァーサリー・アルバムもど真ん中のヒップホップになるのでは?と早合点していた人も少なくないだろう。だが、考えても見て欲しい。ズールー・ネイションの思想を彼なりの考え方で広めた『United Nations』三部作でそれは実行されているし、DJ Yutakaプレゼンツという形では『Save The Japanese Children』(05年)というタイトル通りのコンセプト・アルバムが既に発表されている。またその前には"歌モノ"がメインとなる『Episode I』(04年)もリリースされているのだが、当時彼は本誌のインタビュー(No.251)でこう話していた。
 
「別に、俺のイメチェンとかじゃなくて、今まで持っていたもので出していなかったものを出そう、っていう考えの元に作ったもの。歌モノのプロダクション・ワークも(LA時代に)モータウンで一杯勉強したし」。ちなみに同作には、MoominやPushim、大黒摩季、Exileらも参加していたのだが、この『New Era』と銘打たれた新作は、そうした"プロデューサーとしてのDJ Yutaka"のキャリアを踏まえた、振り幅が大きく俯瞰的な作りとなっている。ヒップホップ界からはZeebraからShizooまで、R&B界からはA.Iから青山テルマまで、レゲエ界からはMoominからEnt Deal Leagueまで......いや、そんな分類などもはや無意味だろう。キャスティング、コンビネーションの妙もさることながら、サウンド・アプローチも2つ打ちを含め、これまで以上にバラエティに富んでいる。
 
そしてYutakaがこだわる"低音・ビート・コンシャス"という共通項もしっかりあって、全てクラブ・プレイに対応できるクオリティとなっている("お祝いスキット"には、Mighty Crown 、Masterpiece Sound、DJ Masterkey、そして歌でも参戦のDJ Kaoriらが参加している)。そう、彼がこだわった"いい音楽"とは、先入観なく楽しめて、しかもクラブでもプレイ出来るもの。その意味でも本作は文句ナシのパーティ・アルバムであり、筋の通ったDJアルバムだと思う。「歩き続ければ、きっと何かがあるぜ。だから自分を信じて、さあ立ち上がって」そんな彼からのメッセージは、これまでの30余年の歩みを振り返るのではなく、"これから先・新しい時代"New Eraを見据えたものなのだ。

 

"New Era 〜 DJ Yutaka 30th Anniversary Album"
DJ Yutaka
[Universal / UMCK-1324]

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