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317    COLUMN    UK REPORT

Photo & Text by SIMON "MAVERICK" BUCKLAND
 
Greetings Friends,
 
●毎夏、ヨーロッパ本土ではレゲエを含むあらゆるジャンルのミュージック・フェスが開催されているのだが、Englandにはレゲエ・フェスと呼ぶに相応しいイヴェントが見当たらない。Englandには「Isle Of Wight」「Glastonbury」「Cheltenham」「Bath」「London」といった有名で歴史のあるジャズやポップスのフェスはあるものの、残念ながら「Sunsplash」や「One Love」のようなカリブ風の巨大レゲエ・フェスを求めるファンを満足させるものはないのだ。イタリア、ドイツ、フランス、スペインには大規模なレゲエ・フェスがあるのだが、今のところEnglandの住人はベテラン・レゲエ・スターによる単独ライヴで我慢しなければならない。
 

Freddie McGregor
 
●そのべテラン・レゲエ・スターの筆頭といえるのが40年以上のキャリアを誇るFreddie McGregorだろう。彼のステージを観てがっかりするファンはほとんどいないと思う。彼はUKミニ・ツアーをスタートしたばかりで、Millennium Bandの完璧なサポートのもと、名曲を並べたセットリスト、いい声と彼の温かな人柄がにじみ出るパフォーマンスにより、ライヴ・シンガーとしての実力を改めてステージで証明している。この原稿を書く数日前に、僕の友人がBrighton PavilionでFreddieのショーを観た。彼は前述したFreddieの素晴らしさに感嘆したばかりにとどまらず、22年前に同会場でライヴがあったことさえも覚えており、彼の驚くべき記憶力にも舌を巻いていた。またFreddieは急逝したMichael Jacksonへの追悼の念を「Ben」を感動的に歌い上げることによって示したそうだ。その他にもリハーサルなしと思われる曲を、アドリブを加えながら次々と披露し会場を大いに沸かせたらしい。もし、あなたがステージの近くから曲名を言えばFreddieはおそらくその曲を歌ってくれるだろう。僕は、数日後に彼のフランス西部でのショーを観る予定なので、後にこのコラムで紹介しようと思う。
 

Horace Andy gets a haircut at Jammys (Pre-Dread Days)

●他にライヴで定評のあるアーティストといえばHorace Andyだろう。彼は新作『Inspiration Information』を引っ提げてCamden Town のJazz Cafe(ここの入場料は僕にとってあまりにも高額だ)でライヴを行った。同作は著名なプロデューサー兼ミキサーのAshley Beedleが参加したことで話題になったアルバムだが、そのゆったりしたエレクロ系サウンドがライヴでどのように再現されるか多少疑問に思っていたのだ。しかし、その予想に反して、レコーディングに参加したメンバーがHoraceにしてはミニマリスティックなサウンドを忠実にステージで再現し、彼のユニークなヴォーカル・スタイルと相まり素晴らしい効果を発揮したのだ。特にRolling Stonesのカヴァー「Angie」は特筆ものだった。ショーの後半はHoraceファンにとってお馴染みの内容。Dub Asante にMatic Horns' Buttonsのトロンボーンが轟き、「Money」 「Children Of Israel」「Skylarking」「Problems」「Natty Dread A Weh She Want」「Spying Glass」「Cuss Cuss」などの名曲を披露した。両セットともHoraceは笑顔を絶やさずに歌い続けた。彼こそ真のスターといえるだろう。
 
●Pink Floydの『Dark Side Of The Moon』 のレゲエ版(『Dub Side Of The Moon』)や、Radioheadの『OK Computer』(『Radiodread』)に続くアメリカのバンドEasy Star All-Starsの新譜がリリースされ、アメリカで人気を集めているようだ。今回は『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』 のレゲエ版(『Easy Star's Lonely Hearts Dub Band』)だ。前2作がリリース以来、現在でもアメリカのレゲエ・チャートに居座っていることから、彼らが同じシリーズを作り続ける理由は分からなくもない。しかし傑作といわれるアルバムを、また丸ごと"レゲエ化"してしまった彼らのアイデアに賛否両論あるだろう。このコンセプト自体、あまり深く考えずに音楽的なジョークのように楽しめばいいと思う。試聴をしてからの購入をオススメする。
 
●前回のコラムで、Aswadのオリジナル・メンバー、Drummie、Tony、Brinsleyの3人がIsland Recordsの50周年を記念して再結成したと伝えたが、やはりこの3人での活動は一時的なものだったようだ。再結成されたAswadの演奏は、一体感と集中力に欠けた活気のないものだった。AswadはBrinsley脱退後、DrummieとTonyが中心となって活動していたのだが、最近は目立った動きはなかったように思える。僕が最後に彼ら2人を観たのは、2000年のVictor Cross(SandraとGarnettの兄で、Ariwaクルーとして活動していた)の追悼チャリティ・コンサートだった。実は彼ら、『City Lock』という新譜をリリースしており、Island関連のこのコンサートはそのプロモーションにはいい機会だったのだろう。新作には彼らの多様性を示すためなのか、あまりレゲエらしくない新曲に加え、「African Children」「Natural Progression」「Roots Rockin」など往年の名曲も再録音されている。この新作のリリースにより、彼らが本当に活動を再開したのか、単にビジネスとして期間限定的に活動しただけだったのか、僕は判断に困っている。
 
Till Next Time............
(訳/Masaaki Otsuka)

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